ザックひとつで行くバックパックキャンプに憧れるけど、なかなか踏み出せない…そんなキャンパーさんにお勧めしたいキャンプ場が日本屈指のリゾート地である上高地にあります。
そのキャンプ場は最寄りのバス停から徒歩10分程度とアクセス良好で、売店やレストラン、お風呂も完備なので、バックパックキャンプでの懸念点が解消された理想的なキャンプ場の1つだと思います。
今日は上高地バスターミナルから徒歩10分の場所にある絶景のキャンプ場「小梨平キャンプ場」をご紹介します。
「小梨平キャンプ場」の魅力
小梨平キャンプ場は日本屈指の山岳景勝地として有名な上高地にある「森のリゾート小梨」が運営するキャンプ場です。標高約1500mの立地にあります。
上高地は通年マイカー規制なので最寄りの駐車場からはバスかタクシーを利用します。長野県からのアクセスは沢渡(さわんど)駐車場からバスで30分程度。岐阜県からのアクセスは市営あかんだな駐車場からバスで30分程です。
車で行くことが出来ないのでキャンプ道具はザックに収まるようにする必要がありますが、小梨平キャンプ場は上高地バスターミナルから徒歩10分程度と距離も短く、初めてのバックパックキャンプでもハードルは高くないと思います。
ありのままの自然に囲まれた絶景が広がる小梨平キャンプ場の魅力をまとめてみました。
バス停から徒歩10分程度とアクセス良好
上高地バスターミナルから徒歩10分、上高地の観光スポット「河童橋」から徒歩5分と、アクセスがしやすいキャンプ場なので、多少荷物がいっぱいでも、頑張ればキャンプ場に行くことが出来ます。キャンプ場ではリアカーのレンタルもできるので、荷物が多い方にとっては心強いですよね。
売店・レストラン・お風呂が完備
小梨平キャンプ場では売店やレストラン、お風呂がしっかりと用意されています。最低限のテントと寝具さえあれば、いつでもキャンプが出来るので、初めてのバックパックキャンプでも心強いですよ。
上高地の観光をばっちり楽しめる
小梨平キャンプ場は上高地の中心地にあるキャンプ場で、非常に観光しやすい場所にあります。河童橋へは片道5分、大正池へは片道2時間、明神池は徒歩1時間で行くことが出来る好立地なので、思う存分上高地の観光を楽しむことが出来ます。
あの有名な絶景をキャンプ場から独り占めできる
上高地のシンボルともいえる「河童橋」から望む穂高連峰の壮大な風景は、上高地を代表する絶景スポットです。小梨平キャンプ場では、同じ絶景をそのままキャンプ場から一望できます。
通常のキャンプ場では拝むことが出来ない贅沢なロケーションがこのキャンプ場最大の魅力です。
基本予約不要
小梨平キャンプ場は「基本」予約不要のキャンプ場で、受付時間は朝6時~18時までです。「基本」と書いた理由は繁忙期は予約制になることがあるからです。また、状況によってはキャンプ場が閉鎖になることもあります。
キャンプ場に行く際には、事前に最新情報を確認しましょう。公式サイトの「お知らせ」から確認できます。
レンタル品が充実
マイカー規制で車が使えない場所ということもあり、レンタル品は充実しています。バックパックキャンプが出来ない環境でもテントや寝袋といった、キャンプに必要な道具一式をレンタルすることが出来ますよ。
但しレンタル品の事前予約は出来ないので、運が悪いと借りることが出来ないというリスクがあります。詳しくは公式ページでご確認頂けます。
テント泊が不安の方はケビンがオススメ
初めてのバックパックキャンプは不安だけど、キャンプ気分を上高地で味わいたい!という方はケビンがオススメです。
4種類のケビンがあり、B型ケビン以外は水洗トイレがあります。キッチン完備で石油ファンヒーターも有料で使えるので快適ですよ。ケビンは完全予約制です。
小梨平キャンプ場の施設案内
小梨平キャンプ場の各施設を写真付きでご紹介いたします。
管理棟(上高地キャンプセンター)
キャンプ場の一番奥にある建物です。キャンプ場の受付やレンタルの受付に加え、お風呂の予約もこちらで行います。朝6時から18時まで受け付けをしていますよ。管理棟には無料のWifiがあり、管理棟周辺に限りですが接続できます。
売店(おみやげ処ピッケル)
管理棟対面にある建物です。食堂と併設しています。車の乗り入れができないキャンプ場ということもあり、コンビニ並みに商品が充実しています。はじめてのバックパックキャンプでも心強いですよね。
ソフトドリンク、アルコール類、カップラーメン、スナック菓子、カセットボンベ等、これでもかという位充実していました。
お酒についてはビールやチューハイは勿論のことワインや日本酒の品ぞろいも豊富です。ちょっとした酒屋さんですね。
もちろん有名な観光地だけあってお土産も充実しています。初めてのバックパックキャンプでも荷物のお悩み不要なくらい、なんでも揃うところが魅力です。
食堂(小梨平食堂)
管理棟対面にある建物で、おみやげ処ピッケルと併設しているので入口は一緒です。食材や調理器具を持って行かなくても、食堂でご飯を食べることが出来るので心強いですよね。
営業時間は朝7時から18時までで、14時から16時は休憩時間です。昼食は13:40、夕食は17:20がラストオーダーです。
メニューは充実していますよ。テイクアウトも可能なのでテントサイトやケビンで食べるのもありだとおもいます。メニューはこちらからご確認頂けます。
お風呂(小梨の湯)
管理棟のある建物にあります。パックパックキャンプで一番の心配事はお風呂かもしれませんが、小梨平キャンプ場ではばっちりとお風呂があります。
湯舟は勿論のこと、脱衣所やロッカー、ドライヤー、シャンプー、リンス、ボディソープ完備で、銭湯となんら変わりません。バスタオルは売店で購入できます。
お風呂は予約制で、キャンプ受付時にお風呂の申込みをします。テント泊とケビン泊で時間が分かれていて、テント泊の方は14:30~16:00の間。ケビン泊の方は16:30~18:00の間で予約が出来ます。
入浴時間は20分程度と決まっていますが、大人600円、小学生は500円、幼児は100円と、良心的な価格です。
トイレ
トイレは4か所ありますが、時期によっては使用できるトイレが限られるようで、この日は2か所が閉鎖になっていました。キャンプ場の中心にあるHサイト傍のトイレと管理棟にあるトイレは常時使えるようです。
キャンプ場内にあるトイレはトイレットペーパーがトイレ内に常設されていません。トイレの入口で必要な枚数を持って行くシステムで、和式便座です。管理棟傍にあるトイレは便座が様式で温水便座が付いています。トイレを使うのであれば管理棟にあるトイレがオススメです。
炊事場
炊事場は全部で3か所あります。こちらも時期によって使えない炊事場があります。キャンプ場の中心にあるJサイト傍の炊事場は常時使えるようです。
立派な屋根付きではありますが、最低限の設備でお湯はでません。炊事場内にはバーベキュー用のかまどがありますが2021年現在、キャンプ場内BBQは全面禁止となっているので使用できません。
ケビン
キャンプ場から離れた管理棟奥にあります。平屋建てで2~5人で利用できるA型ケビンが6棟。二階建てで4~8人で利用できるA型ケビン2階建てが6棟。トイレが無い1~4人で利用できるB型ケビンが15棟。ロッジ付きで2~4人で利用できるD型ケビンが5棟あります。完全予約制です。
食品コンテナ
HサイトとBサイトのトイレ近くにあります。左に見切れている茶色のコンテナがそれです。
小梨平キャンプ場では過去にキャンパーが熊に襲われた事件があり、テント内にゴミや食料を置いておくことが禁止になっています。食料は必ず食品コンテナに入れましょう。
乾燥室
小梨平食堂の脇にある乾燥室は7時から18時まで利用できます。雨の日にはありがたい施設ですよね。
喫煙所
倉庫の脇にあります。小梨平キャンプ場では全面禁煙なので喫煙者は指定の場所で喫煙をしましょう。
自動販売機
管理棟内にあります。お酒以外の飲み物が一通り揃っています。ちょっとした時にドリンクを買うことができるのは便利ですよね。但し飲み終わった瓶や缶をすてるゴミ箱は受付終了の18時くらいに撤収されるので注意が必要です。
ゴミ捨て場
Jサイト傍と管理棟2か所にあります。ペットボトル・プラゴミ・燃えるゴミの3種類に分かれています。尚、瓶と缶のゴミ箱は管理棟にしかありませんのでご注意ください。
缶はスチールとアルミで分別されています。缶と瓶のゴミ箱だけ籠になっているので夜になると撤収されてしまい、捨てることが出来なくなります。缶と瓶だけは夕方までに捨てておきましょう。
小梨平キャンプ場のサイトレビュー
小梨平キャンプ場のテントサイトを写真付きでご紹介いたします。テントサイトは全面フリーサイトで、A~Lと12カ所に分かれています。設営場所は早い者勝ちですよ。夏季限定で一部常設テントが設営されます。
Aサイト
テントサイトの端にあるプライベート感が強い場所です。比較的広く、管理棟や喫煙所が近いので便利です。木々に囲まれているので絶景は望めませんが、静かにキャンプをしたい方にはオススメだと思います。
Bサイト
地面もある程度平らで比較的広く、プライベート感も確保できそうなサイトです。トイレや炊事場、管理棟が比較的近いので便利です。こちらも絶景は望めませんが、バランスよく便利なのでバックパックキャンプデビューにはお勧めなサイトだと思います。
Cサイト
トイレや炊事場、管理棟が比較的近いので便利ですが、サイト内に立木が多く、設営のハードルが高い印象です。景観は微かに穂高連峰の先っぽが見える程度です。ソロでひっそり楽しみたい方向きではないでしょうか。
Dサイト
トイレや炊事場は比較的近いですが、管理棟から少し離れます。比較的広いので設営のハードルが低い印象です。景観は公園感が満載です。初めてのバックパックキャンプや、グループ向けな印象です。
Eサイト
Dサイトの並びにあるので、全体的な雰囲気や特徴はDサイトと変わりません。違いは若干狭いことと、トイレや炊事場、管理棟から少し離れるくらいでしょうか。立木も少なく、設営のハードルが低い印象です。
Fサイト・Gサイト
キャンプ場の入り口にあるので人通りが多く、トイレや炊事場、管理棟から最も遠い場所です。景観も良くなく、地面の起伏が激しい上に広くはありません。
しいて利点を上げるとすれば、バス停から一番近い場所なので荷物の多いかたがちょっとだけ楽になるというところでしょうか。どのサイトもいっぱいだった場合、最後に空いているサイトがこの2つなんだと思います。
Hサイト
地面がある程度平らで比較的広く、邪魔になる立木が無いのでテントの設営のハードルは低いです。但し人通りが多く、プライベート感は望めなそうです。
トイレや炊事場は近いので便利ですが、管理棟は遠くなります。景観は公園感が満載です。設営で一番頭をつかわないのはこのサイトだと思うので、バックパックキャンプデビューにはお勧めなサイトだと思います。
Iサイト
比較的広く、川沿いでもあるので人気です。人気のKサイト、Lサイトを取れなかった方が次点で選ぶサイトという印象でした。
景観はK・Lサイトには敵いませんが、木々の隙間越しに穂高連峰の絶景を楽しむことが出来ます。林間サイトでプライベート感が強く、グループキャンプに向いてそうな印象です。
Jサイト
K・Lサイトには敵いませんが、同様のレベルで絶景で、トイレ、炊事場、管理棟も比較的近い穴場的サイトです。
しかし残念ながらJサイトは常設テント利用者のバーべキュー専用サイトになっているので、利用禁止です。但し、場合によっては利用できることがあるようなので、Jサイトについては最新のおしらせを確認することをお勧めします。
Kサイト
小梨平キャンプ場といえばこのサイトではないでしょうか。なんといっても梓川越しに穂高連峰が広がる上高地屈指の絶景ポイントで、この景色をテントサイトから独り占めできるところが最大の魅力です。
トイレや炊事場、管理棟も近く、まさに一等地です。その代わり競争率が最も激しく、場所取りは困難を極めます。このサイトが空いていることはほぼ無いと思って間違いないでしょう。
小梨平キャンプ場で最も密になるサイトなのでプライベート感は確実にゼロになります。タープや大型テントの設営は無理だと思ってください。このサイトを押さえたいのであれば運と小型テントがマストになります。
Lサイト
Kサイト同様の絶景で、こちらも競争率が激しい超人気サイトです。トイレや炊事場、管理棟が遠い点がネックですが、景観は折り紙付きです。
目の前の砂利道をはじめ、至る所が設営禁止エリアなので、プライベート感が必然的に強くなります。
マップ上ではそこそこ広い敷地に見えますが、設営禁止場所が多く、実際は設営場所が限られます。間違っても設営禁止場所に設営はしないようにしましょう。
常設テント
出典:小梨平キャンプ場5月下旬~9月中旬限定で常設テントサイトが開設されます。手ぶらでキャンプが可能なので、キャンプ未経験者でも上高地でキャンプを楽しむことが出来ますよ。
A・Bサイト脇の川沿いに8~10張用意されます。こちらのテントはケビン同様、完全予約制です。
サイトの広さ
テントサイトはA~Lと12サイトに分かれていて、それぞれのテントサイト単位で見ると広くはありません。テントサイトにより広さはバラバラです。
プライベート感
キャンプ場自体は大自然に囲まれたプライベート感満載の空間ですが、景観の素晴らしいテントサイトはテントが密集するのでプライベート感はゼロです。逆に人気のないテントサイトであれば、貸し切り状態になります。
絶景を取るか静けさを取るかによって全くプライベート感が異なってくるキャンプ場です。
サイトの地面の特徴
地面は草や石交じりの土です。場所によってはゴツゴツとしているでキャンプマットなどのクッションは必須です。
傾斜はあるの?
全体的に傾斜がありますが、それ以上に起伏が結構あり、そちらのほうが気になります。
ペグの刺さり具合は?
地面に石が埋まっていることもあり、ペグは刺さり辛いです。鍛造製ペグと専用ハンマーの組み合わせが理想ですが、積載の関係でそうもいかないところがあります。ペグは軽量で金属製の登山用途のペグを用意するなり、対策が必要になります。
水はけのよさは?
この日の夜は雨でしたが、翌日には比較的早く水がはけたので、水はけは良好だと思います。とはいえ起伏の激しいサイトなので、場所によっては水たまりができたり水がはけにくかったりします。
小梨平キャンプ場の注意事項
小梨平キャンプ場は、交通安全と自然環境保全の為に通年マイカー規制を実施中の地域ということもあるので、車を横付けできるいつものキャンプとは随分と勝手が異なってきます。
小梨平キャンプ場で事前に知っておきたい情報をまとめました。
焚き火や炭の使用は一切禁止
「え?キャンプで焚き火が出来ないなんてありえない!」という、焚き火ありきのキャンパーさんにはオススメできないキャンプ場です。
小梨平キャンプ場では焚き火は勿論のこと、炭の使用も禁止です。以前は指定の場所であればバーベキューが可能だったのですが、2021年9月より野生動物対策としてバーベキューも禁止になりました。
オートキャンプが出来ない
上高地は車で行くことが出来ないのでオートキャンプは出来ません。バスや徒歩での移動となるのでキャンプ道具をはじめ、食料や衣類は、手運び出来る範囲で纏める必要があります。
その代わり信じられない位空気が綺麗で、いつものキャンプ場では決して拝むことが出来ない絶景が待っています。
大型テントやタープの利用は控えたほうが良い
「小梨平キャンプ場」は、テントを約250張程度設営可能ですが、あくまで小型テントの使用を前提とした幕営数です。そこまで広くはないキャンプ場なので、繁忙期や混み具合によってはタープの使用はお断りされることがあります。
大型テントやシェルターの使用についてはグレーゾーンで、状況次第ではお断りされることもあるようです。また、周りから白い目で見られてしまうこともあるようなので、避けたほうが良いと思います。
絶景エリアは限られる上に激込み
穂高連峰の壮大な絶景を拝むことが出来るテントサイトは、KサイトとLサイトに限られます。その為、絶えず満サイトである確率が高いです。
現にこの日はオフシーズンの平日であるにも関わらず既に満サイトで、場所の確保が出来ませんでした。小梨平でのキャンプの目的が絶景を独り占めすることだったので、キャンプは取りやめ、運良く空きが出たケビン宿泊に切り替えました。
こんなことを書くと怒られそうですが、KサイトとLサイト以外の場所は公園のような雰囲気で、絶景は望めません。
翌日の土曜は壮絶な場所取り合戦が朝6時から展開されていましたよ。一等地の場所取りは運次第だと思います。
営業シーズンが限られる
標高の高い立地にあるので営業期間は4月下旬から11月上旬あたりと短めです。営業シーズンは毎年微妙に異なるので最新の情報を確認しましょう。
チェックイン時間やチェックアウト時間が明記されていない
夏季限定の常設テントやケビンについてはチェックインが14時、チェックアウトが10時と明記されているのですが、キャンプについては明記されていません。
チェックインについては、受付時間の朝6時から可能です。チェックアウト時間については基本、午後6時までの受付時間終了まで居ることが出来るようですが、バスの時間のこともあるので殆どの方が朝のうちにチェックアウトします。
何時まで居ることが出来るかは受付時に確認をとるのが一番確実です。
食べ物やゴミをテント内に置いてはいけない
小梨平キャンプ場では「必要のない飲食料はテントの中に置かないで食料庫に置く」「ゴミは午後9時までにゴミ捨てを完了してテント内に置かない」といったルールがあります。これは野生動物対策の為です。
2020年にはキャンプ場に熊が出没し、熊がテント内の食料を漁ろうとした際にキャンパーが怪我をする事故が発生しているので、身の安全の為にもルールはしっかりと守りましょう。
バックパックキャンプデビューにお勧めの絶景なキャンプ場
上高地でキャンプと聞くと、登山やハイキングをする方が拠点にしているガチな場所というイメージがあるかもしれません。しかし、小梨平キャンプ場は観光スポットの河童橋から徒歩5分程度と好立地で、売店やお風呂といった設備が充実した快適なキャンプ場です。
それでいて信じられない絶景を楽しめるなんて最高過ぎます。小梨平キャンプ場は初めてのバックパックキャンプにお勧めしたいキャンプ場です。
ギア
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