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知られざる絶景の山「高烏谷山」中央アルプス全体を一望できるサクッと登れて超絶景の山

知られざる絶景の山「高烏谷山」中央アルプス全体を一望できるサクッと登れて超絶景の山

高烏谷山は、伊那谷随一の展望がある「陣馬形山」と並んで中央アルプスを間近で一望できる山なのですが、陣馬形山の知名度が高いこともあり、そちらの人気に埋もれてしまったマイナーな山という位置付けです。

しかしながら、山頂まで僅か90分で登頂可能で、中央アルプスの山容全体を一望できるところは「陣馬形山」に勝ります。今日は地元の方に愛される絶景の山「高烏谷山」のご紹介です。

中央アルプスの山容を一望できる「高烏谷山」

長野県伊那市・駒ヶ根市の境にある「高烏谷山(たかずやさん)」は、中央アルプスと南アルプスに挟まれた南北に延びる山域「伊那山地」に属する標高1,331メートルの山です。

山頂からは東に南アルプス

山頂からは東に南アルプス。西に中央アルプスを一望できる絶景の山です。「陣馬形山」からの眺望と似ていますが、中央アルプスの眺望でみれば、山容全体を一望できる高烏谷山に軍配があがります。

信仰対象の山で

信仰対象の山で、登山口には高烏谷神社の本宮があり、山頂には奥宮が置かれています。本宮は駒ヶ根市の有形文化財に、本宮に続く参道の両脇に並ぶアカマツの木は長野県の天然記念物に指定されています。

地元の方に愛される絶景の山

地元の方に愛される絶景の山で登山でも人気ですが、実は山頂付近までは「高烏谷スカイライン」という林道が走っていて車で登ることが出来ます。地元の方のドライブコースとしても人気なんだそうですよ。

「高烏谷山」登山コース

高烏谷山の登山ルート

出典:高烏谷鉱泉ホームページ

車を使わないで麓から高烏谷山を登る場合、2つのルートがあります

高烏谷神社コース

  • 標高差約440m/片道約1.4km/徒歩80~90分程度
  • 最寄りの駐車場は「高烏谷神社駐車場」(駐車可能台数約10台/無料・トイレ無)

高烏谷鉱泉コース

  • 標高差約520m/片道約3km/徒歩100~120分程度
  • 最寄りの駐車場は「たかずや運動公園駐車場」(駐車可能台数約20~30台/無料・トイレ有※冬季閉鎖)

地元の方は駐車場が広い

地元の方は駐車場が広い「高烏谷鉱泉コース」を利用することが多いんだそうですが、今日ご紹介するのは、寺院巡りも満喫できる最短コース「高烏谷神社コース」です。コースは以下のような流れになります。

モデルコース 標高差約440m/総距離約2.8km/コースタイム約120~150分程度

高烏谷神社駐車場→高鳥谷神社本殿→林道出合→分岐→高烏谷山山頂→高烏谷山三角点→東屋→高烏谷神社駐車場

順を追って説明しますね。

最寄りの駐車場・公共交通機関

登山道の最寄りの駐車場は、中央自動車道駒ヶ根インターから車で20分の場所にある「高烏谷神社駐車場」です。駐車料金は無料。駐車可能台数は約10台と少ないのがネックです。

しかも、駐車場までの道が大変狭いうえにわかり辛く

しかも、駐車場までの道が大変狭いうえにわかり辛く、冬季は積雪や凍結で通行が困難です。車の運転に自信のない方は「高烏谷鉱泉コース」を利用しましょう。

駐車場にトイレはありませんが

駐車場にトイレはありませんが、高鳥谷神社本殿を右手に降りた広場にトイレがあるので安心です。冬季で利用可能なのは嬉しいポイントです。

高烏谷神社駐車場→高鳥谷神社本殿

高烏谷神社駐車場→高鳥谷神社本殿

第一のチェックポイントとなる高鳥谷神社本殿までは距離にして約0.2km、標高差約50メートル程度を約10分かけて登ります。鳥居のくぐった先の参道は緩やかな階段です。

参道の両脇に並ぶ社叢

参道の両脇に並ぶ社叢(社殿や神社境内を囲うように密生してる林)は、樹齢300年を超えるアカマツの木で、長野県の天然記念物に指定されています。観光スポットとしても人気なんだそうですよ。

参道を抜けると高鳥谷神社本殿

参道を抜けると高鳥谷神社本殿に続く階段が待ち受けています。因みにトイレは右手の広場にあります。

高鳥谷神社本殿に到着です

高鳥谷神社本殿に到着です。文永12年(1829年)に造営された神社で、駒ヶ根市の有形文化財に指定されています。

高鳥谷神社本殿→林道出合

高鳥谷神社本殿→林道出合

林道出合までは距離にして約0.2km、標高差100メートル程度を約20分かけて登ります。登山道は高鳥谷神社本殿の右脇にある蔵の間にあります。

出だしは比較的緩やかな道のりなのですが

出だしは比較的緩やかな道のりなのですが、高鳥谷山頂の標識より先は、段々と急こう配になっていきます。

林道出合に到着です

林道出合に到着です。林道との合流地点で、「茸止山 入山禁止」の標識が目印です。松茸の入札が行われているようで、登山道の両脇にはロープが張られています。登山道以外は立ち入り禁止なのでご注意ください。

林道出合→分岐

林道出合→分岐-(2)

分岐までは距離にして約0.7km、標高差260メートル程度を約40~50分かけて登ります。因みに、ここから高烏谷山山頂まではひたすら急登が続きます。

途中にチェックポイント代わりになる目印は

途中にチェックポイント代わりになる目印は、300メートル程登ったところにある「覚順霊の碑」くらいしかありません。山頂まで樹林帯に覆われて景観も無く、修行の道のりです。

山頂手前で分岐に到着します

山頂手前で分岐に到着します。「注意」の看板が目印です。どちらに進んでも山頂に到着します。因みに、右手を進むと少しだけ緩やかな道で、東屋を経由して山頂に到着します。筆者は下山で利用しました。

左手に進むと直接山頂へ行くことが出来ます

左手に進むと直接山頂へ行くことが出来ます。距離が短い代わりに、かなりの急こう配です。筆者は左に進みました。

分岐→高烏谷山山頂

分岐→高烏谷山山頂

高烏谷山登山口までは距離にして約0.1km、標高差30メートル程度を約5分かけて登ります。距離が短い代わりに、かなりの急坂です。

とはいえ、距離にして

とはいえ、距離にして100メートル足らずなので、あっという間に山頂に到着します。空が開けてきました。どうやら山頂のようです。

高烏谷山頂に到着です

高烏谷山頂に到着です。標高は1,331m。距離が短い代わりにひたすら急登の登山道で、思っていた以上に登りごたえがありました。

高烏谷山山頂からの景色

高烏谷山山頂からの景色

高烏谷山頂は360度パノラマビューではありませんが、西側は開けていて、中央アルプスの山容全体を一望できる絶景ポイントです。中央アルプスの眺めだけでいえば「陣馬形山」以上の絶景でした。

東側に目を向けると、山頂は広場の様

東側に目を向けると、山頂は広場の様になっていることがわかります。本当であれば南アルプスを一望できるのですが、この日は雲に覆われていて絶景はお預けになりました。

山頂には方位盤があり

山頂には方位盤があり、どの方向にどんな山があるかが一目でわかるので便利です。中央アルプスだけが載っているので、1方向から中央アルプスの絶景を拝む山といった印象でしょうか。

山頂は大変広く

山頂は大変広く、避難小屋やトイレまであるので便利です。ベンチも沢山あるのでアルプスの山々をゆっくりと眺めながら昼食を楽しむことが出来ます。

見晴らしの良いこの場所は

見晴らしの良いこの場所は、実は本当の山頂ではありません。三角点のある正式な山頂は5分程歩いた場所にあります。早速向かってみましょう。

高烏谷山山頂→高烏谷山三角点

高烏谷山山頂→高烏谷山三角点

本当の山頂がある高烏谷山三角点までは距離にして約0.2km程度を約5程度の道のりです。中央アルプスの絶景を背に、東側の広場を進みます。

すると目の前に祠のような建造物が飛び込んできます

すると目の前に祠のような建造物が飛び込んできます。高烏谷神社の奥宮です。参拝をして、奥宮の先へ進みましょう。

トイレは奥宮の先を進んだところにあります

トイレは奥宮の先を進んだところにあります。積雪でわかり辛いのですが、トイレのある小屋までは林道が通っているのでシーズン中は車でここまで来ることが出来ます

高烏谷山三角点までは平坦な道のりで

高烏谷山三角点までは平坦な道のりで、林道の脇の小高い登山道を歩きます。木々に囲まれていて、山頂は展望が期待できない予感がします。

高烏谷山三角点に到着

高烏谷山三角点に到着。本当の高烏谷山山頂はこちらです。思っていた通り山頂の周りは木々で囲まれていて展望はゼロでした。展望の良いスポットまで戻りましょう。

高烏谷山三角点→東屋

高烏谷山三角点→東屋-(2)

下山では東屋を経由した緩やかなコースを利用します。というのが、東屋からの景色も絶景なんだそうです。登ってきた場所の反対方向を見ると避難小屋がみえるのでそちらへ進みましょう。

避難小屋は開放されていて

避難小屋は開放されていて、悪天候の時には勿論のこと、ゆっくりと昼食を摂るには最適です。昭和を思わせるポスターは避難小屋のちょっとした名物なんだそうですよ。是非立ち寄ってみてください。

避難小屋を下ると、すぐに東屋に到着です

避難小屋を下ると、すぐに東屋に到着です。展望の良い山頂から少し離れた場所にあり、屋根付きなのでゆっくりと休憩したい方にはお勧めです。

東屋の先は絶景スポットになっていて

東屋の先は絶景スポットになっていて、中央アルプスと南アルプスを一望できます。人も少ないので絶景を独り占めできますよ。下山の際、是非とも立ち寄って頂きたいスポットです。

東屋→高烏谷神社駐車場

東屋→高烏谷神社駐車場

下山は同じコースを往復するピストンルートです。分岐に合流した後は同じ道を下ります。登り返しが無いので、登山口まではコースタイムで約40~60分程度です。

登り返しが無いとはいえ

登り返しが無いとはいえ、急こう配の道のりなので爆速とはいきません。一番ケガをしやすいのが下山の時なので慎重に下りましょう。

駐車場がある高烏谷山神社の鳥居が見えてきました

駐車場がある高烏谷山神社の鳥居が見えてきました。参道の両脇に並ぶ社叢が幻想的です。高烏谷山神社までは登山装備が不要なので、観光で立ち寄るにはお勧めスポットだと思いました。

高烏谷山に登ってみてわかったこと

高烏谷山に登ってみてわかったこと

高烏谷山は、高烏谷神社の幻想的な風景と山頂のご褒美感が物凄く、コースタイムも短いので、登山初心者にお勧めしたい隠れた名山だと思います。高烏谷山に登ってみてわかったことをまとめました。

まとめ

  1. 僅か90分で中央アルプスの大パノラマを拝める
  2. 実は山頂付近まで車で行くことが出来る
  3. 高烏谷神社駐車場までは大変狭いうえにわかり辛い
  4. 登山口にある高烏谷神社本宮と社叢は幻想的な風景
  5. 距離は短いが山頂までは樹林帯に覆われた急登続き
  6. 高烏谷山頂から望む中央アルプスの山容は絶景の極み
  7. 山頂は広場のようでトイレや避難小屋、ベンチもある
  8. 本当の山頂は展望スポットから5分歩いた場所にある
  9. 三角点のある本当の山頂は木々に覆われて展望ゼロ
  10. 東屋も展望が良く人が少ないので絶景を独り占めできる
  11. 陣馬形山がメジャーすぎて埋もれてしまった隠れた名山

中央アルプスの山容全体をお手軽に一望できる素敵な山です

中央アルプスの山容全体をお手軽に一望できる素敵な山です

高烏谷山に登る少し前に陣馬形山に登っていたので、そこまでの感動は無いかと思っていましたが大間違いでした。同じような場所にある山なのに、ここまで中央アルプスの見え方が違うとは思ってもいませんでした。

なんといっても山頂まで僅か90分とお手軽なところが魅力です。中央アルプスの大パノラマをお手軽に楽しむのであれば高烏谷山はお勧めです。

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ギア
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