ペッコちゃん
福岡で一番登山者が多い!?鬼滅の聖地「宝満山」の魅力を実際に登って紐解いてみた!

福岡で一番登山者が多い!?鬼滅の聖地「宝満山」の魅力を実際に登って紐解いてみた!

宝満山(ほうまんざん)は福岡県筑紫野市と太宰府市にまたがる山で、修験の山にもかかわらず福岡県で登山者が一番多い山といわれています。

毎日同じ時間に登る方も大勢いて、とくに早朝は地元の散歩コースのような雰囲気をも感じさせます。 しかし宝満山(正面登山道コース)は、登山口から山頂までずっと石段が続くかなりハードな山なのです。

また宝満山は別名「竈門山(かまどやま)」ともいいます。お気づきの方もいるとおもいますが…そうなんです!いま話題の「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の聖地の1つになっている「竈門神社」の上宮が、宝満山山頂にあるのです。

竈門神社上宮

なぜ竈門神社が鬼滅の刃の聖地になっているかというと以下のような理由があります。

チェック

  • 主人公・竈門丹次郎(かまどたんじろう)の苗字とおなじ「竈門」が神社名である
  • 竈門神社は、太宰府政庁の鬼門除けとしてお祀りされたといわれ、鬼退治と方向性が似ている
  • 竈門神社の修験者の着衣が市松模様の装束で、丹次郎の羽織と同じ柄である

こういった関連性がいくつもあることから聖地とされているそうです。ちなみに聖地のメイン竈門神社下宮は麓にあり車で行けますのでご安心を。

宝満山は鬼滅の刃の聖地として注目を集めているのはもちろんのことですが、実はそれ以前より「福岡県で一番登山者が多い山」として有名なのです。ではなぜ、そんなにも多くの登山者がおとずれるのでしょうか?いったいどんな魅力があり、登山者を惹きつけてやまないのでしょうか?

そこで今回は、実際に私が登ったコースと個人的な感想を交えながら、宝満山の魅力を紹介したいと思います。

宝満山(ほうまんざん)892m

宝満山が別名「竈門山」と呼ばれる由来は「頂上付近に残る竈門岩の伝承によるもの」、「山の姿がカマドの形に見え、常に雲霧が絶えない様子がカマドで煮炊きをして煙が立ち上がっているようにみえる」ことから名づけられたと言われています。

平成25年10月には重要な国家的祭祀が継承されてきた信仰の山「霊山」として、その歴史的・文化的価値がみとめられ、鳥海山(ちょうかいざん)や富士山(ふじさん)につづき、全国3例目の国史跡に指定されました。

宝満山山頂には竈門神社の上宮があり、頂上付近には玉依姫命(たまよりひめのみこと)の伝承にまつわる馬蹄石(ばていせき)や竈門岩があります。他にも山中に益影の井(ますかげのい)や五百羅漢(ごひゃくらかん)など、数々の史跡が点在しています。

そして宝満山にはさまざまなルートがあるので、初心者から上級者まで楽しむことができる山なのです。

竈門神社(正面登山道入り口)までのアクセス

宝満山は、公共交通機関を使って登山口まで行けるアクセスのよさも人気の理由の1つです。高速のICからも近いので、県内だけでなく県外からも行きやすいでしょう。

他にも、登山だけではなく近くに温泉(都久志の湯や二日市温泉など)や太宰府天満宮をはじめとした観光地がたくさんあることも、登山者がおおい理由の1つかもしれません。

公共交通機関

西鉄太宰府駅から竈門神社へ、コミュニティバス「まほろば号」を利用。「内山行き」に乗り、内山(竈門神社)で下車。

所要時間 約10分
料金 100円
問い合わせ 092-921-2121

  • 九州自動車道「太宰府I.C」から約8km
  • 九州自動車道「筑紫野I.C」から約7km
  • 都市高速道路2号線「水城I.C」から約6km
  • 竈門神社駐車場:(第1・第2駐車場あわせて)100台
  • 駐車場料金:1日400円

問い合わせ

竈門神社 092-922-4106
太宰府観光協会 092-925-1899
太宰府市役所 092-921-2121

宝満山「正面登山道コース」

宝満山にはいくつものルートがあり、さまざまな山の表情を楽しむことができます。今回はその中でも人気No.1の「正面登山道コース」を紹介します。

正面登山道コースのポイント!

ポイント

  • 修験道の厳しさを実感できる
  • 難易度は低いが体力が必要
  • 子どもから大人まで楽しむことができる
  • いつ登っても登山者がいるので安心
  • 登山道がしっかり整備されている
  • 公共交通機関を使って登山口までいける

私も初めてのソロ登山には宝満山を選びました。なぜなら常に登山者がいるので女性1人でも安心して登ることができるからです。

女性1人でひとけのない山を登るのは、けっこう勇気がいるものなんですよ。そういったリスクや心配を極力なくして、ただ山を登ることに専念したかったんだと思います。

でも、女性1人で登っていると他の登山者から話しかけられたり、一緒に登ることになったりすることもあるので、いまだに本当に最初から最後まで1人で登ったことはありません(笑)

それも登山の不思議なところで、普段なら話す機会がない人と自然に話せたり、意気投合したりするんですよね。山の力って偉大だなぁといつも実感します。

竈門神社(下宮)で安全祈願をして、いざ出発!

竈門神社は「縁結び」「方除け」「厄除け」の神様として信仰されています。なかでもとくに「縁結び」の神様が有名で、多くの観光客がおとずれる人気の神社です。

現在は鬼滅の刃の聖地としても人気のスポットになっているようです。では、安全祈願をしていざ出発!

朝日が差し込み、すがすがしい!まさに登山日和です。

竈門神社下宮からまず最初のポイント、一の鳥居にむかいます。

こんな細い道や林道を進んでいきます。出だしからずっと登りで、ほとんど平坦なところはありません。

一の鳥居到着

一ノ鳥居に到着!竈門神社から約30分です。一の鳥居の前にも数台車を停めることができるので、ショートカットしたい方はここまで車できてもよいですね。

一の鳥居で山の先輩に声をかけられ、宝満山についていろいろ教えていただきました。内容は省略しますが、いやー長かった(笑)たぶん10分~15分はここでお話を聞いていたような…(汗)

山の先輩すみません。あまりの長さに、途中「チーン…」てなってました(笑)

でも宝満山を愛していることがとても伝わってきて、私も登る山のことを少しでも勉強していきたいなと思いました。ちなみに、ソロ登山のときも宝満山に毎日登っているという先輩と山頂までご一緒することになりました。その方がこちら↓

この方、毎日登っているそうで、とても速くてついていくのに必死でした(汗)

このとき、私も毎週のようにくじゅうに通いづめていたのですが、それでも「ちょっとまって~」と言いそうになるくらいでしたから…。おかげで山頂までの自己ベストタイム1時間10分をたたき出すことができました。

時おり立ち止まっては解説して頂き、年明けには素敵な年賀状まで頂きました。お元気かなぁ!?もし宝満山に行くことがあればお会いしたいものです。このような山の先輩方にお会いしたい人は午前中の早い時間に登ることをオススメします。では、先に進みますね。

一の鳥居をすぎると、さらに石段!

石段!!

石段!!!ほんとにずっと石段の山で、修験の山だと思い知らされます。

三合目「徳弘の井」という水場があります。ベンチもあるので水分補給がてら少し休憩します。山に水場があると、水をたくさん持ってこなくても途中で空容器に補給できるので、荷物が減るし、気持ち的にも余裕がもてるのでいいですね。

さらに先に進むと、吉田屋敷跡でこんなものを発見しました。中をみると…

救急道具が入っていました。なんだか気持ちがほっとしますね。もしものときは、ありがたく使わせていただきましょう。

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でも、山中でのケガは命にかかわることもあるので、くれぐれも気をつけましょうね!

まだまだおちゃらける余裕もあるほど元気です

さて、第2ポイント「百段ガンギ」にむけて元気にいきましょう。

中腹をすぎると、登山道から福岡市内を一望できる箇所があるので、辛くなったら景色をみながら深呼吸してみてください。深呼吸をすることで沢山の酸素が体内に入り、血行がよくなったり、疲労感をすばやく取りのぞくなどといった効果がえられます。

鬼滅の刃風にいうと「山の呼吸」といった感じでしょうか(笑)山を登る時は、なるべく息があがらないようなペースで登りましょうね。

百段ガンギに到着

さて、宝満山最大の難所といっても過言ではない「百段ガンギ」に到着しました。ガンギとは階段のことで、すなわち百段の階段という意味です。それがこちら↓

いやぁ…石段だらけ(笑)でも、ここまでもずっと石段だらけなので、いまさら驚きもせず、むしろ逆にきつくない(笑)ってことで、本当に100段あるのか数えながら登ることにしました。しかし途中でわからなくなって、戻るのも嫌なのであっけなく数えるのをやめました。でもたぶん100段あります。ぜひ、みなさん数えて登ってみてくださいね!

百段ガンギを登ると「閼伽(あか)の井の広場」に到着します。これは松屋レディスが起源600年を記念して造った「岩窟ホテル跡」だそうで、一度も使われなかったようです。

山頂まであと0.3kmになりました。あと少しで山頂です。

袖すり岩です。名前の由来はそのまんまで、袖をすりそうだからということらしいです。

袖をすることはありませんでしたが、すれ違うのはきびしい感じです。修験者の着衣は着物のような感じなので、それだと袖をするかもしれませんね。

袖すり岩をぬけてさらに進むと、いよいよ最後の階段です。

「トドメの石段かよ!」とツッコミたくなるくらい、微妙に段数があり、急です(笑)

「本当に最初から最後まで、石段の山だったなぁ」と思いながら登りました。

宝満山山頂到着

宝満山山頂に到着です。登山口から山頂までは、健脚の方なら1時間30分くらい、ゆっくりなら2時間~2時間半くらいで登れると思います。毎日登っている方たちは、1時間を切る方もいるんだそうです。すごいですね!

登頂を記念して写真撮影開始。

山頂には何カ所か大きな岩があり、私は竈門神社上宮の横にあるこの岩の上で、いつも記念写真をとります。

下をのぞくとこんな感じで、落ちたら最後です。岩の上に登る際は、くれぐれも落ちないように気をつけましょう。

これは初ソロ登山で宝満山に登ったときの写真です。宝満山山頂からは、さえぎるものがないので360度の景観が楽しめますよ。

そしてこちらが冒頭でも紹介した竈門神社上宮です。無事に登れたことと無事に下山できることをお祈りしました。

そして本日のごはんは、カレーです。やっぱり山で食べるカレーは最高です!山頂はけっこうひろいので、ゆっくり景色をながめながら休憩できますよ。

実はこの後…

お昼ご飯を食べてから実は縦走をしたのですが、かなり長くなるので今回は簡単に紹介します。

宝満山山頂の裏側にはこんな鎖場もありますよ。余裕がある方はぜひチャレンジしてみてください。ちなみに回り道もあります。

ここを少し下ると宝満山キャンプセンターがあります。テント泊はもちろん山小屋泊もできますよ。夕方になるとテントなどを担いでこのキャンプセンター目指して登っている人を多く見かけます。バイオトイレ、テーブルやイスもあるので、ここでお昼ご飯を食べるのもよいですね。

では縦走開始です!

まずは、仏頂山(ぶっちょうざん)868m!

お祈りのポーズでパチリ!

頭巾山

つづいて、頭巾山(とっきんやま)901m!頭巾風にパチリ!

さらに進めー!宝満山の石段で、かなり脚が疲れてきてますが、まだまだ行きますよ!

宝満山からの縦走路は登りはあるものの、気持ちがよいですよ。

最終目的地が見えてきました。白く大きい建物は、航空監視レーダードームだそうです。

三郡山登頂

三郡山(さんぐんさん)936mに到着です!

三郡山まで縦走

みんなお疲れ様でした。宝満山だけでは物足りないという方は、ぜひ三郡山まで縦走してみてください。宝満山からはそこまでアップダウンもなく、気持ちのよい縦走路なのでオススメですよ!さらに若杉山(わかすぎやま)まで縦走もできるので、いつかチャレンジしてみたいものです。

下山開始

ひたすら来た道を戻ります。じつは宝満山の前にご来光を拝むため、近くにある天拝山(てんぱいざん)にも登っていたのです。

それがこちら。天拝山に早朝登ると、毎朝登っている人たちがラジオを持ってきていて、ラジオ体操ができるのです。しっかり準備運動をして宝満山に挑んでいたのでした。なので、もうけっこう膝にきてます(汗)

そう思っていたときです。途中の分岐で以前から気になっていた「うさぎ道」に遭遇!でも、110分と書かれていたのでかなり迷いましたが、偶然出会ったトレラン風のお兄さんに確認したところ「正面道よりなだらかですよ~」とのこと。

話し合いの結果、うさぎ道で下山することにしました。名前もかわいいし、うさぎが軽やかにピョンピョンはねていける感じかななんて、その時は思っていたのです。

うさぎ道はかなりなだらかなのですが、進んでも進んでも横にみえる景色の高さが変わらないような…。途中あまりに平坦すぎて、睡魔におそわれるほどでした。

日も沈み出し、あたりがだんだん暗くなってきています。

あっという間に真っ暗になってきて不安になります。山は暗くなるのが早いし、こんなこともあるので必ずヘッドライトは携帯しましょうね。

やっと駐車場までつながる林道に到着!そこにあった看板をみてびっくり!

赤い線で書かれているのが「うさぎ道」、青い線が「正面登山コース」です。「うさぎ道、めっちゃ遠回りや~ん!!」と思わず叫んでしまいました。

うさぎ道コースは道幅は細いものの、岩場もほとんどなくなだらかなので、トレイルランニングをする人や子ども、年配者にはオススメです。しかし景観がほぼ変わらず道が平坦なので、単調な登山になることが考えられます。また史跡などの見どころがないことも含めると、とくに小さなお子さんは途中で飽きてしまうかもしれないなと思いました。

登山してみてわかった宝満山の魅力とは

宝満山(正面登山コース)は最初から最後まで本当に石段の登りの山で、初めて登る人のなかには「なんてハードな山なんだ」と思う人もいるでしょう。しかし同時に「魅力にあふれた山」であることを肌で感じることができる山だとも言えます。

私が実際登って思った「宝満山は修験の山なのに福岡県でもっとも登山者がおおいのはなぜ!?」の答えには、様々なものがありました。

まず1つめに、宝満山に毎日のように登り続けている方たちが温かく迎え入れてくれることです。たとえば、すれ違いざまに「がんばって!」「もう少し行くとベンチがあるよ」「あそこは見ておいた方が良いよ」など、さりげなく気づかってくれたり声をかけてくれるので自然と気持ちに余裕が生まれるのです。

ずっと石段の登り続きなので辛くて下ばかり見てしまいがちですが、そういった人々のふれあいが自然と登山者の顔を上に向け、しまいには笑顔にさせているのかもしれません。

2つめに、登山道(休憩所や標識、史跡の説明なども)がきれいに整備されているので、子どもや初心者も登りやすいということです。そのため、正面登山コースは初めて訪れても道に迷うことなく山頂まで登ることができるでしょう。

3つめに、登りきったときの達成感や爽快感が半端ないことです。ずっと登りなので辛い分、山頂について目に飛び込んでくる360度のパノラマは感動ものです。

このようなことが「また宝満山に登りたい!」と思わせることにつながり、福岡県でいちばん登山者が多い理由ではないかと、私は思います。

宝満山には正面道のほかにも様々なコースがあり、初心者から上級者までいろんな楽しみ方ができるのも登山者がおおい理由だと思います。そして季節によっても様々な顔をみせてくれます。

実際わたしも何度も登りに行っていて、登った回数でいうと人生で3位以内に入るのではないでしょうか。鬼滅の刃の聖地としてもさらに注目を集めているので、これを機会にもっと多くの人に宝満山に登ってもらってその魅力を実際に感じ、自分なりの宝満山の魅力を発見してもらえたらなと思います。

紹介
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  • 30歳目前に突然山に登りだした山女。ストイックな登山を楽しんでいたあの頃の私は今はどこへ???最近は子どもとときどき山を楽しんでいます。

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