伊那谷随一の展望がある「陣馬形山」に登ってきました。ゆるキャン△の聖地巡礼地として人気の「陣馬形山キャンプ場」がある山と言えば伝わるかと思います。
山頂まで車で行くことが出来るので、シーズン中はキャンパーと観光客で激込みの山なのですが、冬季は車両通行止めになるので登山者だけが絶景を独り占めできます。陣馬形山に登るのであれば冬がお勧めですよ。
目次
2つのアルプスを望むパノラマ絶景「陣馬形山」
長野県中川村にある「陣馬形山(じんばがたやま)」は、中央アルプスと南アルプスに挟まれた南北に延びる山域「伊那山地」に属する標高1,445メートルの山です。「信州ふるさと120山」に選定されています。
山頂からは2つのアルプスが目の前に聳えたつ、迫力の大パノラマを拝むことが出来ます。特に、日本で最も大きい谷と言われる「伊那谷」越しの中央アルプスの眺望は圧巻で、伊那谷随一といわれる絶景です。
山頂付近には天空のキャンプ場とも呼ばれる「陣馬形山キャンプ場」があり、無料駐車場も完備です。冬季以外は山頂まで車で行くことができる人気の絶景スポットで、多くのキャンパーや観光客が訪れます。
但し、陣馬形山山頂へ続く車道は、毎年12月から3月末あたりまで通行止めになる為、冬季は山頂まで車で登ることは出来ません。キャンプ場も閉鎖になるので注意が必要です。
「陣馬形山」登山コース
車を使わないで麓から陣馬形山を登る場合、2つのルートがありますが、冬季でも駐車場の心配がないコースとなると1つに絞られます。
美里コース
- 標高差約740m/片道約5km/徒歩150~180分程度
- 最寄りの駐車場は「陣馬形山登山者駐車場」(駐車可能台数約6~7台/無料・トイレ有)
登山口までは車道歩きが続き、山行の半分近くがロード歩きであることと、登山道から山頂までは何度も車道と合流するので登山感はあまり感じられません。コースは以下のような流れになります。
モデルコース 標高差約740m/総距離約10km/コースタイム約270~310分程度
陣馬形山登山者駐車場→陣馬形近道→陣馬形山登山口→標高1200mの看板→丸尾のブナ→陣馬形山キャンプ場→陣馬形山→陣馬形山登山者駐車場
順を追って説明しますね。
最寄りの駐車場・公共交通機関
登山道の最寄りの駐車場は、中央自動車道駒ヶ根インターから車で約30分の場所にある陣馬形山登山者駐車場です。
駐車料金は無料。駐車可能台数は約6~7台と少ないのがネックです。
トイレは駐車場対面にある「美里集会所」の奥にあります。新しくできたトイレのようで大変綺麗です。敷地内にある「ベースキャンプコーヒー」は下山後の利用者が多い人気のカフェです。
因みに、バスの利用も可能ですが、1日に数本しか運航していないうえに、土日祭日は運休のようです。
陣馬形山登山者駐車場→陣馬形近道
第一のチェックポイントとなる陣馬形近道までは距離にして約1.5km、標高差約130メートル程度を約30~35分の道のりです。駐車場から見ると道路が分岐していますが、左側の2車線道路を進みましょう。
登山道までは2キロ程度もアスファルトの車道歩きが続きます。登山口まで果てしなく長く感じることでしょう。しかも結構な登りが続くので、足への負担がボディブローのように効いてきます。
車道歩きでは分岐が多々ありますが、至る所に陣馬形山の標識があるので道に迷う心配はありません。標識に従って歩きましょう。
陣馬形近道に到着です。ショートカットできる山道なのですが、道が大変荒れているうえに、かなりの急斜面です。遠回りになりますがアスファルト道を歩いたほうが楽です。
陣馬形近道→陣馬形山登山口
陣馬形山登山口までは距離にして約0.7km、標高差約160メートル程度を約25~30分かけて登ります。筆者は陣馬形近道は使わずに、大回りになるアスファルト道を利用しました。
最終的にどちらの道を利用しても登山道の標識に到着します。左下に「美里ルート」と書かれた黒い標識が良い目印になります。
獣除けの柵をくぐると、そこそこ急こう配の登山道が続きます。道幅が広く歩きやすいのですが、倒木が行く手を阻んだりと難所もあります。
暫く登山道を登ると道路に出ます。陣馬形山の登山では、山行中に7回も車道と合流する箇所があるので、その度に気持ちがモヤっとすることでしょう。
標識に沿って道路を下ると、陣馬形山登山口に到着です。ここからがやっと登山のスタートといった感じです。
陣馬形山登山口→標高1200mの看板
標高1200mの看板までは距離にして約0.8km、標高差約200メートル程度を約30~40分かけて登ります。出だしは道幅が広く、緩やかです。
2~3分歩くと「陣馬形登山道のベンチ」という、休憩&絶景スポットに到着します。中央アルプスの山々を木々の隙間から眺めることが出来ます。
標高1200mの看板までは、車道と合流するポイントが3か所あります。1つ目の車道と合流するポイントには陣馬形山4Kmの看板があります。
陣馬形山4Km看板から先はトラバース(山の斜面を横方向に移動すること)気味に登山道が続くので比較的歩きやすいです。ただ、謎の分岐が1か所あり、標識が無いので道迷いの可能性があります。右に進みましょう。
2つ目の車道と合流するポイントには陣馬形山3Kmの看板があります。この先はつづら折りの急こう配の登山道が続きます。景観も良くないので心を無にして登りましょう。
3つ目の車道と合流するポイントが、チェックポイントの標高1200mの看板です。車道と合流する度に、車を使って山頂に行けたら。と、微妙な気持ちになること間違いなしです。
標高1200m看板→丸尾のブナ
丸尾のブナまでは距離にして約0.8km、標高差約120メートル程度を約30~35分かけて登ります。トラバース気味に登山道が続くので多少は緩やかです。時々、木々の隙間から中央アルプスを拝むことが出来ます。
丸尾のブナまでは、車道と合流するポイントが1か所あります。1つ目の車道と合流するポイントには陣馬形山2.5Kmの看板があります。
この先は暫くトラバース気味に登山道が続くので多少は緩やかとはいえ、長い道のりに感じるかと思います。恐らく、長い道路歩きと、車道との合流の繰り返しによる精神的ダメージの影響ではないでしょうか。
歩きやすい緩やかな道のりに差し掛かると丸尾のブナまでは約200メートル程度です。
丸尾のブナに到着です。樹齢推定六百年の、天然記念物に指定された巨大なブナで、丸太で枝が支えられています。なかなか見ごたえのある木ですよ。
丸尾のブナ→陣馬形山キャンプ場
陣馬形山キャンプ場までは距離にして約1km、標高差約110メートル程度を約30~35分かけて登ります。直登気味の登山道なので、意外と急こう配です。
陣馬形山キャンプ場までは、車道と合流するポイントが2か所あります。1つ目の車道と合流するポイントまでは約15分です。鉄塔が見えてきたら、ここから先はほぼ登りが無く、平坦な道のりです。
最後の登山道歩きは平坦な道のりです。距離にして100メートル程度なので、2つ目の車道と合流するポイントにはあっさりと到着します。この先は登山道歩きは終わり、車道歩きです。
陣馬形山キャンプ場までは登りはほぼなく、景色が開けます。所々で南アルプスや中央アルプスの山々を楽しみながらの天国ロードです。
陣馬形山キャンプ場に到着です。天空のキャンプ場と言われるだけあって、中央アルプスが目の前の絶景キャンプ場です。シーズンインしたら、登山ではなくキャンプで訪れたいですね。
陣馬形山キャンプ場→陣馬形山
陣馬形山登山口までは距離にして約0.2km、標高差約20メートル程度を約5分程度です。テントが無いキャンプ場は広大な展望台のようで解放感抜群です。登山者にとって、冬季は最高の天国ロードではないでしょうか。
キャンプ場閉鎖中は、炊事場や山荘の利用はできませんが、トイレは開放されています。しかも出来たばかりで大変綺麗です。山頂でトイレが使えると安心感がありますよね。
キャンプ場にある東屋やベンチは昼食を摂るには最高のスポットです。人やテントが無いので貸し切り状態です。混雑を気にすることなく、中央アルプスを眺めながらゆっくりと休憩ができます。
キャンプ場からも360度大パノラマの絶景なので、既に満足感があるのですが、山頂はキャンプ場の奥にある階段を登ったところにあります。山頂まではあっという間です。
陣馬形山山頂に到着です。標高は1,445m。陣馬形山キャンプ場までの山行は、はっきりいって苦行でしたが、山頂に広がる大パノラマが全てを忘れさせてくれました。
陣馬形山山頂からの景色
陣馬形山山頂は周りに遮るものが無い360度パノラマビューが広がる絶景の山です。シーズン中は車で山頂まで行けるだけあって、大人気の山であることも納得です。正に「天空の展望台」です。
西側に目を向けると、中央アルプスが目の前にドーンと聳え立ちます。ここまで中央アルプスを間近で一望できる山は貴重なのではないでしょうか。
なんといっても、日本で最も大きい谷といわれる伊那谷越しの中央アルプスは圧巻の景色です。伊那谷随一の眺望と言われるだけあります。
反対側の東側に目を向けると南アルプスの山々が連なります。2つのアルプスが目の前で眺められる里山は、そうそうありません。
山頂には方位盤があり、どの方向にどんな山があるかが一目でわかるので便利です。
山頂は大変広く、「陣馬形山山頂展望台」という名称がある観光スポットでもあります。無料の望遠鏡もあり、アルプスの山々をくっきりと確認することが出来ます。
展望台だけあってベンチも充実しています。シーズン中は人で溢れるのが容易に想像できますよね。オフシーズンは登山者しか訪れることが無いので、そこまで人が居なくてゆっくりと絶景を満喫できました。
陣馬形山→陣馬形山登山者駐車場
下山は同じコースを往復するピストンルートなので来た道に戻ります。登り返しが無いので、登山口まではコースタイムで約120~150分程度です。
陣馬形山キャンプ場までは両方向にアルプスどーんの絶景を満喫しながら余韻に浸ることが出来ます。
下山では思っていた以上に爆速とはいきません。何故なら、山行の大半が舗装路歩きなので、登りと下りでそこまでコースタイムに差が無いからです。
陣馬形山登山者駐車場が見えてきました。下山では道迷いしやすいポイントが多々あるので標識を見落とさないように慎重に歩く必要があります。
陣馬形山に登ってみてわかったこと
陣馬形山は正直な話、登っていて楽しい山とは言い難いので、シーズン中に車で行くのもアリだと思います。陣馬形山に登ってみてわかったことをまとめました。
まとめ
- 中央アルプスと南アルプスが見渡せる伊那谷随一の展望がある山
- シーズン中は山頂まで車で行くことが出来るのでお手軽
- 山頂にある陣馬形山キャンプ場はゆるキャン△聖地巡礼地で人気
- 冬季は車両通行止めになるので登山するなら冬がお勧め
- 駐車場から登山道までは2キロ近くの道路歩きで長く感じる
- 陣馬形近道のショートカットは悪路と急斜面。歩道歩きのほうが楽
- 登山道からは7回も車道と合流する箇所があるのでモヤっとする
- チェックポイントの丸尾のブナまでは果てしなく長く感じる
- 陣馬形山キャンプ場からは360度大パノラマの天国ロード
- 陣馬形山山頂は周りに遮るものが無い360度パノラマビュー
- 登っていて楽しい山とは言い難いのでシーズン中車で行くのもアリ
登山者だけの特権!誰もいない山頂を独り占めしよう
陣馬形山に登るのであれば車両通行止めになる冬がお勧めです。冬季は車の音も聞こえず、静かな登山を楽しむことができます。
楽しい登山とは言い難いのですが、キャンプ場には誰もいないので人工物が視界に入らない、ありのままの絶景を独り占めできますよ。正に登山者だけの特権ではないでしょうか。
ギア
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