少し前からキャンパーさんの間で流行っている「炎音en-on」は、Bluetoothスピーカーでありながら、炎の揺らめきを楽しめるLEDランタンです。
しかしこの炎音は、スピーカーとしては音質が悪いんじゃないかと言われています。「炎の揺らめく灯りがあるだけで良い」という意見もありますが、どうせならBluetoothスピーカーとしてちゃんと使いたいですよね。
そこで今回は、炎音が他のBluetoothスピーカーと比べてどのくらいの音質なのか徹底比較してみたいと思います。
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目次
ゆらめく炎で人気のスピーカー炎音の音質を比較してみた
炎音en-on
少し前からキャンパーさんの間で流行っている「炎音en-on」と名付けられたBluetoothスピーカー。
ホノベ電気が販売する炎音は、炎のように揺らめくLEDライトが特徴で、燃料系のランタンを使わなくてもそれっぽい雰囲気を楽しめるんです。その上、本体はBluetoothスピーカーとして音楽を鳴らせるというから、人気が出ないはずがありません。
しかも炎音を2台接続することで、ステレオスピーカーとして使えて、音質にこだわりたい方のニーズにも応えているんです。
そんな炎音はインスタやブログ、YouTubeなどで見かけることも多々ありますが、Bluetoothスピーカーとして使った時にどんな音質なのか気になったことはありませんか?
レビューを見ると、これが賛否両論。
期待以上に良かったという人もいるし、スピーカーとしてはまったく使えないから炎の雰囲気だけを楽しむものだという人もいます。
たしかに人それぞれで求める音質に対するハードルの高さは違うと思います。普段の生活でも音楽をよく聴く人、テレビの音質にこだわる人、100均で売っているようなイヤホンやスピーカーで満足できる人など様々です。
炎音はスピーカーユニットのサイズなどの詳細な情報は記載されていませんが、出力が6Wのモノラルで、防水性能がIPX5に対応しています。バッテリーはライトのみで約20時間、スピーカーのみ(音量60%)で約7時間、ライトとスピーカーを同時に使って(音量60%)約5時間とされています。
しかしこれだけ見てもどんな音質かは分かりませんよね。やっぱり気になるのは、炎音の本当の音質。そこで炎音を、今売れている他社の人気Bluetoothスピーカーと比較したらどうなのか検証してみたいと思います。
SONY SRS-XB12
SONYのSRS-XB12は、コンパクトサイズのポータブルスピーカーです。円柱型のデザインで上部にスピーカーの開口部、下部にパッシブラジエーターを配置しています。
スピーカーユニットは、φ約46mm口径のフルレンジスピーカーを搭載し、小さいサイズながらクリアな中高音域と存在感のある重低音を楽しめるようになっています。防水性能はIPX7相当のIP67(防塵IP6X相当)に対応しているので、SRS-XB12は炎音よりも防水性能が高いようです。
バッテリー持続時間は最長16時間再生できるので、これも炎音の約7時間に勝っています。
先日、新型のSRS-XB13が発売されたばかりですが、まだまだ現役のSRS XB-12を使っている人もいるはず。それと比べたら炎音の音質はどんな感じに聴こえるか、聴き比べてみました。
はじめに感じたのは、炎音の重低音が予想外に鳴ることでした。あまり期待はしていませんでしたが、ボンボンとしっかりと響くので、安っぽいスピーカーとはちょっと違う感じです。
SONYのSRS-XB12と比較すると、なかなか良い勝負で甲乙付け難い感じでした。しかし炎音の中高音域が少しこもりがちに聴こえるため、全体的にはモッサリとした感じになってしまっています。
逆にSRS-XB12は中高音域がクリアに聴こえる分、全体的に炎音よりもメリハリがあるように感じます。
炎音en-onの総合評価
あくまでも個人的な見解で、高中音域、重低音、明瞭さ、携帯性、コスパのそれぞれを5段階評価してみます。
- 高中音域:★★
- 重低音 :★★
- 明瞭さ :★
- 携帯性 :★★
- コスパ :★★★
SONY SRS-XB12の総合評価
- 高中音域:★★★
- 重低音 :★★
- 明瞭さ :★★★
- 携帯性 :★★★★
- コスパ :★★
JBL GO3
JBLのGO3は、手軽に屋外に持ち出すことを想定し、コンパクトサイズの本体ながら、豊かなパワフルサウンドを楽しめるようになっています。
スピーカーユニットはJBL独自の43×47mm径フルレンジスピーカー1基とパッシブラジエーターを搭載。防水性能はIPX7に相当するIP67となっているので、炎音よりも優れています。バッテリー持続時間は最大5時間となっているので、これは炎音の方が長く使えるようです。
音質を比較してみると、JBL GO3はSONYのSRS-XB12以上に中高音域がクリアなため、こもりがちな炎音との差がハッキリと分かります。
好みもあるかも知れませんが、音が綺麗に聴こえるのはJBL GO3だと思います。低音域は輪郭がはっきりとした音でシャープな感じがしました。
JBL GO3の低音域が点で迫ってくるのに対し、炎音は面で迫ってくるように感じるので、キレの良さはGO3の方が良かったです。全体的にもJBL GO3の音質の方が、僕的には好みでした。
JBL GO3の総合評価
- 高中音域:★★★
- 重低音 :★★★
- 明瞭さ :★★★
- 携帯性 :★★★★★
- コスパ :★★★★
JBL CLIP4
JBL CLIP4もGO3と同じコンパクトサイズのBluetoothスピーカーです。
楕円形のボディに大きなカラビナが付いた特徴的なデザインをしているので、キャンプでも使いやすいと思います。ベルトループや、ランタンハンガーなどに簡単に掛けて使えるというのが良いですよね。
搭載しているスピーカーユニットは、40mm径のフルレンジスピーカー1基とパッシブラジエーター。最大出力は5W RMSとなっているので、炎音の6Wよりわずかに低くなっています。
バッテリーの持続時間は最大約10時間なので、炎音の7時間よりも長く使えるようになっています。防水性能は、SONYのSRS-XB12やJBLのGO3と同じIP67(防水IPX7、防塵IP6X)に対応しているので、炎音よりもアウトドアに向いているようです。
音質でいうと、僕的にはJBL GO3よりもCLIP4の方が中高音域のクリアさや重低音の迫力もわずかに勝っているように感じるので、炎音と比較するとGO3と比較した時以上に差がハッキリとしてしまいました。
炎音の中高音域のこもりがちな音質は改善できないので、どうしてもそこのところがデメリットになってしまうと思います。
JBL CLIP4の総合評価
- 高中音域:★★★
- 重低音 :★★★
- 明瞭さ :★★★
- 携帯性 :★★★★★
- コスパ :★★★★
Anker Soundcore2
アンカーのSoundcoreと言えば、低価格のBluetoothスピーカー人気に火を付けたと言って良いほど人気が高いスピーカーです。
現在では3世代目が少し前に販売されていますが、まだまだ現役である2世代目のSoundcore2を比較してみたいと思います。
Soundcore2も、炎音と同じくスピーカーユニットのサイズについて記載されていませんが、6Wのドライバーを2つ搭載しているステレオスピーカーだというのは明記されていました。出力が合わせて12W、上記で比較してきたBluetoothスピーカーの中では最大で、迫力のあるサウンドが期待できます。
長時間のバッテリー持続時間はアンカーのセールスポイントの1つでもあり、Soundcore2では約24時間と圧倒的です。炎音をはじめ上記の機種の中で、太刀打ちできるスピーカーはありません。防水性能はIPX67で、炎音よりも勝っています。
気になる音質は、AnkerのSoundcore2は中高音域がクリアで前に出ている感じがしました。JBLの上記2機種よりも高音よりになっているように聴こえます。しかし音の厚みや濃さという面では劣っていて、少し軽い感じがします。
低音域は炎音の方が重厚に聴こえて、特に重低音は炎音の方が迫力あるように感じました。
Anker Soundcore2と炎音は、好みの違いはありますが個人的には良い勝負ではないかなと思います。
Anker Soundcore2の総合評価
- 高中音域:★★★★
- 重低音 :★
- 明瞭さ :★★
- 携帯性 :★★★
- コスパ :★★★
SONY SRS-XB23
ここからは少し値段が高くなり、1万円前後で販売されているBluetoothスピーカーと比較します。
SONYのSRS-XB23は、この価格帯ではトップクラスの人気があるスピーカーだと思います。
搭載しているスピーカーユニットは、新開発の約42×51mm口径の非対称形フルレンジスピーカーユニット「X-Balanced Speaker Unit」。これにより広がるような高音質と迫力がある重低音を楽しめるようになっている上、「EXTRA BASS」モードでさらに重低音を強調したり、「S-Master」というアンプ技術で高音質にしたりと、ソニーの技術を駆使してより高音質な音楽を再生できるようになっています。
さらに、モノラルスピーカーもアプリによりステレオモードに切り替えられるようになっています。今回の比較ではステレオモードで聴き比べてみました。
バッテリーの持続時間は最長12時間。しかしこれはバッテリーの消費を抑えたSTAMINAモードの時間で、音質が少し落ちてしまいます。EXTRA BASSを使った状態では約10時間と少し短くなってしまいますが、これでも炎音の7時間よりも長く使える様になっています。
防水性能はIP67に対応しているので、これも炎音よりも優れています。
音質は、やはり価格差が出てしまうのかキレの良さ、音の輪郭、音の厚みに違いを感じました。
炎音のこもりがちな中高音域は、より鮮明に違いが分かりました。重低音はなんとか太刀打ちできる感じですが、キレの良さはやはりSRS-XB23に軍配が上がると思います。
SONY SRS-XB23の総合評価
- 高中音域:★★★★
- 重低音 :★★★★
- 明瞭さ :★★★★
- 携帯性 :★★★★
- コスパ :★★★
JBL FlIP5
1万円前後の価格帯でSONYのSRS-XB23と人気を分けるのがJBLのFlIP5だと思います。
FlIP5は、44×80mmの楕円形ドライバー1基とパッシブラジエーター2基を搭載し、出力20W RMSでJBLらしい元気でパワフルなサウンドを鳴らしてくれます。
バッテリー持続時間は、最大約12時間。このサイズだとバッテリー容量も大きくなるので、炎音よりも長く使える機種が増えてきます。
防水性能はIPX7なので、炎音とは違いキャンプに持っていっても安心して使えそうです。
FlIP5の音質は元気なパワフルサウンドで、特に中高音域のクリアさと、迫力のある重低音が魅力です。突出した中高音域は、ボーカルの声がクリアで輪郭がはっきりとしているため、聴いていてストレスを感じることがなく楽しくなっちゃいます。炎音のこもりがちな中高音域と比較すると、だいぶ差があるように感じます。
またFlIP5の重低音も重みのある音がズンズンと身体に響き、なかなか良いと思っていた炎音の重低音よりも一段上にいるように感じました。
クリアでキレがあるサウンドと、こもりがちなサウンドを比較したら、どちらの音質が良いかという問いに対する結果は明白かも知れません。
JBL FlIP5の総合評価
- 高中音域:★★★★★
- 重低音 :★★★★
- 明瞭さ :★★★★
- 携帯性 :★★★★
- コスパ :★★★★
JBL CHARGE5
つい最近発売されたばかりのCHARGE5は、もう1つ上の価格帯のBluetoothスピーカーです。
前モデルとは違いCHARGE5では、2ウェイ・スピーカー構成を採用しています。20mmのツイーターと50×70mm径のウーファー、そしてデュアルパッシブラジエーターを搭載。出力は30Wで、パワフルで迫力がありつつ、厚みと広がりがあるサウンドになっています。
バッテリーは最大限約20時間のワイヤレス再生が出来るほど大容量で、音楽再生だけではなくモバイルバッテリーとしても使えるようになっています。
防水性能はIP67なので、少し大きめの機体ながら、キャンプなどのアウトドアに持ち出しても雨や粉塵を気にしないで使えるのが良いです。炎音のIPX5だと、キャンプなどのアウトドアではちょっと心配になっちゃいますよね。
JBLのCHARGE5の音質は、JBLのFlIP5よりもさらに重低音が強調されていて、迫力があり過ぎるんじゃないかと思うくらい圧倒的です。
中高音域は、FlIP5の楽しくなる感じよりも少し抑えられていますが、音の密度は濃くなっているように聴こえます。中高音域のクリアさで言えばFlIP5ですが、炎音と比較するとCHARGE5の方が明瞭です。
しかしJBLCHARGE5は重低音がかなり響くので、中高音域を邪魔している感もあります。
音質的にはCHARGE5の方が良いと感じますが、このウリでもある重低音が好きではないという方は、CHARGE5よりも控えめな重低音の炎音の方が良く感じるかもしれません。
JBL CHARGE5の総合評価
- 高中音域:★★★★
- 重低音 :★★★★★
- 明瞭さ :★★★★
- 携帯性 :★
- コスパ :★★★
Bose SoundLink Mini Ⅱ
価格帯をさらに上げると、スピーカーで圧倒的支持を得ている有名なBoseがあります。
Bose SoundLink MiniⅡは、SONY SRS-XB23やJBL FlIP5、CHARGE5と比較すると本体のサイズが小さくコンパクトです。
そんなコンパクトサイズのスピーカーの中で、SoundLink Mini Ⅱのスピーカーユニットは標準的なものより約2倍空気を動かすようです。それに加えデュアルパッシブラジエーターを搭載し、想像以上に深みのある低音域と豊かでナチュラルなサウンドを再生。
しかしスピーカーユニットのサイズは不明になっています。バッテリー持続時間は約12時間となっているのは、サイズを考えると凄いですね。SoundLink Mini Ⅱは防水には対応していないので、この点では炎音が勝っています。
音質は圧倒的にBose SoundLink Mini Ⅱが勝っていると思います。これは他のBluetoothスピーカーと比べても、Bose SoundLink Mini Ⅱの中高音域のクリアさや厚みのある低音域、キレの良い重低音は際立っているので炎音との音質の差は顕著に出てしまっています。
ただキャンプやアウトドアで使うとしたら防水性がないBose SoundLink Mini Ⅱを使うのはちょっと気が引けますよね。
この2機種で比較すると、音質は落ちますが炎音をキャンプで使いたいと思います。
Bose SoundLink Mini Ⅱの総合評価
- 高中音域:★★★★★
- 重低音 :★★★★
- 明瞭さ :★★★★★
- 携帯性 :★★★
- コスパ :★★
比較動画も公開しています
人気のブルートゥース対応ポータブルスピーカー音質比較まとめ
少し前からキャンパーさんの間で流行っている炎音は、炎が揺らめくようなLEDライトの灯りがかなり良い雰囲気を作ってくれます。しかし雰囲気作りだけのために炎音を使うのはもったいないですよね。
今回はそんな理由で他のBluetooth対応スピーカー8種と音質を比較検証してみましたが、僕的には最下位か下から2番目ぐらいの音質に感じました。
少しこもりがちな中高音域は、聴いている曲全体がモヤっとしてしまい、あまり好印象ではありませんでした。しかし重低音はなかなかの物で、比較的迫力も感じられました。音質には違いがありますが、AnkerのSoundcore2と良い勝負ではないかと思えます。
今回検証したBluetoothスピーカーの中ではあまり良い結果ではなかったのですが、それでもスピーカーとしては決して悪すぎるという訳ではありません。
十分我慢できる範囲だと思うし、中高音域のこもる感じも、単体で聴けば気にならないかもしれません。
炎の揺めきのような雰囲気と、そこそこ聞けるBluetoothスピーカーとして、炎音はキャンプギアとして良いとおすすめです。
ギア
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