SOTOのスライドガストーチやマイクロトーチは小型なのに丈夫で使いやすく、キャンプやアウトドアだけでなく普段使いしている方も多い、定番のガスライターです。
こうした充填式のターボライターは着火スイッチに不具合が起きやすいイメージがあり、半年~1年ぐらい使い続けていると徐々に火が付きづらくなり買い替えるということを経験してきましたが、SOTOのターボライターは1年近く使用しても壊れるそぶりもなく現役で活躍してくれています。
そんなSOTOのガストーチ、実はレギュラーガス(カセットボンベ)からもガスの充填が出来ると知って試してみたのですが、何度やっても1mmもガスが入りませんでした。今回はレギュラーガスが入らなかった理由と、その問題の解決法をご紹介します。
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目次
SOTOのマイクロトーチにレギュラーガスが充填できない?
ニッチすぎる話題で申し訳ないですが、SOTOのガストーチだけでなく、カセットガスから充填可能なライターを使用されている方の中には「同じ症状で困っている」という人もいると思うので、なぜガスが入らなかったのか、原因の調査と解決までの顛末をまとめました。
説明書の通りにレギュラーガスを充填しようとしても入らない
こちらのSOTOマイクロトーチ、手のひらサイズで持ち運びやすく、形や使い勝手も良いので長らく愛用しているのですが、これまでは他のガスライターと同じようにライター専用の共通ガスを入れていました。
このライター用ガスが残り少なくなってきたので、新しく購入しようとamazonで安いショップを探していたところ、「そういえばSOTOのレギュラーガスも使えるって書いてあったな」と思い出したので実際に試してみることにしたのです。
しかし何度試してみてもまったく充填されません。なんで?説明書に書いてある通り、ガス缶を下に向けて液ガスが出るようにしてるのに、接続部からブシューと溢れるばかりでライター内部に入っていきません。なぜ?
マイクロトーチではなくスライドガストーチで試してみたら充填できた
レギュラーガスが充填できない原因が思い当たらなかったので、キャンプクエスト編集部内のSOTOスライドガストーチを持ってる人の道具箱からこっそり拝借して、そっちに充填できるのか勝手に試してみることにしました。
こっちは普通に充填できる!なんで!?ホワイ!?俺のマイクロトーチ壊れてる!?ということで、SOTOのサポート窓口に問い合わせてみることにしました。
SOTOのサポート窓口に問い合わせをしてみた
SOTO公式サイトのユーザー窓口から、マイクロトーチを購入した日や販売店、そしてどのような症状が出ているのかを記載して「壊れてるやろコレ!保証せんかい!」と柔らかい言葉で丁重に問い合わせてみると、当日中に返信が来ました。早い!すごい!
ライター用のガスが入ってる状態だと蒸気圧の低いレギュラーガスは入らないよ。入れる方法もあるけど、無理に入れると危険だよ。壊れてないよ(意訳)
とのこと。な、なんだってー!!
レギュラーガスが充填できない原因はライター内部に残ってるガスの問題だった
これまでマイクロトーチのガス窓から残量を見て、半分ぐらいまで減ってたらライター専用ガスを追加充填していたのですが、レギュラーガスの場合はライター専用ガスの蒸気圧に負けてしまい充填が出来ないとのことでした。
ちなみに、一般的なカセットボンベの成分は、ブタン、イソブタン、プロパンの3種類が使われています。SOTOのレギュラーガスの主成分はブタンが100%を占めており、ライター専用ガスはものにもよりますが、ブタンガスとプロパンガスの混合となります。
ブタンガス、イソブタンガス、プロパンガスの蒸気圧の差と、液化ガスが気化する温度(沸点)は、以下の通り。
ガスの種類 | 蒸気圧(25℃) | 沸点 |
---|---|---|
ブタンガス | 1.8kg / cm2 | -0.5℃ |
イソブタンガス | 2.6kg / cm2 | -11.7℃ |
プロパンガス | 8.5kg / cm2 | -42.1℃ |
ブタンガスとプロパンガスでは、単純計算でおよそ4~5倍も蒸気圧の差があるので、これではレギュラーガスが入らないのも納得ですね。
ガストーチ内に残っているガスをすべて使い切ったら充填できた
愛用しているマイクロトーチは壊れてないとのことなので、安心して中身を全て使い切ってからレギュラーガスの充填を試してみることに。すると…
入ったー!無事にレギュラーガスを充填することが出来ました。いやはや、お騒がせしてすみませんでした。
製造時に充填されているガスはRZ-550に近い成分組成
SOTOブランドを展開している新富士バーナー株式会社から、ライター充填用ガス「RZ-550」という製品が発売されているのをご存知でしょうか。
ガス容量は130g、Amazonだと400円ほどで購入できるので、市販のライター専用ガスと比べても安くて量もたっぷりのお得なガス缶です。
SOTOのスライドガストーチやマイクロトーチの製造時に充填されているガスは、RZ-550の成分に近いものが入っているということですので、ライターとしての能力を存分に発揮したいならこちらのガスを使用するのが良いでしょう。
実はマイクロトーチにレギュラーガスを充填してから寒い日に屋外で使おうとすると、出力MAXにしても火が付かなかったり、トロ火のように不安定だったりした(手のひらで温めて何度か振ったりしたら付く)ので、気温の低い冬にも炎の安定性を求めるならパワーガスか専用ガスを充填することを強くおすすめします。
レギュラーガス、パワーガス、RZ-550の成分の違い
新富士バーナーとSOTOから発売されているガスの成分の違いについて、レギュラーガスはブタン、パワーガスはプロパンとブタン、RZ-550はLPG(液化石油ガス)が使われているのが分かります。
LPG(液化石油ガス)とはいわゆるプロパンガスのことで、プロパンガスの主成分はプロパンとブタンの混合とされています。それだけ見るとSOTOのパワーガスと同じように感じてしまいますが、厳密にはプロパンとブタンの含有量が異なっています。
公式サイトを確認すると、SOTOパワーガスの成分情報はブタンが88~92%、プロパンが8~12%となっており、新富士バーナーRZ-550のブタン含有量は80~85%、プロパンが15~20%。RZ-550の方がプロパンガスの含有量が多く、よりハイパワーであることが分かりますね。
コスパ重視ならレギュラーガス、安定性重視ならRZ-550がおすすめ
以上、SOTOのレギュラーガスが充填できない問題とその解決法、そしてガスの成分についても少しだけ突っ込んでご紹介しました。マイクロトーチやスライドガストーチを使用している中で、同じような症状に悩まされている方の参考となれば幸いです。
ギア
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