岩本利達
キャンプ場情報サイトから地域活性化&観光促進を。わかやま“ほんまもん”キャンプ公開

キャンプ場情報サイトから地域活性化&観光促進を。わかやま“ほんまもん”キャンプ公開

株式会社R.projectは、2022年10月31日から和歌山県のキャンプ場情報サイト「わかやま“ほんまもん”キャンプ」をオープンさせた。これは和歌山県が行う令和4年度和歌山アウトドア観光推進事業によるもので、和歌山県でのキャンプの魅力を発信し、観光地の周遊促進を狙っているとのこと。

第二次キャンプブームと新型コロナウイルス感染拡大を経て、日本のキャンプ人口は爆発的に増えた。キャンプというテーマで地域を切り取って観光を促進するのは他のエリアの参考にもなりそうだ。

「わかやま“ほんまもん”キャンプ」とは

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「わかやま“ほんまもん”キャンプ」のメインとなる機能は、2022年10月時点で県内にある35ヶ所のキャンプ場を検索できるシステム。それらのキャンプ場を「山・川エリア」「海エリア」「グランピング」の3つのテーマに分け、「ペット可」「WEB予約可」などの情報をアイコンにして分かりやすく表現している。この辺りは「なっぷ」の運営で培ったモノだろう。

和歌山は本州の中では最南端に位置しており、緯度で見れば高知県や福岡県と同じ位置にあるので、比較的温暖。年間を通してキャンプを楽しめるキャンパーには人気のあるエリアなので、恒常的に利用される素養がある。

キャンプで和歌山を掘り下げる

和歌山県海南市

なっぷをよく利用するキャンパーからすると「和歌山だけを切り取るメリットは?」と疑問に思うかもしれない。なっぷにも和歌山県のキャンプ場の情報は掲載されているし、それぞれ口コミも見れるのでキャンプ場を探すだけであればそちらで十分だ。

もちろん「和歌山県の事業だから」というのが答えの一つではあるが、筆者としては「キャンパーをターゲットにした観光案内」として意義があると考える。

これまでキャンプ場を探す際に、周辺の観光地や特産品、アクティビティなどは別で調べる必要があったが、エリアで区切るのであればそれらの情報も同時に見せることも出来そうだ。地域を限定することによって、よりその地域の良さを分かってもらえるサービスとなる可能性がある。

近日公開の「わかやま[キャンプ場]診断チャート」も気になる

キャンプのイメージ

冒頭でも触れた「令和4年度和歌山アウトドア観光推進事業」には、わかやま“ほんまもん”キャンプ以外にもサイトと連動した「わかやま[キャンプ場]診断チャート」というリーフレットを発行する予定がある。

詳細は明かされていないが、おそらくキャンパーの好みやスタイルをチャートで誘導し、オススメのキャンプ場を紹介するというものだろう。

こういったチャートがよく使われるのは、「和歌山に行くか行かないか」という選択肢を「和歌山のキャンプ場に行くならどこか」に変化させるという所。これにより一人でも多くのキャンパーが和歌山でキャンプすることを「自分事」化することで、より効果的な観光促進も狙えるだろう。

都市圏から離れたエリアのPRに

田舎の風景

今回の和歌山県の事業は、豊かな自然が魅力の自治体にとっては非常に参考になる事業だ。キャンプ場自体でも他のキャンプ場との差別化が課題になっている昨今、地域として勝負をかけていくというのは有効な手段だろう。

また、密度の濃い観光情報や地域の魅力と共にキャンプをすることによって、もしかすると移住の芽が育つ可能性もある。公開されて間もない若いサービスだが、今後の展開が楽しみだ。

紹介
ギア
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  • 岩本利達
  • 岩本利達キャンプクエストNEWS編集部
  • NCAJキャンプインストラクター/JACオートキャンプ指導者
    『子どもを育む場としての「キャンプ」こそ持続可能な社会の第一歩』をテーマに、環境意識やサバイバル知識を高めるために日夜活動。ガジェット/ギアマニアの視点から最新アウトドアニュースをお届けします。

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