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富士山大絶景「鬼ヶ岳・雪頭ヶ岳」はっきりいってキツイ!時計回りの縦走コースをご紹介

富士山大絶景「鬼ヶ岳・雪頭ヶ岳」はっきりいってキツイ!時計回りの縦走コースをご紹介

数ある富士山どーんの山の中でも雪頭ヶ岳から眺める富士山は別格です。西湖越しの富士山が大絶景の、富士山ハンター必見の山ではありますが修行の道のりで、はっきり言ってキツイです。

今日は、360度大パノラマが広がる「鬼ヶ岳」に登頂した後に富士山大絶景「雪頭ヶ岳」を縦走する、登りごたえたっぷりの日帰り周回コースのご紹介です。

御坂山地にある絶景の山「鬼ヶ岳・雪頭ヶ岳」

御坂山地(みさかさんち)は、富士五湖と甲府盆地を隔てるように連なる、富士山の北側に円弧状に広がる山梨県の山域です。西湖の目の前にある山が鬼ヶ岳と雪頭ヶ岳です。

鬼ヶ岳(おにがたけ)

鬼ヶ岳(おにがたけ)は山梨県笛吹市と富士河口湖町の境にある標高1738mの山で、山頂に突き立った鬼の角のような岩が山名の由来です。富士山と南アルプスの大パノラマを拝むことが出来ます。

雪頭ヶ岳(せっとうがたけ)

雪頭ヶ岳(せっとうがたけ)は山梨県富士河口湖町にある標高1710mの山で、富士山の絶景で有名です。御坂山地には節刀ヶ岳という同じ呼び名の山があるので紛らわしいです。登る際は間違えないようにしましょう。

雪頭ヶ岳は西湖越しの富士山が異次元の景色で

雪頭ヶ岳は西湖越しの富士山が異次元の景色で、数ある富士山どーんの山の中でトップクラスの絶景です。雪頭ヶ岳の北側には鬼ヶ岳があり、10分程度で登頂できる近さなので、縦走登山で人気です。

「鬼ヶ岳~雪頭ヶ岳」登山コース

「鬼ヶ岳~雪頭ヶ岳」登山コース

鬼ヶ岳と雪頭ヶ岳へ登る場合、登山コースは2つあります。

ヨシダケンprofile

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※どちらも鬼ヶ岳をゴールとしたコースタイムで作成しています。

東入川堰堤広場登山口から登頂する

  • 標高差約810m/片道約3.2km/約170~190分程度
  • 最寄りの駐車場は「いやしの里根場登山者駐車場」駐車可能台数約100台/無料・トイレ有

鍵掛峠登山口から登頂する

  • 標高差約810m/片道約3.6km/約180~200分程度
  • 最寄りの駐車場は「いやしの里根場登山者駐車場」駐車可能台数約100台/無料・トイレ有

どちらのコースもピストン(往復)

どちらのコースもピストン(往復)と周回コースで登頂可能ですが、鍵掛峠登山口から登頂する登山者は少ない印象です。多くの登山者が東入川堰堤広場登山口から反時計回りの周回コースかピストンコースを選びます。

筆者も東入川堰堤広場登山口から登頂する

筆者も東入川堰堤広場登山口から登頂するピストンコースを予定していましたが、登山口を間違ってしまい、周回せざるを得なくなりました。ほとんどの登山者が選ばない時計回りコースは以下のような流れになります。

モデルコース 標高差約810m/総距離約6.8km/コースタイム約300~320分程度

いやしの里根場登山者駐車場→鍵掛峠登山口→鍵掛峠→鬼ヶ岳山頂→雪頭ヶ岳山頂→お花畑→東入川堰堤広場登山口→いやしの里根場登山者駐車場

順を追って説明しますね。

最寄りの駐車場・公共交通機関

登山道の最寄りの駐車場は、どちらの登山コースも中央自動車道河口湖インターから車で約20分の場所にある「いやしの里根場登山者駐車場」です。トイレや自動販売機をはじめ、売店もあるので便利です。

西湖いやしの里根場は、日本一

西湖いやしの里根場は、日本一美しいと称された根場集落にあった茅葺屋根の民家を復元した施設です。登山利用者向け駐車場は施設から少し離れた草地のスペースを利用します。駐車台数は100台近くと広大です。

公共交通機関を利用する場合、富士急行線「河口湖駅」

公共交通機関を利用する場合、富士急行線「河口湖駅」から富士急バスに乗り、「西湖いやしの里根場」バス停で下車します。バス停はいやしの里根場登山者駐車場の近くにあります。

いやしの里根場登山者駐車場→鍵掛峠登山口

いやしの里根場登山者駐車場→鍵掛峠登山口

東入川堰堤広場登山口までは距離にして約1.2km、標高差約100メートル程度を約20分かけて登ります。神社を目指して歩くと鍵掛峠登山口の標識が見えてきます。

右手に茅葺屋根の民家を見ながら歩きます

右手に茅葺屋根の民家を見ながら歩きます。民家には柵が無く、一見気軽に入れそうに見えますが、西湖いやしの里根場にある有料施設なので立ち入らないようにしましょう

道は林道にかわり、このあたりから

道は林道にかわり、このあたりから段々と急こう配になっていきます。砂防堤がいくつかみえてきたら登山口はもうすぐです。

鍵掛峠登山口に到着です

鍵掛峠登山口に到着です。ここまでは比較的緩やかで歩きやすい道のりでしたが、ここから先はつづら折りの急登がひたすら続く修行の道のりです。

鍵掛峠登山口→鍵掛峠

鍵掛峠登山口→鍵掛峠

鍵掛峠までは距離にして約1.2km、標高差約490メートル程度を約100~110分かけて登ります。樹林帯に覆われた景観が無い登山道歩きで、途中に平坦な場所や小休止できそうな広場が一切ありません。

しかも、途中にチェックポイント

しかも、途中にチェックポイント代わりになる目印は2か所の標識しか無いので、とてつもなく長い山行に感じることでしょう。1つ目の標識までは、比較的緩やかです。

2つ目の標識まではトラバース気味に

2つ目の標識まではトラバース気味につづら折りの登山道が延々と続きます。勾配もそこそこある上に、単調な道のりです。心を無にして登りましょう。

2つ目の標識までは比較的テンポよく到着できますが

2つ目の標識までは比較的テンポよく到着できますが、この先は岩が露出した急登続きで、段々と険しくなっていきます。精神的にも肉体的にもはっきりいってキツイです。

鍵掛峠に到着です

鍵掛峠に到着です。分岐になっていて鬼ヶ岳は右に進みます。健脚な方は王岳も含めた縦走コースを歩くんだそうですよ。

鍵掛峠→鬼ヶ岳山頂

鍵掛峠→鬼ヶ岳山頂

鬼ヶ岳山頂までは距離にして約1.2km、標高差約220メートル程度を約60~70分かけて登ります。ここまでかなりの標高を稼ぎ、この先は見晴らしの良い稜線歩きだと思っていましたが、本当の地獄はここからでした

この区間はアップダウンの激しいアスレチック感満載の岩場

この区間はアップダウンの激しいアスレチック感満載の岩場の稜線歩きが続きます。筆者は平坦な道が続くビクトリーロードだと思っていたので、精神的ダメージは計り知れません。はっきりって曲者です。

しかも、かなりの頻度でロープ場が出現します

しかも、かなりの頻度でロープ場が出現します。巨大な岩が立ちはだかるロープ場を何度も上り下りしていくうちに、思っていたのと違う。と、心が折れかけました。

とはいえ、ロープ場を登りきった場所からは

とはいえ、ロープ場を登りきった場所からは大絶景のご褒美が待ち受けています。富士山や南アルプスを一望できる360度パノラマビューポイントが随所にあります。

鬼ヶ岳山頂手前では一気に標高を稼ぐので

鬼ヶ岳山頂手前では一気に標高を稼ぐので直登の急登が続き、トドメを刺されます。登山道を間違えたことが本当に悔やまれます。

鬼ヶ岳山頂に到着です

鬼ヶ岳山頂に到着です。標高は1,738m。一体いつになったら山頂に到着するのだろうと、ブツブツ独り言を言いながらの山行となってしまいました。

鬼ヶ岳山頂からの景色

鬼ヶ岳山頂からの景色

山頂の周りには視界を遮るものはなく360度大パノラマが広がります。正直な話、鬼ヶ岳の展望はおまけ程度にしか思っていませんでしたが、雪頭ヶ岳以上の大絶景が広がる山でした。

南側に目を向けると、富士山が目の前です

南側に目を向けると、富士山が目の前です。富士山の景色は雪頭ヶ岳のほうが圧倒的に絶景なので鬼ヶ岳からの富士山の景色はそこまで期待していませんでしたが、想像以上です。

西側に目を向けると、南アルプスが壁のように聳え立ちます

西側に目を向けると、南アルプスが壁のように聳え立ちます。南アルプスの山容全体を一望できるとは思ってもいませんでした。

北側に目を向けると、八ヶ岳連峰や、金峰山、国師岳

北側に目を向けると、八ヶ岳連峰や、金峰山国師岳といった奥秩父山塊の山容全体を一望できる大パノラマです。左手の奥には微かに北アルプスも見えます。

東側に目を向けると、御坂山地に連なる山々と

東側に目を向けると、御坂山地に連なる山々と、遠くに三ッ峠山が見えます。三ッ峠山は富士山が綺麗に見える山として人気です。

鬼ヶ岳の山頂は大変狭く

鬼ヶ岳の山頂は大変狭く、岩だらけです。昼食を摂るには十分なスペースが無いので、休憩をするのであれば雪頭ヶ岳山頂から少し下った場所にあるお花畑がお勧めです。

鬼ヶ岳山頂→雪頭ヶ岳山頂

鬼ヶ岳山頂→雪頭ヶ岳山頂

雪頭ヶ岳山頂までは距離にして約0.2km、標高差約30メートル程度を約10分程度です。足場の悪い岩場をアップダウンを繰り返しながら下っていきます。

鬼ヶ岳山頂直下にある梯子は名物のようで

鬼ヶ岳山頂直下にある梯子は名物のようで、脚立のような長いハシゴ下りが待ち受けています。思っていた以上に高度感があるので慎重に下りましょう。

雪頭ヶ岳山頂直下では登り返しが待ち受けています

雪頭ヶ岳山頂直下では登り返しが待ち受けています。距離は短いのですが直登の急登で、親切にもロープまで用意されています。

雪頭ヶ岳山頂に到着です

雪頭ヶ岳山頂に到着です。標高は1,710m。鬼ヶ岳以上に山頂は狭く、休憩は不可能です。雰囲気的にも山頂にいる感じがしません。

360度大パノラマとはいきませんが、南側には

360度大パノラマとはいきませんが、南側には南アルプスや富士山を一望できます。富士山は綺麗ですが、ごく普通の景色ですよね。本当の絶景ポイントは、山頂から少し下った場所にあります。早速向かってみましょう。

雪頭ヶ岳山頂→お花畑

雪頭ヶ岳山頂→お花畑

お花畑と呼ばれる絶景スポットは距離にして約0.1km、標高差約10メートル程度を約5分程度下ります。引き続き足場の悪い岩場を激下りです。ロープも見えますね。

お花畑と呼ばれる展望スポットに到着しました

お花畑と呼ばれる展望スポットに到着しました。北側は木々で覆われて景観がありませんが、南側は大変開けていて開放的です。

南側に目を向けると、正に筆者が見たかった光景

南側に目を向けると、正に筆者が見たかった光景が広がります。西湖越しの富士山は格別で、筆者が今まで見た富士山どーんの山の中でも圧倒的トップクラスの大絶景でした。

目の前には木々が無く、大変開けています

目の前には木々が無く、大変開けています。5月は土がむき出しですが、夏になると草原のようになり、花が咲き誇るんだそうですよ。

鬼ヶ岳から雪頭ヶ岳まで、休憩できそうな

鬼ヶ岳から雪頭ヶ岳まで、休憩できそうなスペースが一切ありませんでしたが、唯一、お花畑は昼食を摂る十分なスペースがあります。多くの登山者が絶景を楽しみながら休憩をしていました。

お花畑→東入川堰堤広場登山口→いやしの里根場登山者駐車場

お花畑→東入川堰堤広場登山口→いやしの里根場登山者駐車場

ここからは下山コースです。東入川堰堤広場登山口までは距離にして約2.9km、標高差約770メートル程度を下ります。前半は岩場の激下りが続くので、ケガをしないように慎重に下りましょう。

中盤はつづら折りの樹林帯歩きが延々と

中盤はつづら折りの樹林帯歩きが延々と続きます。幸いなことに登り返しが無いので、登山口まではコースタイムで約105分程度と爆速です。

登山口が近づくにつれ緩やかな道になり (2)

登山口が近づくにつれ緩やかな道になり、林道になっていきます。砂防堤が見えてきたら東入川堰堤広場登山口はすぐそこです。

登山口から林道を500メートル程歩くと

登山口から林道を500メートル程歩くと、いやしの里根場登山者駐車場が見えてきました。仮に登山道を間違えずに東入川堰堤広場登山口から登頂したとしても、キツイことに変わりはなかったと思います。

鬼ヶ岳・雪頭ヶ岳に登ってみてわかったこと

鬼ヶ岳・雪頭ヶ岳に登ってみてわかったこと

鬼ヶ岳と雪頭ヶ岳は山頂でのご褒美が本当に染みる山でした。鬼ヶ岳・雪頭ヶ岳に登ってみてわかったことをまとめました。

まとめ

  1. 雪頭ヶ岳は西湖越しの富士山が異次元の景色で有名
  2. 鬼ヶ岳と雪頭ヶ岳は近いこともあり縦走コースが人気
  3. 登山コースは2つあるがどちらから登ってもキツイ
  4. 前半は樹林帯に覆われた景観が無いつづら折り
  5. 山頂に近づくにつれ急登になり、ロープ場もある
  6. チェックポイントになる目印が少なく長く感じる
  7. 鍵掛峠から続く稜線歩きははっきりいって核心部
  8. 山行中平坦な場所や休憩できるポイントが全くない
  9. 鬼ヶ岳山頂は360度大パノラマが広がる大絶景
  10. 雪頭ヶ岳山頂は思っていた程景色が良くない
  11. 雪頭ヶ岳山頂直下のお花畑が唯一の休憩スポット
  12. お花畑から見る富士山はトップクラスの大絶景

いつも以上にご褒美感を感じたい方にお勧めの山です

いつも以上にご褒美感を感じたい方にお勧めの山です

鬼ヶ岳と雪頭ヶ岳は、山頂付近までご褒美はおろか、平坦な場所も休憩スポットも一切無いので、いつも以上に辛い登山に感じました。ただ、苦労して登った先には最高のご褒美が用意されています。

雪頭ヶ岳から眺める富士山は、はっきりいって別格です。道のりは大変ですが、その先には信じられないご褒美が待ち受けていますよ。

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