アウトドアにそこそこ慣れてくると、普通の登山やキャンプでは物足りなく感じてしまうのではないでしょうか。そんな人におすすめなのがナイトハイクです。
夜の山には、昼の登山に無い魅力が沢山詰まっています。山で見る星空や夜景、真っ暗な山の中で五感が研ぎ澄まされるような感覚、頂上から拝む朝日の神々しさなど、普通の登山に飽きてしまったという人は一度くらい挑戦してみるとまた新たな登山の魅力に気が付きます。
この記事ではそんなナイトハイクの魅力だけでなく、ナイトハイクに必要な装備や注意点、ナイトハイクする山の選び方について解説していきますので初めてナイトハイクを始める時の参考にして下さい。
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目次
ナイトハイクとは?
読んで字のごとく、夜中に登山することをナイトハイク、あるいはナイトハイキングと言います。夜に山に入るなんてなんだか危険だと思うかもしれませんが、登山の基本的なことを押さえていれば、絶対とは言い切れないものの、安全に登ることができます。
真夜中の山の中には、昼間の明るい時間にはない魅力がたくさんあります。普段登りなれている山だったとしても、昼間には見られない景色に出会うことができるでしょう。
そんなナイトハイクの魅力や登るうえでの注意点などをご紹介していきたいと思います。
ナイトハイクの魅力
ナイトハイクの魅力とはなんと言っても昼間には見れない景色が見れることでしょう。
例えば昼間には街が一望できる山に夜に登ると、きれいな夜景が見れます。都市から遠く離れた場所から見える夜の光は人間の営みの美しさを見ているような気分になります。そのまま朝を待てば、きれいな朝焼けも見れるでしょう。山頂から見る朝焼けは空気が澄み渡っている分いつもよりきれいに見えますよ。
また圧倒的な闇の中を歩くのは、はっきり言って相当な恐怖があります。ですが、そんな中でも頭は働くもので、普段考えないようなことや気づかないようなことに気づくこともあるかもしれません。己を見つめ直すという意味ではある意味究極の方法かもしれませんね。
ナイトハイクの心構え
ナイトハイクは通常の登山と違って日光がない夜間に行うものです。暗闇の中を歩くので昼間と同じように登ることは不可能です。
まず見通しが悪く、周りは完全に闇の中です。街灯もありません。そんな中を歩くわけですから当然危険です。昼間の登山でも命の危険があるということを自覚している人は少ないでしょうが、標高1,000メートルに満たない低山でも滑落すれば十分に命を落とすことが考えられるのです。
真夜中の山の中だとなおさらその危険が増します。ナイトハイクは楽しいものであると同時に、命の危険があるような行為をしているという自覚を持ちましょう。注意してもしたりないくらい、十二分に注意しながら登るように心がけるようにしましょうね。
ナイトハイクで登る山の選び方
行くと決めたら、次は山選びです。ナイトハイクは、何も考えずに選んだそこらへんの山を夜中に登ればいいという訳ではありません。安全に楽しく登るためにはいくつか気をつけるポイントがあります。そのポイントを解説します。
チェック
- 登り慣れている山を選ぶ
- 低山を選ぶ
- 都市から近い山を選ぶ
夜の山では最悪遭難することも十分考えられます。その可能性を減らすためにも道を熟知した登り慣れている山を選ぶといいでしょう。
また低山を選ぶのは夏だったとしても山の中は寒いからです。まして登るのは夜です。標高が高いとそのぶん寒さも増します。登っている最中は汗をかいて体温が上がるものの、休憩のために立ち止まると一気に冷えて体力が奪われます。まだ経験が浅くて体温調節に慣れていないうちは低い山に登るといいでしょう。
都市から近い山を選ぶといいのは、単純にきれいな夜景を見るためということもありますが、万が一遭難や滑落して動けなくなってしまった際に助かりやすいからです。
ナイトハイクの注意点
できるだけ誰かと一緒に登りましょう。単純に闇の中をひとりで登るのが怖いし心細いという問題もありますが、何かあったときのためにも慣れるまでは誰かと一緒に登ったほうがいいです。暗闇の恐怖も誰かと雑談しながらであれば和らぎますよ。
冬はできるだけ避けましょう。私が初めてナイトハイクをしたときは、初日の出を見るためだったので真冬でしたが、本当に寒いです。市街地の比じゃありません。登っている最中にペットボトルの水が凍るくらいの寒さでした。ただでさえ寒くて体力が奪われているのに、シャーベット状になった水を毎回びっくりしながら飲む羽目になり大変でした。
夜中に登るので登山口周辺やまだ民家が近くに見えるところでは騒がないようにしましょう。また民家にライトを向けないなどの配慮も必要です。
ナイトハイクに必要な装備
チェック
- ヘッドライト
- ライト(手に持つタイプ)
- 予備の電池
- スマホ充電器
- 熊鈴
- 行動食、非常食
- ビバークツェルト(雨具や簡易テント)
装備は多すぎても重たくなってしまいますが、最低でもこれだけは持っていって下さい。ライトは両手が空くようにヘッドライトを使います。手に持つライトはヘッドライトでは照らせないところを照らすときに必要です。
また電池類は万が一のときのために持っておきましょう。寒いと普段以上に電池の消耗が早まります。ライトの予備の電池はもちろん、スマホの充電器も必ず持っていきましょう。野生動物と出会わないためにも熊鈴も用意しておきます。なければラジオやミュージックプレイヤーで音楽を流すといいでしょう。
行動食は必須です。昼間でも登山はたいへんカロリーを消費します。そのため、歩きながら食べれる物が必要です。食べながら登らないと、ハンガーノックといういわゆるシャリバテと呼ばれる状態になり、最悪行動不能になってしまいます。またやむを得ず山中に留まらなければならないときのために非常食も持っておきましょう。とにかく食べ物がないと行動するエネルギーが無くなってしまいます。
ビバークツェルトはシェルターとも呼ばれ、非常用のテントのようなものです。山の天気は変わりやすく雨の山道は大変危険なので、一次避難のために持っておいたほうがいいでしょう。雨具も必須です。雨に濡れて体温が低下すると、低体温症などで最悪命の危険があります。雨具は防寒着を兼ねるようなタイプがベストでしょう。
夜の山道は危険がいっぱい
夜の山道には危険がいっぱいです。なかでも最も恐ろしいのが道に迷うことです。昼間であれば標識や道も見つけやすいですが、登山道が整備されていないようなところでは昼間よりも迷いやすくなります。一度迷ってしまうともはやそれは遭難です。もと来た道を引き返すか、下手に動かず日が昇るのを待ちましょう。
他にも山には野生動物がいます。鹿や猪、熊などの大型の野生動物は特に危険です。私が登った奥多摩の大岳山という山はツキノワグマの生息地です。本州最強の動物ですので、登っている間ほとんどの時間をヤツと出会ったときの対処法を考えることに費やしていました。
猪も脅威です。基本的には動物のほうが逃げてくれるので、熊鈴や音楽を流すなどしてこちらの存在を知らせながら登るようにしましょう。
どうしても怖ければ引き返す勇気を持とう
どうしても怖いときは引き返しましょう。意地を張ってもしょうがないですし、そもそも登山は何かと戦うわけではないので、無理だと思ったときには逃げてもいいのです。
登山は命あってこそ楽しめるものです。修験道の修行のためにやるわけではないので、無理をする必要は全くありません。夜の山に登るという選択をした時点で大変な勇気があると言えます。普通はできないことですから、山まで来た自分を褒めてあげてください。
ナイトハイクには昼の登山にはない魅力がいっぱい
夜の登山では慣れないうちは昼間の登山より何倍も危険が伴うものです。慣れたとしてもやっぱり危険なことには変わりがなく、本当ならあまりおすすめできないことです。
それでも、ナイトハイクには昼間の登山では体験できないようなことや見れない景色に出会うことができます。登山の経験がそれなりにあることが前提ではありますが、まだ見たことがない景色を見てみたいという人は、入念な準備のもと一度挑戦してみてもいいと思います。
ギア
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