冬の登山の楽しみといえば、雪山登山!そして、九州の美しい雪山といえば、くじゅう連山!ということで今回は「くじゅう連山雪山登山の魅力」を、実際に登ったルートや感想をまじえながら紹介したいと思います。
そしてなんと、くじゅう連山には冬になると「天然のスケートリンク」が出現するのです!冬のくじゅう登山者は、この天然のスケートリンク目当てに登っているといってもよいほどです。そんな天然のスケートリンクについてもたっぷりと紹介しますのでお楽しみに!
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目次
雪山登山の魅力とは
まず最初に、そもそも雪山登山のどんなところが魅力なのか紹介したいと思います。あくまでも個人的な考えですので、参考までに。
普段、山に登らない人や登山初心者のなかには「雪山って危険そう」「しっかりとした装備が必要だっていうけど、何がいるのかわからない」という人もいるかもしれません。
実際、雪山登山にはしっかりとした装備や防寒着などが必要ですし、他の季節にくらべて危険が多いかもしれません。しかし、他の季節には味わえない魅力が沢山あるのです。
絶景が味わえる!
冬は湿度も低く空気が澄んでいるので、雲一つない青空が広がりやすくなります。そして足元には真っ白な雪。この青と白のコントラストが最高に綺麗なのです!
言葉で表現してもこの美しさはなかなか伝えられないので、実際の景色がこちら。
私は雪山に登って初めて「空ってこんなに青いんだ」と思いました。普段見ている空も綺麗ですが、青さが違います。何時間でも見ていられるほど美しいのです。
意外に歩きやすい、より自然を感じられる
雪山って、意外に歩きやすいんです。これは登山道だから言えることですが、普段はゴツゴツした岩場で歩きにくかったりする道が、冬は岩の間や上に雪が積もり平らになるので歩きやすくなります。個人的には雪山のほうが脚に負担がかからず登れるなと思います。
また、雪山は気軽に登りにこれないからか、他の季節より登山者も少ないような気がします。人が少なく静かなので、雪の上を歩く「ザクッザクッ」という音や風の音、雪の降る音も聞こえて、より自然を楽しめますよ。
では、雪山の魅力をお伝えしたところで、次はくじゅう連山について簡単に紹介します。
くじゅう連山とは
くじゅう連山とは、大分県玖珠郡九重町(くすぐんここのえまち)から竹田市久住町(くじゅうまち)北部にかけて広がる火山群の総称です。
最高峰は九州最高峰の中岳(なかだけ)1791mで、百名山の1つです。また、一帯は阿蘇くじゅう国立公園に指定されています。
今回の登山ルートとコースタイムを紹介
今回は牧ノ戸登山口からスタートし、天狗ヶ城を経由、最終目的地、御池に向かいます。
コースとタイムはこんな感じになります。
くじゅうの雪山登山開始!
今回の登山の一番の目的は雪山を満喫することです。これから先は、大の大人が本気ではしゃいでる写真がたくさん出てきますのでご覚悟を(笑)
牧ノ戸登山口からスタート
7時30分登山開始です。樹氷のトンネルがお出迎えしてくれました。いやぁ、いい感じに雪が積もってますね。
牧ノ戸峠から登って、最初の展望台です。なんだかかなり怪しい天気ですが、進みましょう。
こういった階段や岩場はとくに滑りやすいので気をつけましょう。冬の登山道は凍結していることがあり、転倒すれば大ケガに繋がるので、凍っている場合は必ずアイゼンをつけましょう。
沓掛山(くつかけやま)1503m 到着
先はかなりガスっていて見えませんね。
雪で遊びながらいくのもよし!私は九州でも南の出身なので、雪を見ることがほとんどありませんでした。なので、雪を見るとウキウキしてテンションが上がっちゃうんです。
さらに樹氷の中を進んでいくと…
雪だるま…オラフ!?を発見!
記念に一枚。かなり大きかったので、作るのに時間かかったじゃないかな~。雪山で雪だるまを見かけることはよくありますが、このサイズは初めてです。作ってくれた人ありがとうございます。
雪だるまで遊んでいると、またまた山の先輩に遭遇です。かなりの登山上級者で、一緒に登ることになりました(笑)私たちの登山には、山の先輩がご一緒することが多いような…。なぜでしょう?(笑)
山の先輩も加わり、歩いていると…
なんてことでしょう。どんどん天気がよくなり、青空が見えてきたではないですか。
そして、なんと雲海まで出ています。これは山の先輩のおかげでしょうか!?もしや山の先輩は、山の神なのでは…。
久住分れの避難小屋も、雪景色の中で見るといつもと違って見えます。
久住分れ(くじゅうわかれ)到着
久住分れからは三俣山(みまたやま)1744.7mが見えます。三俣山はくじゅう連山のなかでも人気の山で、紅葉の時期はとくにオススメです。
右奥に見えるのは平治岳(ひいじだけ)1642.8mです。平治岳はミヤマキリシマの時期(6月上旬)がとくにオススメです。
樹氷にお日様があたってキラキラと輝いてみえます。
普段はゴツゴツした岩場を「ヨイショヨイショ」と登らなければならないのですが、岩が雪に埋まって段差が少ないので登りやすいです。しかし、足を滑らせて滑落する可能性もあるので、慎重に!
天狗ヶ城(てんぐがじょう)1780m 到着
ヤマネチ!このポーズをして山で写真を撮るのが流行ったときがありましたが、今はどうなんでしょうか(汗)
登った日はクリスマスイヴ前日ということで、サンタ風になってパチリ!標識に「エビの尻尾」と呼ばれるものがついていますね。エビの尻尾とは、木や岩などに強風によって付着した氷や雪のことです。
そしてこれが凍った御池(みいけ)で、天然のスケートリンクです。何人か御池の上に立っているのが見えます。御池の奥には雲海が広がり、最高のロケーションです。
山の先輩は中岳にも行くらしく、この中岳の分岐でしばしのお別れです。
私たちは御池に向かいます。
御池(みいけ)到着
最終目的地の御池に到着です。しっかり凍ってるようです。
御池は凍っては溶けを何度も繰り返してできるので、しっかり凍っているか確認してから入るようにしてください。凍っていないところがあるとズボっと落ちちゃいますから(汗)噂で落ちた人もいると聞いたことがありますよ。
気分はフィギアスケーターです。こんなポーズをしたり…
こんなポーズもしちゃいます。
そしてスケートで競争も。
しまいには、スケートとは関係ないポーズまで…
もうテンション上がりすぎて、なにがなんだか本人たちもわかっていないと思います(笑)
こんな感じで天然のスケートリンクを満喫したのでした。普通のスケートリンクで、ましてや大人がこんなにはしゃぐことなんてできないですからね~(汗)でも、御池ならアリです!
御池で山の先輩とも合流し、ご飯を食べ、御池とはお別れです。
下山開始
来た道を景色を楽しみながら戻ります。なんだか日本じゃないみたいですね。
雲海から阿蘇五岳(あそごがく)が見えました。
阿蘇五岳とは、根子岳(ねこだけ)1433m、高岳(たかだけ)1592m、中岳(なかだけ)1506m、杵島岳(きしまだけ)1326m、鳥帽子岳(えぼしだけ)1337mの総称で、お釈迦様が仰向けに寝ているように見えることから「涅槃像(ねはんぞう)」とも呼ばれています。
雪だるまのところまで戻ってきました。元気でね~とハグしてお別れをしました。
帰りたくない!とダダをこねる大人たち。
自分たちがここに居た証を残して…。
そして最後は、雪山恒例のヒップソリで一気に下山です!
これがまた楽しい!
大笑いしながら滑っていきます!
気づけば知らない人までヒップソリ遊びに巻き込んでいました(笑)山では、みんな友達です!
今年こそ雪山登山に挑戦しよう!
冬のくじゅう登山の魅力、雪山の楽しさ、少しでも皆さんに伝わったでしょうか?樹氷や青空と雪のコントラスト、天然のスケートリンクなど、今回の登山をとおして冬のくじゅうの魅力を再確認することができました。
今年こそ「雪山はちょっと」とためらっていた方も、ぜひ冬のくじゅうや近くの雪山にチャレンジしてみませんか?
冬の登山・雪山登山はしっかりと準備をすれば安心です。特に以下のようなポイントに気をつけて楽しんで下さい。
ポイント
- 防寒着・レインウェアをしっかり準備する
- アイゼンの携帯・使用
- 雪山初心者は、経験者やガイドの人と行くこと
- 凍結や雪崩に気をつける
- 天気が悪い時・急変しそうな時は、中止または引き返す勇気をもつ
春・夏・秋とは違った表情をもつ冬山に、今年はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。またぜひ、冬のくじゅうにも訪れて実際に自分の目で絶景を味わってみてくださいね。
ギア
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ポイント
牧ノ戸登山口(まきのととざんぐち)→【約60分】扇ヶ鼻分岐(おうぎがはなぶんき)→【約30分】久住分れ(くじゅうわかれ)→【約45分】天狗ヶ城(てんぐがじょう)→【約5分】御池(みいけ)→【約120分】牧ノ戸登山口