キャンプに少し慣れてくると、新しいコンロが欲しくなりますよね。1個のコンロでも調理はこなせますが、もう1個あると調理の時の手間や時間を短縮できます。
でも新しいコンロって意外に高くて、なかなか手を出しづらい。そんなあなたにぜひおすすめなのがアルコールを燃料とした「アルコールストーブ」。トランギアやエバニューなど有名なメーカーからも出されているアルコールストーブですが、実は空き缶2個あれば簡単に自作できてしまうんです。
ということで本記事では、アルコールストーブの自作方法について解説します。本記事を読むことで、オリジナルアルコールストーブが30分もあれば作れますよ。
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目次
そもそもアルコールストーブって
そもそもアルコールストーブに馴染みのない人のためにご紹介します。アルコールストーブとはアルコールを燃料とした携帯用コンロのこと。ガスコンロのように、外で調理する際に利用するアイテムになります。
キャンプギアの中でも根強い人気をほこるアルコールストーブ。とっても無骨でカッコイイですよね。
市販されたものは高機能でおしゃれなデザインなものが多いです。しかし自作することで愛着のある自分だけのキャンプギアにできます。また多少不格好でも使い込むことで味のあるアイテムに変わっていくでしょう。
アルコールストーブのメリット
アルコールストーブには、アウトドアで使用するメリットが多くあります。
コンパクトで軽い
1つ目のメリットはコンパクトで軽いという点です。上の写真は今回作ったアルコールストーブですが、サイズは直径約6.5cm、高さ約5cmとかなりコンパクト。
手のひらに余裕で収まるサイズになっています。だいたい小さめのおにぎりぐらいの大きさでしょうか。
さらに重さ約15gと軽く、持ち運びにも適しています。かばんの隅や収納ボックスの隙間に入れ込むことも可能です。
燃料のゴミが出ない
2つ目のメリットは燃料を燃やした後のゴミが出ないという点です。
基本はアルコールを気化させて燃やすので、燃えた後は何も残りません。燃えカスや灰の処理をしなくてもいい、というのはアウトドアで活動するうえで嬉しいポイントですね。
寒さに強い
3つ目のメリットは寒さに強いという点です。
特にガスコンロは寒さに弱く、気化熱でカセットの温度が低くなると着火できなくなることもあります。しかしアルコールストーブは寒い場所であっても、確実に着火できるという特徴があります。
燃料が手に入りやすい
4つ目のメリットは燃料が手に入りやすい点です。
燃料には燃料用のアルコールを使用します。この燃料用アルコールはホームセンターやドラッグストアなど多くの場所で販売しています。
価格はおよそ500mlのボトル1本、300円前後。ちなみにイオンなどの薬品コーナーにも置いてあります。外出先で購入したい時でも簡単に見つけられるでしょう。
構造が単純で壊れにくい
5つ目のメリットは構造が単純で壊れにくいという点です。素人がかんたんに自作できるくらいですので、構造はとっても単純です。
まず中央の穴でアルコールの液体に着火します。これが予備燃焼となってアルコールストーブ全体とアルコールを温めます。
温度が高くなったアルコールはやがて気化して、外側に空けられたジェット孔から噴出します。気体となりジェット孔から噴出したアルコールに着火するとこれが本燃焼となり、火力が安定するわけです。
非常に単純な構造ゆえに壊れにくいといえます。また同じ理由でメンテナンスも必要ありません。
アルコールストーブの自作に必要な材料と道具
アルコールストーブの自作に必要な材料と道具は次の物です。
【材料】
- 1.アルミ缶×2 (同じ大きさの物)
- 2.ペンチ
- 3.カッター
- 4.コンパスカッター
- 5.はさみ
- 6.紙やすり
- 7.ドリル
- 8.マスキングテープ
材料自体はアルミ缶のみです。どこの家庭でも手に入りやすい素材ですので、DIYに利用するのに最適です。スチール缶でもいいですが加工するのが難しいため、おすすめはアルミ缶です。
道具はいろいろと使いますが、ドリル以外は全て100均で揃えています。高価な道具は一切使いません。ちなみに「4.コンパスカッター」はコンパスの要領でカッターの刃を円形に動かして切り取る道具です。こちらも100均のダイソーで手に入ります。
アルミ缶を使ったアルコールストーブの自作方法
ではアルコールストーブの自作方法をお伝えしていきます。およそ30分もあれば作れますよ。
1.アルミ缶を切断する
アルミ缶の底の部分しか使わないため、まず2本のアルミ缶を切断していきます。
カッターの高さを固定して、アルミ缶を刃に当てながらくるくる回していきます。写真ではカッターの高さを4cmに固定しています。
固定には木材を利用していますが、固定さえできれば箱でも本でも構いません。
繰り返し缶を回していくと、切れ込みが入ってきます。ある程度切れ込みが入ると、あとは手で力を加えるだけで切れていきます。
アルミ缶を切ったあとは、意外と鋭かったりギザギザになっていたりして手をケガすることがあります。
切断が出来たら、必ず紙やすりを使ってバリ取りを行っておきましょう。
2本のアルミ缶を切断すると、こんな感じになります。
2.アルミ缶の底に穴を空ける
次に切った2つのアルミ缶のうち、1本の底にコンパスカッターを使って穴を空けます。缶底の中央にコンパスの針を刺し、コンパスの刃を回転させていきます。
穴の大きさは半径1.5cm。
アルミ缶の底はなかなか硬く、コンパスカッターで最後まで切り取ることが難しかったため、切れ込みが入った後はカッターで仕上げました。
穴が空いたら、必ず紙やすりでバリ取りを行っておきましょう。
こんな感じに缶底の中央に穴が空きます。
3.ペンチでくぼみをつける
次に穴を開けた方のアルミ缶にペンチでくぼみをつけていきます。これは2つのアルミ缶を組み合わせやすくするためです。
幅も間隔もおおよそでいいので、10~12箇所くらいのくぼみが全体につくようにしましょう。
くぼみが全体につけば、もう一方の空き缶にすっぽりとはまります。
4.ジェット孔の印を付ける
次にジェット孔の印を付けていきます。
まず印の間隔を均等にするために、マスキングテープを巻きつけてアルミ缶の周囲の長さを測りとります。
マスキングテープでアルミ缶の周囲の長さを測りとったら、一度はがして1.5cm間隔に印を付けます。
ちなみに1.5cm間隔に印を付けるとジェット孔の数は14個に。ジェット孔の数が多いほど強火に、少ないほど弱火になります。
ジェット孔の印を付けたマスキングテープは、もう一度穴の空いたアルミ缶に貼り付けておきましょう。
5.ジェット孔を空ける
次に印に合わせて、直径2mmのドリルを使ってジェット孔を空けていきます。ケガをしないように慎重に作業を行ってくださいね。
きりを持っている人は、先にきりで穴を空けておくことでドリルが滑らずにスムーズに作業が行えるでしょう。穴を空け終わったら、マスキングテープは忘れずに外しておきましょう。
6.中央の筒を作る
次に中央の筒の部分を作っていきます。
まず残ったアルミ缶を切り開いていきます。
切断したアルミ缶と同じ4cm幅に切り取っていきます。
アルミ缶を切断した時と同じように、カッターを固定してくるくる回しながら切断しても構いません。
切り取り終わったら、忘れずにバリ取りをしておきましょう。
バリ取りが終わったら、切り取ったアルミ板を筒状に。そのままアルミ缶底に空けた穴に入れ込み、穴の大きさを測りとりましょう。
穴の大きさを測りとったら、それより少しだけ穴の大きさを広げてホチキスで固定しておきます。
筒が出来たら、一方に大きさ幅5mm程度の三角形の切り込みを4か所ほど入れておきます。
この切れ込みの間を通って、アルコールが行き来するようになります。
アルコールストーブを組み立てて完成
ここまでで部品が作れたら、3つの部品を組み立てていきます。
チェック
- 穴の空いてないアルミ缶底
- 中央の筒
- 穴の空いたアルミ缶底
の順番で組み立てていきます。
するとこんな感じに組み上がって、無事アルコールストーブが完成します。
自作アルコールストーブの使い方
では自作したアルコールストーブの使い方について見ていきましょう。
着火の仕方
アルコールストーブの使い方は簡単、まず中央部に燃料を入れます。燃料を入れる際はこぼれないように注意して作業して下さい。
心配な方はフューエルボトルや燃料を移す用の道具もあるので、使用して下さい。
次に中央部分からアルコールの液体に着火し、予備燃焼が始まります。この予備燃焼でアルコールストーブ全体やアルコールを温めます。
およそ1分経つと、内部の温められたアルコールが気化してジェット孔から吹き出し始めます。この気化したアルコールに着火すると本燃焼となり、火力が安定します。
ちなみに50ccの燃料用アルコールでおよそ15分の燃焼が可能。15分ほど時間が経つと徐々に炎が弱くなって火が消えます。
五徳がなくても加熱できる
五徳を使用することで、鍋やフライパンなどを使って調理を行えます。しかもジェット孔がアルミ缶の側面に付けられているため、シェラカップや小型の片手鍋程の大きさだったら直接アルコールストーブに乗せられます。
ジェット孔が塞がれることもないため、火力も安定したまま利用できますね。お湯を沸かすくらいならちょうどいいでしょう。
自作アルコールストーブでキャンプをより豊かに!
本記事ではアルコールストーブの自作方法について解説してきました。アルコールストーブはメリットが大きく優秀な携帯コンロです。
しかしそれ以上にアルコールストーブの青い炎で調理すれば、いつもとは違った新鮮な気持ちでキャンプを楽しめます。また自分で作ったオリジナルギアとして、より一層キャンプライフを素敵なものにしてくれるに違いありません。
最後に、アルコールは引火性が強い危険な液体です。アルコールストーブに限ったことではありませんが、ケガをしてはせっかく楽しい気持ちも台無しになってしまいますので、十分注意して作業するようにしましょう。それでは。
ギア
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