今回は、奈良県にあるパワースポットとしても有名な「大神神社」の御神体である「三輪山」への登拝についてレポートしたいと思います。
三輪山は頂上まで約2時間で往復することができるコンパクトな山で、その山中には『もののけ姫』に出てくる「シシ神の森」を彷彿とさせる生命力豊かな自然が広がっています。
その山中は非日常感満載で、日々の疲れを癒すショートトリップにピッタリの場所ではあるのですが、三輪山へは決してピクニック目的やレジャー気分で登ってはいけません。
御神体である三輪山は「聖域」であり「登山」ではなく「登拝」という言葉が使われることが示す通り、登山の目的はあくまで「お参り」でなければならないのです。
というわけで、日本随一のパワースポット「三輪山」への登拝について注意点などを詳しくご紹介させていただきますね。
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目次
レジャー気分で登ってはいけない!神様の山『三輪山』登拝
奈良県桜井市にある「大神神社(みわじんじゃ)」は日本最古の神社のひとつでパワースポットとしても有名な場所です。
私にとっても「来ると元気が湧き出る場所」のひとつでして、ここ十数年毎年のように訪れてパワーチャージをさせていただいています。
大神神社は御神体を祀る本殿が無い珍しい神社で、三輪山そのものが御神体。そんな三輪山はかつて禁足の山として入山が厳しく制限されてきた「聖域」なのです。
近代に入り一般人も三輪山への入山が可能となりましたが「聖域」である事には変わりなく、レジャー気分での登山はNG!という「ちょっと普通ではない山」なのです。
大美和の杜展望台からの三輪山
我が家の場合、大神神社へは小さな子どもも含めた家族みんなで参拝しますし、普段の登山やキャンプなどのアウトドアも家族全員で一緒に行くのが常。
ですが、三輪山だけはまだ「1人で」しか登った事がありません。
はれうさぎ
「聖域」となる御神体の三輪山へ登る際には、注意点を踏まえた上で「それ相応の心構え」が必要となりますので、その点についてもまとめてご紹介していきますね。
大神神社と三輪山
大神神社の歴史は古く、その始まりに関する伝承は『古事記』や『日本書紀』の神話に記されています。
ザックリまとめると…
むかしむかし「因幡の白兎」の神話で知られる「大国主神(おおくにぬしのかみ)」という神様がいました。
大国主神は1人で国造りについて悩んでいました。
すると大国主神の前に光り輝く神様が現れ、その神が言うには「自分を三輪山に祀ってくれたら国造りが上手く行くよ?」とのこと。
大国主神は言われた通りにその神様を三輪山に祀ったところ、無事国造りを成就させることができました。
めでたしめでたし!
大神神社の祈祷殿
この時に三輪山に祀られた神様が大神神社の御祭神である「大物主神(おおものぬしのかみ)」であり、この出来事が「大神神社」の始まりとなりました。
そんなこんなの最中、大物主神は大国主神に言ったんですって。「私はあなたの 幸魂・奇魂 (さきみたま・くしみたま) ※1」と。
そう。大国主神の目の前に現れて大国主神を国造りの成就に導いた神様「大物主神」は大国主神自身の魂だったのです。
これは「自分を助ける力は自分の中にあるよ」という意味でしょうか?(←ここについては素人解釈ですので全然見当違いでしたらスミマセン)
大神神社の参道「くすり道」
と、話が神話に逸れました。
とはいえ、大神神社の御神体である三輪山へ入山するにあたり、そこが「聖域」である心構えをする為にはこれらの神話を知っておくことも重要な事前準備のひとつであるとも思われます。
大神神社のササユリ
ちなみに、大神神社の御祭神「大物主神」の本体である「大国主神」は、色々な女神との間に多くの子供もうけたそうで。(なんと!古事記では180柱、日本書紀では181柱とのこと ※2)
そのことにより大国主神は『縁結びの神様』とも言われ「大神神社」や「三輪山」にも『縁結び』のご利益があるとされます。
話を「三輪山登山」に戻しますね。
三輪山への登山口
三輪山への登拝は山頂まで片道約2Kmの道のりです。
三輪山の標高は467.1mで、約80mの高さにある登山口から山頂までは400m近くの高さを登る形となり、登拝に要する時間は2~3時間とされます。
ちなみに、普段運動を全くしないアラフォー主婦の私が、身軽にサクッと1人で登って下りるのにかかる時間はいつも2時間弱です。
そんな三輪山への登山口は、大神神社の拝殿から歩いて5分ほどの場所に位置する大神神社の摂社「狭井神社 (さいじんじゃ)」にあります。
狭井神社には三輪の神様「大物主神」の荒魂(あらみたま)が祀られていて、この御祭神は「疫を鎮めた神」ということもあり病気平癒のご利益があるとされます。
はれうさぎ
「狭井神社」拝殿裏にある井戸
狭井神社の拝殿裏にある井戸の湧き水は、三輪山からの湧きで出たもので太古から薬水と称され万病に効くと伝えられています。
井戸の湧き水は参拝者が自由に飲む事ができますので、三輪山へ登る際の水分として水筒やペットボトルに事前に汲んでから登拝するのもおすすめですよ。
そして、狭井神社の拝殿手前にあるのが「三輪山の登山口」です。
三輪山への登山口は 独特の清々しい空気の中、 静かにひっそりと存在しています。
2020年夏の登山口:鳥居が以前と少し変わっていました
登山口は、このように一見「フリーな状態」で開いていますが、ここから先に進むには事前に狭井神社の社務所にて「登拝申込」の受付を済ます必要があります。
三輪山の入山可能時間と料金
三輪山の入山受付についてですが、以前は「午後2時まで」可能でしたが、現在は新型コロナウィルス感染拡大防止の影響か?「正午まで」と変更になっているのでご注意ください。
【基本情報】
- 入山受付:午前9時~正午(2020/08現在)
- 登拝料:300円
- 下山報告:午後4時まで(時間厳守)
最新情報については、大神神社公式サイトも併せてご確認いただければと思います。
登拝前には「神体登拝申込受付所」で申込用紙に「住所・氏名・携帯電話の番号(緊急連絡先)」などの必要事項を記入し、登拝申込手続きをします。
手続きをすると「三輪山参拝証」となる「鈴がついた白い襷」が渡されますので、それをかけての登拝となります。
三輪山山中はそこそこキツイ勾配がある道です。受付所横に置いてある「竹の杖」は登拝時に利用させていただけるものですので、必要であれば登拝前に借りておきましょう。
受付も済まし「いざ入山!」の前に、最後の手順として「身を清める」必要があります。
「聖域」となる三輪山の登山口前には「お払い棒」と「お祓いの仕方」の説明が置かれていますので、そこで自分でお祓いをした後に入山が許される運びとなります。
三輪山の内部は写真厳禁!
三輪山は、私の中では『もののけ姫』のシシ神の森のイメージと重なります。
そんな生命力あふれる力強い「三輪山」ですが、入山口から中の山中は撮影禁止となっており、残念ながら写真でその姿をご紹介することができません。
さらに言うと、その山中については「下山以降も山中での情報を他人に話すことを慎むのがマナー」とのこと。(Wikipediaより)
登拝の過程で三輪山の関係者から直接「山中については他言NG」の旨を伝えられることこそなかったものの、「山中について語ること」については相応の配慮が必要なようです。
そんな三輪山なのですが、上記の本には「第2章 大神神社」で「え?良いの?」というくらいそこそこ詳しく三輪山にの山中について書いてあります。
ですが、やはりこの本にも「三輪山は写真はもとよりスケッチもNG」と書かれている通り、三輪山内部の写真およびイラストは載っていません。
そんな中、唯一ご紹介できるのはこちら「大神神社に置いてあった三輪山内部の案内図のイラスト」です。
↓
拡大
山中については登拝の際に「安全の為に注意が必要なポイント」に限っては、見せる(語る)ことが許される感じでしょうか。
この案内図にも書かれている「三光の滝」の手前には、更衣ができる小屋があり、滝に打たれる「滝行」をすることもできます。
が、現在は土砂災害の影響で「滝行」および「御滝場への立ち入り」は禁止となっていますのでご注意ください。
三輪山入山心得十箇条
三輪山へは「写真厳禁」の他にも様々な禁止事項や注意点があります。
先にも載せた「三輪山登拝案内図」にも書かれている内容をまとめると以下の通りとなります。
入山心得・十箇条
- 三輪山はご神体です。敬虔な気持ちで登拝を願います。
- 入山前に各自御幣(賽銭箱横)でお祓いをして下さい。
- 入山中は「三輪山参拝証」の襷を首にかけて下さい。
- 行程は上り下り約4Kmです。
- 登山に要する時間は普通二~三時間です。
- 山中での飲食は出来ません。
- 山中の草木・土・石は採取出来ません。
- お供物は必ずお持ち帰り下さい。
- 宗教活動及び勧誘行為などは慎んで下さい。
- 下山は午後四時までに完了願います。
禁止事項
- 煙草・焚き火をしないこと。
- 撮影をしないこと。
- ゴミを放置しないこと。
※「6. 山中での飲食は出来ません。」とありますが、水分補給の為の飲み物はOKです。山中に「飲料水の自動販売機」などはありませんので 熱中症対策としての水分は持参するようにしましょう。
三輪山への服装
ある年の狭井神社前:秋のお祭りがあった日でめちゃめちゃ混んでました
三輪山への登る際の服装についてですが、登拝はお参りが目的とはいえ、その山道は「そこそこの勾配もある本格的な登山道」ですので、服装と靴はしっかりと「動きやすいもの」で臨むのが良いでしょう。
とはいえ、道は歩くのには困らない程度には整えられていますので、うっそうと生える草木をかき分けるような感じではありません。
なので、必ずしも長袖・長ズボンである必要はありませんが、滑った際のケガ防止や虫よけの為には「長袖・長ズボン」の方が安心かもしれません。
山中は基本的に「入山した人が物を置いてくること」が禁止されていて、ガラスなどの危険物が落ちているということもないので、中には「裸足」で登られる方も少なくないようです。実際、これまでの登拝では毎回のように裸足で登っている方と出会いました。
が、個人的には何回登っても「石とかあるのに裸足って痛くないの?!なんで平気なん?修行?私に気合が足りないだけ?」と「私に裸足は無理だ~」と感じております。
ですので「パンプスで来ちゃったから裸足でも行けるなら裸足でいっとこ!」などと簡単に裸足を選択することはおすすめしません。歩きやすいスニーカーやトレッキングシューズで登るのが賢明です。
ちなみに、とある年の5月に登拝した際の私の服装はこのような感じでした。↓
はれうさぎ
写真には写っていませんが、足元はトレッキングシューズです。
登山口の近くには、更衣室はないもののコインロッカー(使用後お金が返却されるタイプ)が用意されています。
私は登拝する際はいつも、トイレで動きやすい服にササッと着替え、タオルと水分以外の持ち物はロッカーに預けて入山しています。
コインロッカーは数か所あります
「狭井神社」前のコインロッカー
コインロッカーは先にも書いた「狭井神社」前のコインロッカーの他にも数か所あります。
「大神神社」拝殿前のコインロッカー
「大神神社」拝殿前にも数は少ないですがコインロッカーがあり、こちらはスーツケースが入るビッグサイズのコインロッカーです。
大神神社から狭井神社にむかう途中にある参拝者休憩所にもコインロッカーがあります。
参拝者休憩所内のコインロッカーもスーツケースが入るビッグサイズです。
参拝者休憩所内には、お茶とお水の給水機や飲み物やアイスの自動販売機もありますよ。
『三輪山』周辺散策
というわけで、三輪山については登る際の「心構え」や「注意点」についてはご紹介できるものの、肝心の山中の行程については、多くを語ることができません。
その代わりと言っては何ですが、「三輪山」周辺は「大神神社」をはじめ、散策スポットがたくさんありますので併せてご紹介させていただきますね。
時間があれば、桜井~天理までの「山の辺の道」を歩くハイキングコースが「日本の古代ロマンが満載」でおすすめなのですが、時間がそこそこ(4~5時間)かかるんですよね。
なので、そこまで時間が取れない方の為に、三輪山から直ぐに行ける範囲で選りすぐりの散策スポットをまとめてみました。
大神神社(みわじんじゃ)
まずは三輪山を登拝する際には欠かせないスポットが「大神神社(みわじんじゃ)」です。
大神神社のご利益は『縁結び』をはじめたくさんあるのですが、「迷いをとっぱらってくれる力」が個人的には最強だと感じています。
特に、植物がモリモリと生い茂る季節(初夏~初秋にかけて)に訪れると神社全体からみなぎる緑の生命力が圧倒的で、参道を歩いているだけで元気が貰える感じがします。
自然を感じることができるスポットとしては「神社」よりもまず「キャンプ場」や「海」や「山」を思い浮かべる人が少なくないかと思います。
が、「利用しやすいように人工的に整備され過ぎた」一部のそれらと比べると、大神神社周辺の木々の方が「より自然の力強さ」を色濃く感じることができるようにも思います。
はれうさぎ
そんな生命力あふれる大神神社には、撫でると身体の痛いところを癒してくれる、また願い事を叶えてくれると言われる「なで兎」がいます。
なぜ兎か?
大神神社の御祭神である大物主大神は、大国主神と同一神で、大国主神が「因幡の白兔」を助けた有名な神話を踏まえてのこと(かも?)なんだとか。(引用:大神神社公式サイト)
しかし、残念ながら現在は新型コロナウイルス感染拡大防止対策の一環として撫でることが出来なくなっていますのでご注意くださいね。(2020年8月時点)
大神神社の展望台
大美和の杜展望台からの景色
そして大神神社まで来たらぜひ訪れて欲しい場所が、大神神社の展望台「大美和の杜展望台」です。
展望台から見える三輪山
展望台といっても、大神神社のすぐ横にある小山がその場所なのですが。
特に天気が良い日はそこから「大神神社の大鳥居」と「大和三山(香具山・畝傍山・耳成山)」が美しく見え、清々しい景色に心が洗われますよ。
檜原神社
そして、三輪山の登山口がある「狭井神社」から山の辺の道を歩いて片道20分の場所にある「檜原神社(ひばらじんじゃ)」もおすすめのスポットです。
檜原神社も大神神社の摂社のひとつで、こちらも大神神社と同様に本殿は無く、御神体は「三輪山」です。
檜原神社の祭神は太陽神で皇室神でもある「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」で、元伊勢 の伝承がある神社なのです。
檜原神社の西に続く檜原台地は大和国中を一望する絶好の地で、万葉集等に「三輪の檜原」と数多く詠まれている場所でもあります。
春分・秋分の頃には、しめ縄の鳥居の間から見える二上山にキレイに夕日が沈むので、その時期と時刻に合わせて訪れるのもおすすめですよ。
三輪素麺
狭井神社手前にあるお食事処
大神神社がある「三輪」の代表的な名物は「三輪素麺」。
手延べ素麺は、今から1200年以上前に「大神神社」の神主である「大神穀主(おおみわのたねぬし)」が作りはじめたとされ、日本最古の加工食品とも言われています。
三輪素麺のにゅうめん@狭井神社手前にあるお食事処
三輪山から湧き出る水は「不老長寿の霊水」と古くから信じられており、その美しく澄んだ良水が三輪素麺の美味しさの秘訣のひとつなんだとか。
三輪山からの湧き水は「狭井神社」で飲むことができます
素麺はもともと殿上人だけが口にできた高貴な食べ物で、一般庶民が口に出来るようになったのは、江戸時代に入ってからなんですって!
そうめん處 森正のそうめん
「素麺なんて夏に家で食べまくってるし!外出先でまで食べたくないなぁ…」と、正直思わなくもない「現代の一般庶民」の私ではございますが。
三輪に来ると「大神神社」周辺の空気感からか?しっかりと素麺を食べたくなるので不思議です。
神様の山『三輪山』登拝まとめ
というわけで、三輪山は「登拝」ということで「レジャー的な登山」とは別物となりますが、登下山で味わう事ができる「身も心も洗われる」リフレッシュ感は別格です。
三輪山周辺には古代ロマンと自然がたっぷり味わえるハイキングコースや散策スポットもありますので、三輪山と併せてぜひぜひ訪れてみてくださいね。
三輪山(大神神社)基本情報
住所 | 〒633-8538 奈良県桜井市三輪1422 |
---|---|
電話番号 | 0744-42-6633 |
最寄り駅 | JR三輪駅(徒歩5分) |
公式サイト | 三輪明神 大神神社(駐車場情報) |
三輪山登拝には「受付時間の制限」や各種「注意事項」などがあり、その他にもその日の天候や登拝状況によっては入山を停止する事もあり得るとのこと。
訪れる前には必ず公式サイトなどで最新情報をチェックしておきましょう。
ギア
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