今やキャンプでは欠かせないポータブル電源、すっかりキャンプギアの仲間入りをしました。そんなポータブル電源の中で、容量が大きくどんな電化製品でも使える「ジャクリ1000」のキャンプでの活用シーンをご紹介します。これがあれば冬は人気で予約が取れない電源サイトともおさらば出来ますよ!
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目次
ポータブル電源『Jackery』とは
Jackery(ジャクリ)とは
Jackeryブランドは、創立メンバーにAppleの元バッテリーエンジニアが加わり、2012年米国シリコンバレーにてJackery Incとして設立され、最先端の技術を研究して高品質な製品をつくっています。2019年にJackery Japanとして、日本法人も設立されました。
「Jackery」の語源は「Jacket」と「Battery」を組み合わせたもので「まるで身に着けるように、バッテリーを簡単に使えるようにしたい」という思いが由来となって名付けられたそうです。バッテリー一筋のブランドとしての思い入れが感じられますね。
ジャクリのポータブル電源ラインナップ
ジャクリのポータブル電源は、電源の容量に応じて4つのモデル(240,400,700,1000)がラインナップされています。利用シーンに合わせて選べますが、キャンプでの利用では出来るだけ容量と出力が大きいモデルを選択することで活躍する場も広がります。
モデル | Jackery 240 | Jackery 400 | Jackery 700 | Jackery 1000 |
---|---|---|---|---|
容量 | 240Wh | 400Wh | 700Wh | 1002Wh |
定格出力 | 200W | 200W | 500W | 1000W |
最大出力 | 瞬間最大出力 400W |
瞬間最大出力 400W |
瞬間最大出力 1000W |
瞬間最大出力 2000W |
重量 | 3.2 kg | 4.1 kg | 6.3 kg | 10.6 kg |
サイズ | 230 x 133 x 167mm | 230 x 153 x 167mm | 299 x 192 x 191mm | 332 x 233 x 243mm |
出力口 | シガーソケット x 1、USB x 2 、AC x 1 | シガーソケット x 1、USB x 2 、AC x 1 | シガーソケット x 1、USB x 3 、AC x 2 | シガーソケット x 1、USB x 4 、AC x 3 |
最上位モデルのジャクリ1000の実力
そんなラインナップの中で今回紹介するのは、容量も大きく余裕を持って利用することが出来るモデルのジャクリ1000。キャンプで使うにあたって、その実力を確認しておきます。
高出力
どのような家電製品を使用できるのかを判断するには定格出力の値を参考にします。ジャクリ1000の定格出力は1000Wです。また、一時的に大きな電力を使うものに対応するため最大出力が設定されていますが、ジャクリ1000の最大出力は2000Wです。つまり利用する家電製品で消費電力が1000Wのものは、ほぼ確実に使えることになります。
チェック
電化製品の平均的な消費電力(W)
- ドライヤー:600〜1200W
- 冷蔵庫:150〜500W
- 電気毛布:50〜90W
- 炊飯器:350〜1200W
- 電子ケトル:700〜1000W
- 電子レンジ:1300W
1000Wを超える電子レンジでも使えたという情報がネット上でたくさん掲載されていました。1000Wを超える家電製品はもともとそんなに多くないですが、さらに最大出力2000Wを超えなければ使える可能性は高いので、ほとんどの家電製品は使えるということになります。
大容量
ジャクリ1000は1002Whと大容量。使える電源の容量が大きいと、長期滞在の数日間のキャンプでも途中で残容量が無くなってしまう心配もなく安心して使えることになります。
チェック
1000Whの容量で電化製品を使い続けられる時間(参考値)
- 電気ストーブ、ホットカーペット(700W):1時間20分
- ドライヤー、電子レンジ(1000W):51分
- 液晶テレビ(200W):4時間15分
- 電気毛布(60W):14時間
- ノートパソコン、扇風機(20W):42時間
使用中の電化製品の消費する電力量は、ジャクリ本体の液晶パネルから確認することが出来ます。
試しに電力量を計測するワットチェッカーの表示と比較してみましたが、ほぼ同じ値を示していたので、ジャクリ1000の液晶パネルに表示される電力量は正確な数値になっています。使う前に液晶パネルの電力量を確認して、何時間使えるかを確認しておきましょう。
十分な出力ポート数
利用頻度が一番高い家庭用のコンセントが3つ。アウトドアの利用では十分な数です。またシガーソケットも付いているので、車載の電化製品が使えるのも便利ですね。
そしてUSBポートが二つ、USB-Cポートが二つ付属しています。
USBポートは、今やスマフォやゲーム、LEDランタンなど、たくさんの機器の充電で利用するので、二つだとちょっと物足りないですよね。たくさん使いたい場合はAC電源が3つあるので、家庭で使っているUSBアダプタを持ち出せば増やせるので大丈夫です。
USB-CポートはPD規格にも対応しているので、ノートパソコンをACアダプタ無しでケーブルだけで使えるのも有難いです。また、PD出力は通常のUSBよりも高出力。スマフォやタブレットなど短時間で充電出来るので便利です。
付属品
本体の他にケースが付属しています。
家庭用コンセントから充電するアダプタと、車載用の充電シガーソケットが付属しています。
家庭用コンセントからの充電では、150Wの入力で充電することができます。すべて使い切った状態から満充電までにかかる充電時間は7.5時間。これはかなり早い方だと思います。キャンプ前日の夜に充電しておけば、間に合うのは嬉しいですよね。
車載シガーソケットからの充電は満充電まで14時間かかるので、移動中の充電は難しそうです。キャンプの前日にしっかりと充電しておきたいですね。
我が家で所有していたsuaokiのポータブル電源PS5B。suaokiのポータブル電源からジャクリ1000への充電を試してみました。
ジャクリ1000は電源を使い切った状態、suaokiは満充電の状態。容量が400Wのsuaokiの電力を使い切って、ジャクリ1000に充電完了した時、ジャクリの容量が0%から32%になりました。今まで使っていたsuaokiの3つ分の容量ということになります。ジャクリ1000の大容量を実感しました。
冬の電源無しサイトでも暖かく過ごせる
冬のキャンプは暖かい幕内でのんびり過ごす方が多いと思います。ただ、昨今のキャンプブームで冬でも電源サイトは大人気。なかなか予約も取れません。電源サイトでなくても幕内で暖かく過ごすために、ポータブル電源に活躍してもらいましょう。
セカンドストーブとして石油ファンヒーターを活用
冬の幕内を温めるにはストーブが一番。ただ寒くて冷える日はストーブ1台では物足りないと感じることも多いですよね。
メインストーブとして利用しているのは、灯油が燃料のレインボーストーブ(写真左)。
レインボーストーブは暖気が上に行ってしまうので寒い日はこれだけでは足りません。カセットガスのストーブや、電源で稼働するファンヒーターを追加して補っていました。
但し、家庭で普段使っている電気ストーブやファンヒーターは電源サイトでは重宝しますが、ポータブル電源で利用する場合は消費電力が大きくてとても利用出来ません。(ジャクリ1000の大容量電源でも、1~2時間しか持ちません)
そこで考えたのが石油ファンヒーターの活用。石油ファンヒーターは熱源として灯油を利用するため消費電力が小さいのです。
石油ファンヒーターをポータブル電源で使う一番のハードルは、点火時の電力に耐えられること。点火する時だけ大きな電力を利用するため、今まで所有していたポータブル電源では最大電力に耐えられずに点火出来ませんでした。
ジャクリ1000は、定格電力1000W、最大電力2000W。数値上は十分耐えられる性能です。
点火してみると、最初の1~2分の消費電力は650~670W。以前のポータブル電源ではここでパワーが足りず切れてしまったのですが、ジャクリ1000では切れることなく無事ファンヒーターが点火しました。
点火後しばらく見守っていると、1分程度で消費電力が31Wまで低下していきました。
さらに5分程経過すると、消費電力が16Wまで落ちました。その後は16~20W程度で稼働し続けました。
このように石油ファンヒーターは一度点火してしまえば、かなりの省電力。20Wで稼働した場合、ジャクリ1000なら40時間も稼働し続けられる計算になります。
これならキャンプでの利用としてはセカンドストーブどころかメインストーブとしても活躍出来そうです。
キャンプ防寒対策の定番は電気毛布
冬のキャンプや車中泊での防寒対策に、ポータブル電源で利用する電化製品として一番使われているのが電気毛布です。ポータブル電源に向いている理由は、消費電力が少ないため長時間使えることです。
そして灯油ストーブなどを幕内で利用する冬キャンプでは、一酸化中毒などの危険性から安全の為に寝る時はストーブを消すことになるので、幕内気温が最も下がる睡眠時の防寒対策になります。
我が家で使っているのは、アイリスオーヤマのダブルサイズの電気毛布。日本製で品質面でも安心で、値段もお手頃。キャンプで利用している方も多いですよね。
サイズは190cm×130cmと、スノーピークのインフレーターマット2枚を繋げると、ちょうどピッタリです。
この電気毛布は出力の強弱が調整できます。今回は強と弱の真ん中に設定。どのくらい電力を使ってるかモニターを見てみると、78wの表示。
その後、液晶画面で使用電力を眺めてたら、低くなったり高くなったり、電気毛布は毛布の表面の温度を検知して使用電力を増減させて温度調節する仕組みなんですね。
電気毛布を一晩使った時の消費電力を実測してみます。ジャクリ満充電の100%の状態から夜21:30から利用を開始。
9時間後の翌朝6:30にジャクリの残容量を確認したら残容量が47%。実際に利用した実測値より、電気毛布は17〜18時間は持つことが解りました。これなら2泊でも大丈夫。そしてファミキャンで二つ一緒に利用しても一泊は持つので、十分に実用に耐える容量です。
この日の夜の気温は3〜5度、インフレーターマットの上に電気毛布を敷いてナンガの寝袋で寝ましたが、ちょっと暑いくらいで寝袋はファスナーをオープンして丁度いい感じでした。
これなら真冬のキャンプでも、ストーブとの組み合わせで電源サイトは不要ですね。
冬キャンプ以外でのポータブル電源活用シーン
夏は扇風機で幕内空気循環
夏の電源利用といえば、暑さを凌ぐ扇風機。最近は充電式の扇風機もたくさん出ているので、それで十分かもしれませんが、我が家での扇風機の利用用途は風力パワーのあるサーキュレーターでの幕内空気循環。
夏の虫が多いキャンプ場ではフルスクリーンにして幕内にいることも多くなりますが、幕内には熱がこもってしまいます。少しパワーのあるサーキュレーターを幕の入り口に置いて、外の空気を幕内に循環させるように配置します。
このアイリスオーヤマのサーキュレーターアイ(PCF-SC15W)。
特殊な構造で直進性の高い風を生み出すので、なんと25m先まで風を届けることが出来ます。それでいて消費電力は35Wと省電力。ジャクリ1000での利用なら、24時間の連続稼働が可能です。
長期滞在には冷蔵庫も活用
長期滞在する時はクーラーボックスの氷がもたないので、冷蔵庫を活用するのもいいですよね。ベンツ、VOLVOなどの欧州の高級車に搭載されてきたQreyのポータブル冷蔵庫。NASAも認める世界有数の工場で作られています。
この冷蔵庫は車載用なので、シガーソケットでも稼働します。ジャクリ1000のシガーソケットに接続して電源を取ることが出来ます。そして最大の特徴は何といっても省電力。カタログ値では消費電力35Wとかなり優秀です。
車から移動して冷えている状態でジャクリ1000に繋いでモニタの消費電力量を見てみたら、えっ1Wしか使ってない?ということで、常にカタログ値の35Wを使っている訳では無いようです。
ジャクリ1000で35W利用なら24時間使える計算になりますが、保冷能力も考えるとそれ以上の長い時間で使えそうですね。
その他の電源活用シーン
アウトドアで映画鑑賞
今まで電源サイトでしか楽しめなかったプロジェクターでの映画鑑賞も、気軽に楽しめるようになりました。
キャンプ場でテレワーク
もう一年にもなるテレワークの生活。たまには気分を変えて、アウトドアのフィールドでの仕事もいいかもしれません。
LEDランタンも長時間利用可能
充電して利用するLEDランタンも増えてきましたが、利用出来る時間が短いものも多いですよね。そんなLEDランタンの中で、レトロな雰囲気が人気のベアボーンズのレイルロードランタン。
HIGHモードで利用すると付属の充電池では3.5時間しか持ちません。今まで電池の持ちを気にして使ってましたが、ジャクリ1000に繋いで利用すればずっと使い続けることが可能です。
ジャクリ1000のサイトレイアウト
ポータブル電源も今やキャンプギアの一つ。キャンプギアは、機能性だけでなくサイトにレイアウトして魅せる楽しみもあります。サイトレイアウトに馴染むジャクリ1000の配置を考えてみました。
見た目が唯一の弱点
ジャクリのカラーといえばブラックとオレンジ。我が家のキャンプサイトはナチュラルカラーで統一しているので、そんなサイト配色との相性では色が唯一の弱点でした。
ジャクリのライバル、PowerARQのSmartTap。
ウッドやナチュラルカラーのギアとの相性は、やっぱりこちらの方が上ですね。
ジャクリ1000のベストポジション
そんなジャクリの居場所を見つけました。コーナンラックの高さにピッタリ。隙間がほとんど無い程ピッタリなんです。
そしてジャクリのブラックに映えるオレンジの組み合わせがウッド色のサイトに馴染むので、この配色がかなり好きになりました。
一色に絞っていることは、ジャクリのブランドイメージが定着している理由になっているのかもしれません。
ひよしゅんしゅん
色が気になるなら隠しちゃおう
どうしても色や見た目が気になるなら、隠しちゃうのも一つの考え方ですね。そんな用途にピッタリなのがワットノットの収納コンテナ。
ジャクリ1000のサイズにピッタリで、すっぽりと収まります。電源として利用する場合は平らで折れ曲がる電源タップを付けることで、コンセントが干渉せずに利用できます。
サイトに配置すると、ジャクリ1000がどこに隠れているかわかりません(笑)
我が家のベージュ配色サイトでは、ジャクリ1000は隠れた縁の下の力持ちの存在です。一方で、今後のジャクリのカラーバリエーション展開を期待しています。
家でも大活躍、キャンプだけの利用ではもったいない
今や、ほとんどの方がキャンプギアを家でも活用されていると思います。ジャクリ1000も同様で、もちろん家でも大活躍です。
DIYに活用
キャンプに行けない週末の楽しみ方の一つ、キャンプギアのDIY。そんなDIYで重宝する電動工具ですが、今までは家の中から延長コードを伸ばして電源を取って使っていました。
ジャクリ1000があればどこでも電動工具が利用出来るので、かなり便利になりました。
ブラック&デッカーの電動工具。こうやって見るとジャクリの純正品のようなカラーですね。
テレワークに活用
昨年からコロナ感染症の影響により、多くの方が経験するテレワーク。自宅でテレワークスペースが確保できず、部屋の片隅の限られたスペースを見つけて作業されてる方も多いと思います。
テレワークスペースとして一時的な作業場所を作った時に、コンセントが近くに無いこともありますよね。そんな時はこのジャクリ1000が活躍します。パソコンやタブレットなどの電子機器は省電力なので、たくさんの機器で利用してもかなり長い時間利用出来ます。
テレワーク期間が長く続くと、家から一歩も外に出ない日が続くこともありました。そんな時は気分手転換も兼ねて、庭でテレワークスペースを作って新しい気分で仕事に臨むのもいいと思います。
そんな時もジャクリ1000があれば安心。テレワークに必要な電源はこれ一つでバッチリ確保できます。
災害への備え
日常の生活の中で、いつ起こるともわからない自然の災害。電気やガスなどが急に使えなくなってしまった、そんな時に役立つのがキャンプギア、そしてそれを扱う日頃の経験です。
キャンプギアは何かあった時の備えとして利用できる心強さ、安心感がありました。そんな中で最も心強い存在なのが、このジャクリ1000です。
被災した時は、その状況を把握して様々な判断をしていかなければなりません。それにはどうしても電気が必要になります。スマフォやネットの利用が当たり前となった今、電気が無くては周りとのコミュニケーションが全く取れず、外からのメディアの情報も入手出来ません。
キャンパーにとってはキャンプで利用するのが主目的の電源ですが、そんな災害への備えとして常に満充電にしておくように心掛けたいですよね。
ひよしゅんしゅん
ギア
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