YOSHINORI
走行距離10万km越え90年式HARLEY DAVIDSON FXRとの29年間の記録

走行距離10万km越え90年式HARLEY DAVIDSON FXRとの29年間の記録

1990年。念願だった職業への合格通知が届いた翌日。HARLEYを新車で買いました。HARLEY-DAVIDSON FXR。

あれから既に29年。どんな時も傍にあったFXR。とうとう今春、走行は10万キロを超えました。現在は103,000km。

当時は今と異なり、痒い所に手が届くほどパーツが豊富に簡単に手に入る時代ではありませんでした。付くか否か分からぬままに購入し、try&error。知恵を絞り、何とか自分で加工して、お店にも頼んだりしつつ、コツコツとカスタム。

購入当初のハーレーFXR写真のFXRは、キャブ、マフラー、サイドカバーがノーマルと異なります。でもこれがノーマルの形

FXRを29年間カスタムした果て29年のカスタムの果てに、今の形。全くノーマルの面影はありません

北は北海道、南は鹿児島まで、沖縄以外46都道府県を駆け抜けた愛馬。酷い目にもあいましたし、旅先でのトラブルは数え切れません。既に人生の一部とも言える愛馬HARLEY -DAVIDSON。錆の一つ、傷の一つ全てに、想い出があります。

しかしながら、既に10万キロ。これから先、乗り続けて行くには…。

90年式 HARLEY-DAVIDSON FXRとは?

80年台後半、HARLEY-DAVIDSONは、それまでの欠点を克服した全く新しいエンジンを発表します。それがevolution(エボリューション)と名付けられたエンジン。排気量は1340cc。それ以前のHARLEYでは、あり得なかった品質と耐久性を誇りました。

HARLEYを語る上で、AMF時代を欠かすことはできません。AMF時代のHARLEYは、低品質であり、オイル漏れが当たり前であり、壊れるのが当たり前。他方、AMF時代、優れたフォルムのマシンが多かったのもまた事実。功罪両方ありますが…その辺は長くなりますから割愛です。

Evolutionはblock head(ブロックヘッド)とも呼ばれ、壊れない、オイル漏れがない、メンテナンスフリーであり、正にHARLEY社が、HARLEY乗りが夢見たエンジンでした。

FXRは、そのevolutionエンジンを「より遠くへ」走る為に開発された、新しいフレームに搭載し登場したマシンです。フレーム開発には、かのエリック・ビューエルも加わっていたとか。走りに特化していながら、ビックツイン(1340ccエンジン。1200ccと883ccはベビーツイン)の中で価格は最安ライン。メッキとか、省かれていましたからね。

90年当時、FXRの評価とは?

90年当時、evolutionそのものが結構バッシングを受けました。いわゆる「evoバッシング」。HARLEYはショベルやパンまで。Evoは美しさが無いし、HARLEYの振動も希薄。味わいが無い…。様々言われましたね。今では考えられませんが。

アメリカ本国での評価

アメリカは合理主義の国です。「価格が安く、どこまでも走れる足回りを持ち、壊れなくてパワフル」、FXRは一部のHARLEY乗りから熱狂的に支持されました。「health angels」彼らのことは軽々に語れません。興味のある方は調べて下さい。

ビルダー達や、HARLEYをステイタスと考える(乗らずに見せびらかすタイプ)方からは敬遠されました。走りに特化したフレームは、HARLEYらしさの極地であるスタイリングに出来なかったからです。

日本での評価

悲しいかな、全くの不人気車でした。原因はフレームです。低く伸びやかなスタイルに出来ない、サイドカバーと三角形のフレームが日本車のように見える、HARLEYらしく無い、そりゃもう散々でした。

唯一、映画「HARLEY-DAVIDSON & マルボロマン」で主役のミッキーロークのマシンが、FXRであったことが、救いでしたね。

現在のFXR人気が摩訶不思議です。

29年間の維持、その費用は?

HARLEYは壊れる、そんな言葉がいまだに残っているのはAMF時代の低品質HARLEYがあったためです。

Evo以降のHARLEYは、そうそう壊れません!ただし本国とは異なる環境機構の下、どうしても壊れやすい部分はあります。これは車でも単車でも外車であれば仕方がないこと。HARLEYだから壊れるということではありません。

維持費が掛かるのでは無いのです。では何が掛かるのでしょうか?

施したカスタムの数々

FLのフォルムに近づけたFXL

ハーレーカスタムの経緯

90年式HARLEY-DAVIDSON FXR。フロント周りは、全てFATBOYに換装済み。前後ホイールも、FATBOYの物を入れています。フロントブレーキシステムHi performance machine。フローティングディスクは13インチ。タンクはセンターにメーターが付くcat’s-eyeタイプ。

 

ライザーはサンダンスのプルバックのロングタイプ。装着するハンドルはドラッグバー。エンジンにはハイカムが入っています。シートはLe Pera(ラペラ)などを使った末に汎用のサドルシート。2インチのスプリングをフレーム加工し付けています。

 

フェンダーは前後共古いFLの物を加工し取り付け。塗装は自家塗装。ショベル時代のサイドボックスを車体加工し、左右につけています。マフラーはthunder header。点火系統はダイナS、コイルもダイナです。リアショックはオーリンズを使っていましたが、今はプログレッシブの11インチ。キャブレターはスクリーミンイーグルの40パイから、現在はミクニのHSRキャブ42パイ。

無論、90年当時から今の形を目指していたわけではありません!最初に目指したのはshovel時代のローライダーやスタージス!格好良いですからその二台は。けれどもやはりフレームの問題があり、そうしたマシンのシルエットに近づけるのは困難。

だったらとFXのフォルムを捨て、FLのフォルムに近づけて行きました。見た目がFLで走りはFX!最高の一台になるだろうと、お金を貯めてはパーツを買い、夜な夜なガレージで悪戦苦闘!そんな日々の積み重ねで29年間です。

サイドカーを特注し、取り付けていた時期もありましたね。埼玉のJDCCに特注し、スーサイドクラッチとハンドシフトにしていた時期もあります。ハンドルやマフラーの交換は数知れず…。

故障の数々とトラブル

HARLEYの最も弱い点は電気系です。90年、新車のその年に高速道路を走行中、バッテリーが破裂するというトラブルがありました。しかしそれは90年という当時の話。HARLEY-DAVIDSON社自体、まだ日本をそれほどのマーケットと見ていなかった時代の話。現在ではあり得ません。

それよりも頻繁に起きるのは、レギュレータトラブル。これはもう消耗品と割り切り、自宅にストックしておく他ありません。車体に電圧計をつけ電圧変化を常にチェック。ガレージにテスターは必需品です。カスタムに走るより先にテスターは買いましょう!

常に常備してある部品たち

秘密基地には油脂類の他、いつ壊れてもすぐに治せるよういくつかの部品をストックしてあります。それも電気系統が主体。

故障のために準備しているダイナSシステム

先ずはダイナSシステム。ピックアップローターと5Ωのコイルのセットが1台。特にコイルは5年から6年程度で寿命が来ます。

お次は最大の懸念材料、レギュレータ。HARLEYの充電系統は昔のシステムです。

常備しているレギュレータ常備しているレギュレータ。下はDRAG specialties、上はさらに安いブランド

発電され過ぎた余計な電気は車体に逃している訳ですが、こうした古いシステム故、レギュレータがパンクします。ついている場所も、冷やすためには良いけれど雨風がもろに当たる場所。レギュレータの故障は目で見えません。ある日いきなり、です。私は車体に電圧計をつけ、電気のトラブルに備えています。レギュレータは常に2個常備。

ウィンカーも古いリレーシステムです。高いものではないので常備2個。

ウィンカーリレー2個とウィンカーの球ウィンカーリレー2個と、ウィンカーの球4個

ウィンカーの球も、ツーリング前日に切れてしまった苦い経験がありますから4個常備しています。

お次はプラグ。車体にプラグホルダーを付け、中に2本入れています。それ以外に2本常備。

HARLEYは、金が掛かるのか?

結論から書きます。金、掛かりません!

バッテリーは消耗品。何に乗ろうといずれは交換です。タイヤも同じこと。最近の高出力マシンは、ハイグリップタイヤです。一本4万は当たり前、そして1万キロ持ちません。HARLEYのタイヤはロングライフ!ブレーキパットも長持ちします。レギュレータは少々値が張りますが、それでも安いパーツショップで買えば1万円以下。

後はスターターリレーとかウィンカーリレーとか。要するに「消耗品」程度なのです。ミッションのリターンスプリングが折れ、ギアが噛んでしまうトラブルはありましたがね。ベルトドライブのベルト、10万キロを超えてなお切れる気配はありません!

結局、evo以降のHARLEYは消耗品とオイル管理をしっかりしていれば壊れないのです(エンジンオイルは3000km毎、プライマリーとギアオイルは車検毎に)。余程、無茶苦茶な走り方でもしない限りは!

ハーレーのエンジンとマフラー

お金がかかるのは「カスタム」をする為。ノーマルではキャブの径は小さく本来のパワーが出ていないし、マフラーも同じことHARLEY は「未完成」であるが故に、オーナーが自分の理想の形に、理想の足回りに、理想の音に、理想のパワーに近付けるべく、カスタムを施すからお金が掛かります。そう言うバイクなのです、HARLEYは。

29年間でカスタム等々につぎ込んだお金は、恐らくHARLEY 2台分は下りません…。

HARLEYのオーナーとなる。そして自分の理想に近づけていく。部品は豊富です。社外の部品を集め、HARLEY 1台を組み立てることも可能。あらゆる部品が存在します。金属主体ですから自分で加工することも可能。自分の手で未完のバイクを完成品にしていく、これがHARLEYです。

HARLEY-DAVIDSON

ただし最新の現行車は(これはHARLEYもBMWもDUCAもGUZZIも全て共通)インジェクションも含めコンピューター制御。ディーラーに有るような専用テスターが無いと手が出せなくなりました。現行車には、スタイル変更以外、オーナーが好きに手を入れる自由度は無くなりました。高性能と引き換えに…。

ハーレーの寿命について

人の一生よりも長生きします。大排気量でトルクで走るエンジン。高回転まで回すエンジンではありません。車体は鉄の塊。FRPやプラスチックは使われていません。部品は社外品が星の数ほど出ています。

劣化は当然あります。金属が痩せる。例えば昨年、フロントのフローティングディスクが砕けました。フローティング部分は中心部分の円盤とかしめられていますが、これが金属疲労で痩せてしまい最後は砕けました。

電気系統、配線は劣化します。いつかは引き直しが必要です。エンジンのオーバーホールも、ミッションのオーバーホールも、いつかはしなければなりません。車体周り、足回りのオーバーホールも、何処かで必要になります。

キャブレターのオーバーホール

その際に必要となるのが部品ですが、HARLEYに限って言えば、アフターマーケットの豊富さから部品が手に入らないと言う事態は起きません。後はコストの問題だけ。要するにお金です。そしてOHにかかる時間…。

何故、1台に乗り続けるのか?

ハーレーダビッドオン

バイク乗りは、次から次に乗り換えるタイプと、とことん一台と付き合うタイプに分かれますね。どちらが良いと言う話ではありません。限りある人生、一生で乗れるバイクの数は限られています。だったら数多く沢山のバイクに乗りたい。それも真理。

私の場合、オートバイは旅に出るための相棒。レースをするわけでは無いのだからコンマ1秒を削る乗り方はしません。街乗りにも使うし出勤にも使うけれど、やはり旅に出るのが本命!まだ見ぬ景色、走ったことの無い道、知らない世界、そこへ行く旅こそが私には人生の醍醐味。

29年間、北海道から鹿児島まで、46都道府県を駆けて来ました。思い出は尽きません。車体に付いた傷、錆の一つにまで思い出が染み込んでいます。29年間10万キロの想い。そう易々と手放せない、正しく文字通りの相棒。

長く乗れば乗る程、そのバイクへの想い入れのみならずメカにも精通して来ます。音や振動、バイクが発する様々な信号から調子を読み取ることもできます。長く乗り続けることでわかることも沢山あります。

90年に新車で購入した時は「一生涯、このマシンに乗る」、そう決意していましたから。

実は浮気もしてました

29年間のHARLEY人生(バイク歴は34年ですが)、数年間浮気をしていたことがあります。FXRが9万kmを超えた時、流石に消耗を減らそうかと考え始めた頃。たまたま昔憧れたバイクに出会ってしまったのです!

MOTOGUZZI 1100 sport

HARLEYの特殊なボルトを注文にバイク屋に出向き、出会ってしまい、トントン拍子に購入!

MOTOGUZZI1100で角島大橋ツーリング2016 山口県 角島大橋にて

MOTOGUZZIで四国カルストツーリングした時の写真2018 四国カルスト 五段高原にて

2014~2018の10/27迄、5年間で25000km走りました。

イタリアの洗練された美人とアメリカの田舎娘

MOTOGUZZI、10代の頃から憧れていたメーカーです。その乗り味は極上でした。低回転ではHARLEYの如き安定感。鼓動感はHARLEY以上。アクセルを開ければ車体が右に傾きます。そして高回転ではBMWの如きモーター感、一気に車速が跳ね上がります。

乗れば乗るほど楽しくなる、そんなマシンでした。

しかし…。分かり易い表現を使います。MOTOGUZZIは「イタリアの洗練された美人」です。お金が掛かります!本当様々に。壊れるし部品は高いし、次から次に治しても…。

あらゆるオイルシールが駄目になる、フロントフォークからもオイルが漏れる、スターターモーターが壊れる、デフのシールがやられる…。

HARLEYは年間3000台、新車を日本で販売します。1年間でどれ程の数を製造するのやら。対してMOTOGUZZIは本国で年間製造できる台数が3000台。もう圧倒的に組み立て精度が異なります。信頼度が違います

2017年のハーレーダビッドソン新車販売台数は国内で1万0043台。日本自動車輸入組合が発表

高性能を狙って作られたマシンでは無いHARLEYは、常に土の香りが漂います。走りにまで。車体、エンジン、ミッション全てに余裕がある為、訳のわからない壊れ方はしません。部品は豊富ですから単価も安い。泥臭くて、壊れずに、コストも安く済む。

イタリアの洗練された美人の如き美しさは無いけれど、儚さも無い。アメリカの田舎娘です、HARLEYは。

ハーレーFXLで十和田湖奥入瀬渓流ツーリング2019 十和田湖奥入瀬渓流にて

乗り換え候補の登場!FLSTCヘリテイジクラシック

乗り換えることは全く考えていなかった訳ですが。2019春ツーリングで、これまで経験しなかった事態を味わいました。キャンプ先からレッカーでの帰宅…。原因はコイルに繋がる+線が断線していました。タンクの裏側で…。

暗くなりゆくキャンプ場で様々原因を探りましたが、時間切れ。翌日帰宅しなければ仕事に支障をきたします。29年間のHARLEY Life初のレッカー。29年間、10万キロ。快調に走ってはいるけれどガタは様々な部分で生じています。

このまま次の10万キロを目指すのか、足回り、電気系統、エンジン、ミッション、車体、あらゆる点で見直しが必要となって来たのでは無いか?その費用は?時間は?

そんな時に一つの話が舞い込みました。

愛馬FXRと同じく、29年間付き合いのあるバイク屋さんに1台のHARLEYがやってきました。前オーナーはお店のお客。素性ははっきりしているバイクです。前オーナーは神経質でマシンの調子にとても敏感。その上、走らずに磨き…。走るタイプではなく所持することで満足するタイプ。

バイク屋の親父曰く…「00年式のTC88ヘリテイジ ソフティルクラシック 走行僅かに9000km!乗らずに磨きまくっていたからピッカピカ。極上品。傷一つ無いし、機関は絶好調!君の次のマシンは、これだ!しかも最後のキャブレター車!」

乗り換え候補のTC88ヘリテイジ ソフティルクラシック同型車種。候補のマシンは黒で、マフラーにKERKERのフィッシュテールが入っています

このまま20万キロを目指すか、それとも…

価格は破格です。付き合いの長さから。しかもFXRも大層な値段で下取りすると…。買い替えに必要なお金で、FXRの各種OHはできません。エンジンから車体まで、一通り行えば新車価格を超えるでしょう。しかも時間がかかる…。

賢さならば、買い替えです。けれど想いがそれを受け入れません。果たしてどうするべきか…。未だ答えは見つからず、なのです。

追伸

バイク屋の親父と協議の上、散々熟考した上で、買い替えを決意。情では無く、合理で決断。10年後にも笑って普通に2000kmの旅に出られる選択は?決断しました!取り敢えずリアキャリアを付け、点火モジュールを変更します。後はおいおい。

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  • バイクに乗って36年。愛車は90年式のHarley Davidson 。齢29歳10万キロを超えました。なので、とうとうマシンを買い換え・・・。キャブモデルのTC88、FLSTCが新たな相棒です!youtubeにツーリングやキャンプ動画をあげています。宜しければご覧下さい。

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