人気の景勝地「尾瀬」にはテント泊が可能なキャンプ場が3つあります。今日はその中からプライベート感が抜群の尾瀬唯一の区画サイト「尾瀬沼キャンプ場」をご紹介いたします。
完全予約制のキャンプ場なので場所取り合戦に追われることなく、優雅なキャンプを満喫できます。徒歩での距離も比較的短く、バックパックキャンプデビューにお勧めですよ。
残り2つのキャンプ場の詳細はこちらの記事でご紹介していますので、合わせてお読みいただけましたら幸いです。
目次
尾瀬沼キャンプ場の魅力
尾瀬沼キャンプ場は、尾瀬国立公園内、福島県側の「尾瀬沼」沿いに位置する、標高約1600mの立地にあります。営業期間は5月中旬~10月中旬です。尾瀬沼キャンプ場の魅力をまとめてみました。
尾瀬で唯一の完全予約制区画サイト
尾瀬にある3つのキャンプ場の中で唯一の完全予約制区画サイトです。区画数が少なく、予約は困難ですが、場所取り合戦に追われることがないのが嬉しいポイントです。
プライベート感満載で優雅なキャンプを楽しめる
木道を挟んで左右にテントサイトが点在しているので、隣同士の距離も保たれていてプライベート感満載です。木々に囲まれた木漏れ日の気持ち良いフィールドで、尾瀬で優雅なキャンプを満喫できます。
尾瀬沼へのアクセスが良好
キャンプ場の傍には尾瀬沼と大江湿原が広がり、徒歩1時間~2時間圏内には「尾瀬ヶ原」「三条の滝」といった名所があります。がっつりと尾瀬をハイキングしたい方にはオススメのベースキャンプ地です。
徒歩キャンプデビューにお勧め
最短コースの沼山峠からであれば、約3.3kmの緩やかな下り坂を約70~80分程度と、比較的距離が短い部類です。徒歩キャンプデビューに最適ではないでしょうか。
山小屋が充実していて設備が綺麗
2つの山小屋があるので、売店や食事が充実しています。但し食事の提供場所が少なく、営業時間も短いので夕食の持ち込みは必要です。トイレをはじめ、設備は大変綺麗で快適なので、初めての徒歩キャンプでも安心です。
尾瀬沼キャンプ場へのアクセス方法
尾瀬沼キャンプ場への移動手段は徒歩のみです。福島県側からアクセスする「沼山峠ルート」と、群馬県側からアクセスする「一ノ瀬ルート」があります。
沼山峠ルート(福島県)
- 御池よりシャトルバスで沼山峠下車・標高差約120m/片道約3.3km/約70~80分程度
- シャトルバスは30~40分間隔運行・片道大人600円/小人300円
- 最寄りの駐車場は「御池駐車場」駐車可能台数約420台/1日1000円・トイレ有
一ノ瀬ルート(群馬県)
- 大清水よりシャトルバスで一ノ瀬休憩所下車・標高差約340m/片道約4km/約105~120分程度
- シャトルバスは30~40分間隔運行・片道大人700円/小人350円
- 最寄りの駐車場は「大清水駐車場(第一・第二)」駐車可能台数約100台/1日500円・トイレ有
福島県側からアクセスする沼山峠ルートは距離が短く、緩やかに下るコースなので徒歩キャンプデビューでお勧めです。
今日ご紹介するコースは、群馬県側からアクセスする一ノ瀬ルートです。
一ノ瀬ルートから尾瀬沼キャンプ場へ
最寄りの駐車場は関越自動車道沼田インターから車で約60分の場所にある「大清水駐車場(第一・第二)」で、駐車可能台数約100台。トイレや売店、自動販売機もあります。
駐車場代は1日500円。テント泊する場合は2日分の駐車料金を支払います。
大清水駐車場から一ノ瀬休憩所までは徒歩でもアクセス可能で、その場合、距離にして約3.2kmを80分程度歩きます。筆者はシャトルバスを利用しました。
シャトルバスは約30分間隔で運行していて、片道大人700円/小人350円。運行期間や運行間隔は時期によって異なるので事前に公式サイトを確認しましょう。
シャトルバスを利用すると約15分で一ノ瀬休憩所に到着です。トイレや自動販売機がありますよ。
一ノ瀬休憩所から尾瀬沼キャンプ場までは徒歩です。距離にして約4km、標高差約340メートルを105~120分程度かけて登ります。
チェックポイントとなる箇所は3つあります。
最初のチェックポイントとなる岩清水までは約0.9km、標高差100メートルを約20分程度歩きます。沢歩きが続く比較的緩やかな道のりですが、マイナールートということもあり、一部の木道は荒れ気味です。
岩清水は水場で、そのまま飲むことが出来ます。岩清水より先は急こう配の本格的な登山道になるので、ここで小休止したいところです。
次のチェックポイントとなる三平峠までは約1.1km、標高差240メートルを40~50分程度。木道の階段が続きます。樹林帯続きで、このコースで一番辛い区間です。
三平峠までは登りでしたが、この先は下りが続きます。三平下までは約1km、標高差90メートルを15分程度下ります。
木道は滑りやすいので、下りの際は気を付けて歩きたいところです。遠くに尾瀬沼が見えてきたら三平下です。
三平下には尾瀬沼山荘があります。トイレや売店、食堂があり、休憩には最適です。目の前には尾瀬沼が見えます。
尾瀬沼キャンプ場のある「尾瀬沼ヒュッテ」までは距離にして約1km、20~30分程度の道のりです。標高差が無く、絶景が広がるビクトリーロードです。
左手に尾瀬沼越しの燧ケ岳を一望できる絶景スポットがあります。
尾瀬沼ヒュッテに到着しました。チェックインは13時にならないと受付していないので、早く到着してしまった場合は尾瀬沼巡りや、山小屋で食事を楽しみながら時間を潰しましょう。
尾瀬沼キャンプ場の施設案内
「尾瀬沼キャンプ場」の施設を写真付きでご紹介いたします。
管理棟(尾瀬沼ヒュッテ)
キャンプの受付は尾瀬沼ヒュッテで行います。チェックインは13時から16時までと決まっています。因みに、受付をしないでの場所取り行為は厳禁です。
受付を済ませると札を渡されるので、テントの目立つ位置に付けましょう。札はチェックアウト時に、尾瀬沼ヒュッテ入口にある返納箱に戻します。チェックアウトは12時までに済ませましょう。
尾瀬沼ヒュッテは本来は宿泊施設で、キャンプの受付のみ委託しています。その為、キャンプ場利用者は尾瀬沼ヒュッテのトイレや談話室といった設備の利用が出来ないのでご注意ください。
但し、尾瀬沼ヒュッテの売店の利用は可能です。売店ではカップラーメンやお菓子、飲み物、OD缶やお土産を購入できます。
尾瀬沼ヒュッテでは食事の提供はありませんが、生ビールは購入可能です。名物の「尾瀬人」ジョッキで飲む生ビールは格別です。
広場
尾瀬沼ヒュッテの前にはウッドデッキで整備された広大な共用スペースがあり、キャンプ場利用者以外でも利用できる施設です。
外にはベンチが沢山あるので多くの方が休憩で利用していました。屋根付きのベンチが半数を占めているので、日差しの強い日や雨の日でも安心です。
トイレ
キャンプ場利用者は尾瀬沼ヒュッテのトイレを使うことができないので、キャンプ場から離れた公衆トイレを利用します。チップ制でトイレ利用料100円を払うシステムです。
トイレの設備は新しく、広いです。しかも、定期的に清掃されているので大変綺麗です。個室にはウォシュレットや温水便座は無りませんが、トイレットペーパーがあるのが嬉しいポイントです。
水場
トイレの入り口にあります。飲み水が無料なのは大変嬉しいですよね。但し、炊事場ではないので炊事をはじめ、洗い物は禁止です。
因みに、尾瀬沼ヒュッテには炊事場がありません。食器はウェットティッシュで拭くなり、対策が必要です。ティッシュやウェットティッシュはマスト装備です。
お風呂
以前は尾瀬沼ヒュッテで日帰り入浴が可能だったのですが、コロナ以降、入浴の受付を中止しています。2023年時点でも引き続き入浴休止中でした。
自動販売機
尾瀬沼ヒュッテの売店横にあります。お酒も買うことができるのは嬉しいポイントです。尾瀬沼ヒュッテで購入した飲み物の缶に限り、捨てることができます。
携帯の電波サービス
以前はAUしか電波が入らなかったのですが、docomoにも対応したようです。尾瀬沼ヒュッテ近辺であれば快適に電波が繋がります。残念ながらソフトバンクのみ圏外なのでご注意ください。
ゴミ捨て場
尾瀬ではゴミは持ち帰りが鉄則です。勿論、尾瀬沼キャンプ場でもゴミを捨てることが出来ないのでゴミ捨て場はありません。ゴミは必ず持ち帰りましょう。
山小屋
キャンプ場の施設ではありませんが、尾瀬沼キャンプ場の周辺には尾瀬沼ヒュッテを含めて2つの山小屋があります。それぞれの山小屋について簡単に紹介しますね。
尾瀬沼ヒュッテ
尾瀬沼キャンプ場の傍にある山小屋です。キャンプ場の受付のほかに、売店と生ビールの購入ができます。
長蔵小屋
創業130年の、尾瀬で一番古い山小屋です。本館と別館、売店、休憩所の4つの建物があります。
本館では11時~13時限定で食事が可能。チェックイン前の待ち時間に昼食として食べたいところです。売店は20時までと一番遅くまで営業しているので便利です。
別館には喫茶コーナーがあり、大変オシャレなカフェです。コーヒーやケーキをはじめ、ピザやカレーといった食事ができます。喫茶コーナーの営業時間は15時半までなので、昼食に是非利用したい施設です。
売店ではお土産をメインに、ドリンク類や、お菓子なども充実しています。但し、食料はそこまで充実していない印象です。コーヒーを始め、各種ドリンクもあります。
無料休憩所に売店はありませんが、自動販売機があります。屋根付きの休憩所の他に、外にも沢山のベンチがあります。
尾瀬沼キャンプ場のサイトレビュー
尾瀬沼キャンプ場のキャンプサイトを写真付きでご紹介いたします。テントサイトは尾瀬沼ヒュッテの裏にあり、木々に囲まれた28区画に分かれた区画サイトです。設営場所は早い者勝ちですよ。
サイトの広さ
広さは大体一緒です。体感的に4×4メートル程度の広さだと思います。1人用の小型テントであればギリギリ2張できる広さです。但し大型テントはウッドデッキからはみ出します。
プライベート感
木道を挟んで左右にテントサイトが点在しています。隣同士の距離も保たれているのでプライベート感は最高です。尾瀬で優雅なキャンプが叶います。
テントサイトは縦長で、手前から埋まっていきます。というのが奥に行けば行くほど、トイレや管理棟が遠くなるからです。
区画によっては隣同士が近かったり、木道に近かったりするので落ち着かないかもしれません。良い場所を確保したいのであれば、チェックインを早めに済ませましょう。
筆者がテントサイトを一通り見た感想ですが、プライベート感が強い区画は8番と9番と10番という印象です。木道から離れた木々に囲まれた奥まった場所にあり、秘密基地が満載です。
サイトの地面の特徴
サイトの地面はウッドデッキです。因みにウッドデッキ以外の場所でのテントの設営や、木道以外の場所を歩くのは禁止です。
傾斜はあるの?
ウッドデッキで平行が保たれているため、傾斜は全くありません。但し27番サイトだけ、少しだけ傾斜しているようです。
ペグの刺さり具合は?
ウッドデッキなのでペグは使えません。ペグが禁止なので、ウッドデッキに置かれている石を使って固定をするか、ウッドデッキの横にある金具にガイロープを引っ掛けてテントの設営をします。
水はけのよさは?
夜や早朝は湿気や霧でウッドデッキが濡れた状態になるので、水はけは良いとはいえません。日光が当たらない限り、湿った状態であることが多い印象です。
尾瀬沼キャンプ場を利用してわかったこと
尾瀬沼キャンプ場はプライベート感満載で、優雅なキャンプが叶うキャンプ場でした。尾瀬沼キャンプ場でキャンプをしてみてわかったことをまとめました。
素晴らしかった点
- 3つある尾瀬のキャンプ場で唯一の、完全予約制の区画サイト
- 隣同士の距離が保たれていてプライベート感満載。優雅なキャンプを楽しめる
- 区画サイトだが場所の指定はなく、好きな場所を選ぶことが出来る
- プライベート感が強い区画は8番と9番と10番という個人的な印象
- 距離が比較的短く、場所取り合戦が無いので徒歩キャンプデビューにお勧め
- 山小屋が充実していて食事や買い物が便利。設備が全体的に綺麗
- キャンプ場へのアクセス方法は2つ。沼山峠ルートは比較的楽
- docomo・AUは電波がばっちり繋がる(ソフトバンクは圏外)
- 尾瀬沼ヒュッテの「尾瀬人」ジョッキで飲む生ビールは是非とも飲みたい
- 飲み水が無料で、自動販売機でお酒が購入できる点は嬉しいポイント
知っておきたいこと
- 営業期間は5月中旬~10月中旬。区画数が少なく予約がちょっと大変
- 山小屋はあるが食事の提供は少なく昼食のみ。夕食の持ち込みは必須
- チェックインは13時からでアーリー不可。事前の場所取りは厳禁
- 炊事場が無いので食器を洗えない。ウェットティッシュはマスト装備
- 尾瀬沼ヒュッテの日帰り入浴は2023年現在休止中
- ゴミは必ず持ち帰り。尾瀬沼ヒュッテの自動販売機で購入した缶は捨てれる
- トイレが遠い。テントサイトの奥に行けば行くほど遠くなる
- 地面がウッドデッキなのでベグ禁止。テントの設営で意外と手間取るかも
- 夜は真っ暗なのでヘッドライトをはじめとした照明器具はマスト
- 焚き火や炭の使用は一切禁止。タキビストには不向きのキャンプ場
プライベート感重視であれば尾瀬沼キャンプ場1択
尾瀬沼キャンプ場は、バックパックキャンプでは希少な完全予約制の区画サイトです。場所取り合戦に追われることなく、テントサイトが100%保証されているので、初めての徒歩キャンプでも安心でなないでしょうか。
それでいてプライベート感満載の区画サイトなので、優雅なキャンプを満喫できます。尾瀬でプライベート感重視のキャンプを満喫したいのであれば尾瀬沼キャンプ場1択です。
ギア
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