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冬限定の絶景「氷瀑」を求めて奥日光の秘境「庵滝」をスノートレッキング

冬限定の絶景「氷瀑」を求めて奥日光の秘境「庵滝」をスノートレッキング

氷結した滝「氷瀑(ひょうばく)」は、厳冬期の決まった場所でしか拝むことが出来ない冬限定の絶景です。そんな貴重な氷瀑スポットが、ある程度の冬装備があれば初心者でも行くことが出来る、栃木県日光市の高層湿原「戦場ヶ原」の奥地にあります。

アイスブルーの氷柱が幻想的な奥日光の秘境「庵滝(いおりたき)」を目指してスノートレッキングしてきましたよ。

幻想的な氷瀑を拝める冬季限定の人気スポット「庵滝」

栃木県日光市にある「庵滝」は、日光宇都宮道路清滝インターから車で約40分。戦場ヶ原をさらに奥に進んだ前白根山の麓、標高1650m地点にある落差20mほどの滝です。

庵滝にはハイキングルートが無いので、バリエーションルートと呼ばれる整備されていない荒地を進むことになります。そのため夏季は訪れる方も少ないマイナーなスポットという印象です。

しかし冬季ともなると超人気スポットに生まれ変わります

しかし、冬季ともなると超人気スポットに生まれ変わります。一面銀世界の雪原が続くので、スノーシューやクロカンスキーで人気のスポットであることと、氷瀑を見るために多くのハイカーが訪れるからです。

氷瀑を見るために多くの登山者が訪れるのでトレース

氷瀑を見るために多くの登山者が訪れるのでトレース(踏み跡)が出来て、自然の登山道が生み出されます。このことにより道迷いの心配も軽減されるので、最低限の冬山装備さえあれば比較的手軽にトレッキングできるようになります。正に冬季限定の人気スポットですよね。

「庵滝」ハイキングコース

「庵滝」ハイキングコース

庵滝を目指すルートは1つです。赤沼から戦場ヶ原~小田代原を経由し、弓張(ゆみはり)峠から先はハイキングコースが存在しないバリエーションルートを進む、標高差約300m/片道約6km/徒歩約120分程度の山行です。

*冬場の、昼食を含む装備、スノーシューなどを背負って川の上流への登る往復12kmの行程は決して初心者のみで安易に行けるコースではありません。所要時間も休憩を含めると6時間はかかるため、遅くとも9時台に出発、4時台に帰着が必要です。

案内板を見ても庵滝へ続くハイキングコースが

案内板を見ても庵滝へ続くハイキングコースが載っていません。正に秘境ですよね。YAMAPやヤマレコといったGPSアプリでも地図が存在しないので、他の登山者の活動データを参照するのが一番確実です。

*正規ルートが無いコース=初心者向きではありません。大雪や吹雪でトレースが消えていることもあり、また間違ったトレースがついていることもあります。事前のルート確認や山アプリ、GPS利用など自力でのハイキングと帰着ができる装備・スキルが不可欠です。

最寄りの駐車場は「赤沼駐車場」

最寄りの駐車場は「赤沼駐車場」(駐車可能台数約160台/無料・トイレ有り)ですが、冬季シーズンは閉鎖します。

その為、赤沼駐車場傍にある赤沼茶屋の駐車場

そのため、赤沼駐車場傍にある赤沼茶屋の駐車場が最寄りの駐車場となります。赤沼茶屋は冬季休業中の為、ご厚意で駐車場を無料開放してくださっているんだそうです。これは大変ありがたいですよね。

赤沼茶屋駐車場は無料で利用できますが

赤沼茶屋駐車場は無料で利用できますが、10台程度しか車を停めることが出来ません。冬は大人気の庵滝とあって、すぐに満車になります。

満車時は赤沼駐車場沿いの側道が路上駐車の列になります

満車時は赤沼駐車場沿いの側道が路上駐車の列になります。如何に人気のスポットか良く判りますよね。路上駐車はちょっとという方は、ハイキングコースから1km程度離れた三本松駐車場に車を停めることが出来ます。

*戦場ヶ原周辺の路上駐車は除雪作業の際などたびたびトラブルとなっており、近年非常に問題となっています。三本松駐車場の他、竜頭の滝上駐車場からも小田代ヶ原へアクセスすることができるので、そちらも検討してください。

赤沼茶屋は冬季閉鎖中ですが

赤沼茶屋は冬季閉鎖中ですが、自動販売機の利用はできます。また、灰皿もあるので喫煙者にはありがたいと思います。

トイレは道を挟んで「赤沼第1公衆トイレ」の利用が可能

トイレは道を挟んで「赤沼第1公衆トイレ」の利用が可能です。無料の上、暖房も効いているので大変ありがたいです。トイレは駐車場より先には無いので先に済ませておきましょう。

赤沼から小田代原を目指す

赤沼から小田代原を目指す

ハイキングコースは駐車場対面の、道路を渡ったところにあります。戦場ヶ原自然研究路の看板が目印です。小田代原までは距離にして約2.3km。40~50分程度の道のりです。

赤沼からのルートは

赤沼からのルートは、しっかりと整備されたハイキングコースで、冬季でもトレース(踏み跡)がしっかりついています。

200メートルほど進むと案内板がみえてくるので

200mほど進むと案内板がみえてくるので「小田代ヶ原」を真っすぐ進みます。

道があっていると、大きな橋が見える筈です

道があっていると、大きな橋が見える筈です。筆者は間違って湯滝方面へ進んでしまい、大変な目に遭いました。冬は一面真っ白で景色に特徴が無くなるので油断すると道を間違えてしまうんだと痛感しました。

湯川赤沼橋は

湯川赤沼橋は、階段もあるので足を滑らせないように慎重に渡りましょう。

橋の上からは戦場ヶ原と湯川を一望できます

橋の上からは戦場ヶ原と湯川を一望できます。ここは有名な絶景ポイントですよ。

1.3キロ地点にも分岐点がありますが

1.3km地点にも分岐点がありますが、真っすぐ進みましょう。「小田代ヶ原」を目指せば、道を間違えることはありません。

小田代ヶ原は緩やかな道のりです

小田代ヶ原までは緩やかな道のりです。標高差も殆ど無いので歩きやすいと思います。

鹿よけのネットが2か所ある

鹿よけのネットが2か所あるので鎖を外して通ります。通過後はネットを元の位置に戻すのを忘れないでくださいね。

「小田代ヶ原」に到着です

「小田代ヶ原」に到着です。戦場ヶ原の西側に広がる周囲2kmの湿原で、戦場ヶ原とともに国際条約のラムサール条約湿地に登録され保護されています。

「小田代ヶ原」から見ることが出来る

「小田代ヶ原」から見ることが出来る、一本だけ佇む美しい白樺の木は「小田代ヶ原の貴婦人」と呼ばれているんだそうです。天気が良かったら男体山も一望できる絶景スポットです。

弓張(ゆみはり)峠を目指す

弓張(ゆみはり)峠を目指す

小田代ヶ原からは林道を進みます。冬季は積雪で真っ白ですがアスファルトで整備された道です。

小田代ヶ原から右手に進み

小田代ヶ原から右手に進み、弓張峠までは距離にして約1km。15~20分程度の道のりです。

500メートル程進むとトイレがあるので

500m程進むとトイレがあるので、良い目印になります。ただし、トイレは冬季は使用できません。

弓張峠には目印となる看板が無いので

弓張峠には目印となる看板が無いので、場所がわかり辛いかもしれません。ヘアピンカーブになっている場所を目指せば、そこが弓張峠です。

庵滝へ

庵滝へ

庵滝までは道なき道を距離にして2km程度、標高差約200mを登ります。時間にして1時間~1時間半程度の道のりです。

庵滝までの正式なハイキングルートは無い

庵滝までは正式なハイキングルートが無いので、入口も案内板も存在しません。とはいえ、冬季は多くのハイカーが訪れるので、自然の雪道が出来ます。ヘアピンカーブの真ん中あたりにそれらしき道を発見することが出来る筈です。

少しだけ進むと

少しだけ進むと、植林した樹木を鹿害から守るための筒状のネット群が見えてきます。この不思議な景色が見えたら、正しいルートを進んでいる証拠です。

鹿よけネットで覆われた柱群を進みます

鹿よけネットで覆われた柱群を進みます。人工物と雪のコントラストが美しく、ある意味絶景ポイントです。

柱群を抜けると登りが続きます

柱群を抜けると登りが続きます。場所によってはそこそこ急登です。チェーンスパイクといった冬山装備は必須になります。

庵滝までの道のりは

庵滝までの道のりは、ハイカーの足跡だけが頼りです。雪は思った以上に深く、フカフカなので、一歩道を外れてしまうと、足元までずっぽりと雪にハマります。

一面銀世界で

一面銀世界で、似たような景色が続くので、迷子になる不安がありますが、ありがたいことにピンクテープが随所に結ばれているので安心感があります。

まんが日本昔ばなしに出てきそうな

まんが日本昔ばなしに出てきそうな、まんまるい山の麓に滝があります。この山が見えてきたら半分近くの距離を進んだことになります。

ハイキングコースの脇には

ハイキングコースの脇には実は川が流れているのですが、積雪と寒さで完全に凍っています。

同じような景色が続くのでゴールまでとても長く感じますが

同じような景色が続くのでゴールまでとても長く感じますが、トレースを信じて進みましょう。奥の方に庵滝が見えてきました。ゴールはすぐそこです。

庵庵に到着です

庵滝に到着です。厳冬期にしか見ることが出来ない、貴重な絶景です。庵滝が視界に入った時の感動は格別ですよ。

庵滝の氷瀑を楽しむ

庵滝の氷瀑を楽しむ

庵滝の氷瀑は、その年の気候次第で出来栄えが変わってくるんだそうです。今年はかなり気温が低かったようで、例年よりも綺麗に凍っているんだそうですよ。

気温が高い年は

気温が高い年は、右側の氷柱が中途半端だったり、溶けてしまっていることもあるそうです。今年はカチカチに凍っていて立派な氷柱になっていました。

滝の内部が空洞になっているため

滝の内部が空洞になっているため、光を受けた氷瀑は青色がかった色合いになり、幻想的なブルーアイスの氷瀑を楽しむことが出来ます。晴れた日であればもっと美しかったんだと思います。

庵滝では他の氷瀑と違った特別な体験が出来ます

庵滝では他の氷瀑と違った特別な体験が出来ます。なんと滝の内部に入ることが出来るんです。その為、時間によっては行列になりますが、時間をずらして到着したので比較的空いていました。

滝つぼは完全に凍っていて足場が出来ていました

滝つぼは完全に凍っていて足場が出来ていました。積雪で隠れた氷柱群が美しいですね。

滝の内側から見る景色は、はっきりいって絶景です

滝の内側から見る景色は、はっきりいって異次元の世界です。氷柱がまるで壁のようになっていて神秘的です。

氷柱越しに見る景色は

氷柱越しに見る景色は、厳冬期の庵滝でしか体験することが出来ない貴重な絶景です。行列してでも中に入る価値がありますよ。

庵滝をスノートレッキングしてみてわかったこと

庵滝をスノートレッキングしてみてわかったこと

庵滝は冬山装備さえあれば初心者でも行くことが出来ます。スノートレッキングデビューにはオススメです。庵滝をスノートレッキングしてみて分かったことをまとめました。

ブルーアイスが美しい庵滝の氷瀑を拝める

ブルーアイスが美しい庵滝の氷瀑を拝める

冬は超人気スポットに生まれ変わる庵滝は、ブルーアイスが美しい氷瀑を拝める季節限定の絶景スポットです。迫力の氷瀑は圧巻であることは勿論のこと、普段は入ることが出来ない滝の内側に入ることが出来るのが最大の魅力ではないでしょうか。

スノートレッキングデビューにお勧め

スノートレッキングデビューにお勧め

庵滝までも道のりは、若干距離はあるものの、標高差が少なく、比較的歩きやすいコースでした。庵滝への正式なルートは存在しませんが、スノーシューやクロカンスキーの人気エリアなので、しっかりとトレース(踏み跡)があります。雪山装備は必須ですが、本格的な雪山デビューにはもってこいです。

トイレが無い

トイレが無い

庵滝までは片道6km程度と距離が長いうえに、厳冬期は体が冷えるのでトイレが近くなります。しかしながら途中に一切のトイレが無いのでご注意ください。筆者はトイレに行きたい一心で、帰りは物凄いペースで駐車場に戻ることが出来ました。

駐車場の確保が困難

駐車場の確保が困難

最寄りの駐車場である赤沼茶屋駐車場は、10台程度しか車を停めることができない上、近辺には駐車場がありません。冬季は大人気のスポットなので駐車場の確保は熾烈を極め、道沿いは路上駐車の列になります。安全策を取るのであれば、ハイキングコースから1km程度離れた三本松駐車場か、竜頭滝上駐車場を利用しましょう。

思った以上に人がいっぱい

思った以上に人がいっぱい

季節限定の絶景を求めて、本当に多くのハイカーが庵滝の氷瀑を訪れます。休日ともなると滝の内側を求めて順番待ちの列が出来る程です。庵滝は、正に季節限定の人気スポットです。

ゆとりがあれば戦場ヶ原トレッキングも

ゆとりがあれば戦場ヶ原トレッキングも

戦場ヶ原は日本の代表的な高層湿原です。紅葉シーズンも大変人気で、ハイキングには最高の観光スポットでもあります。冬の戦場ヶ原はいつもとは違った絶景をみせてくれます。

筆者の場合、出だしから道を間違えてしまったので

筆者の場合、出だしから道を間違えてしまったので、意図せずに戦場ヶ原トレッキングを満喫することになりました。開放的な景色が広がり、大変絶景でしたよ。時間が許すのであれば戦場ヶ原トレッキングもオススメです。

不安な場合は地元ガイドツアーを利用しましょう

トレッキングガイドツアーのイメージ

初心者のみで初めて庵滝に来るグループは危険が伴います。十分な事前準備が必要ですので、不安な場合は現地をよく知るガイドツアーの利用を推奨します。

*近年、外国人を含め、ガイド自身初めて来るというツアーが見られます。ガイドのスキルも含め未知数のため場合によっては凍結エリア未経験のガイドもいるようですので、個人的には地元の状況をよく知るガイドを推奨します。

季節限定の絶景を楽しみたいなら庵滝はオススメです

季節限定の絶景を楽しみたいなら庵滝はオススメです

庵滝はシーズン中であればハードルの高いトレッキングスポットですが、冬季は超人気スポットに生まれ変わります。アイスブルーの氷柱が幻想的で、滝の内部に入ることが出来ることもあって、毎年、庵滝の「氷瀑」を求めて訪れるリピーターが多いんだそうですよ。

比較的難易度が低く、レアな体験ができるところが人気の秘密でしょうか。冬山登山の練習をしたい方には勿論のこと、冬にしか体験できない絶景を楽しみたい方にはオススメのスポットです。

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