北アルプス随一の大展望を誇る「蝶ヶ岳」。蝶ヶ岳そのものには特別特徴があるわけではありませんが、蝶ヶ岳から見る穂高連峰は大迫力です!稜線上にテント場や小屋があるため、開放感を味わいながらくつろげますよ。今回は、風速20m近い強風とあいにくの雨登山となりましたが、魅力とともに登山ルートをご紹介します!
目次
蝶ヶ岳ってこんな山!
蝶ヶ岳は、北アルプスに位置する標高2,677mの山です。春先になると、山肌に残る雪が蝶の形に見えることから蝶ヶ岳と呼ばれるようになったそうです。蝶ヶ岳自体は、特別目を引くような特徴的な姿をしているわけではありません。
しかし、蝶ヶ岳から見る北アルプスの山々は圧巻の美しさで、この景色を目当てに登る多くの登山者で賑わう人気の山です。
蝶ヶ岳の魅力
蝶ヶ岳といえば、なんといっても山頂からの景色が素晴らしい!そんな蝶ヶ岳の溢れる魅力をご紹介します!
大迫力の穂高連峰
ヘトヘトになりながら蝶ヶ岳の稜線に出ると、目の前に広がるのは大迫力の穂高連邦と槍ヶ岳の姿。こんなに近くに見えるのは蝶ヶ岳ならでは。「頑張ってよかった~」と一気に疲れも吹っ飛びます。
雲海の上にそびえる穂高岳や槍ヶ岳、朝日に照らされたモルゲンロートも息を飲む絶景です。登山者の憧れ、穂高や槍を見ながらお酒を飲む時間はまさに至福!
美しい表銀座の稜線
蝶ヶ岳から見える常念岳から大天井岳、槍ヶ岳へと続く表銀座の稜線は美しく、これもまた絶景です。私は5年前に歩いたきりですが、稜線を眺めているとまるで昨日のことのように思い出します。「稜線歩きってやっぱり最高!」と思わせてくれる美しい眺めです。
北アルプスを一望できる「蝶槍」
蝶ヶ岳のテント場から片道1時間ほど稜線を進んだところにある「蝶槍」。ちょこっと尖った形をしています。この蝶槍は、北アルプスを一望できるおすすめスポットです!
以前、常念岳からの鬼のような登り返しで疲労困憊になりながら蝶槍に到着した時、ぱっと振り向くと北アルプスの大展望が広がっていて感涙してしまったのを覚えています。体力に余裕があれば、ぜひ足を延ばして欲しい場所です。
小さく輝く街の夜景
蝶ヶ岳のテント場や山頂の眼下には、安曇野の街が広がっています。私は奥深い山が好みですが、アルプスの山頂から見る街の灯りもいいものだなぁと感じました。日中は、街を眺めながら「下界のみんなは今頃仕事か…」と優越感に浸るのがちょっとした幸せです。
絶景のテント場
山頂直下の稜線上にテント場があるため、眺望が抜群です!頑張って登った後、ゆっくり過ごすテント場からの景色がいいとテンションがあがりませんか?風が強い日はハイマツのそばに設営する必要がありますが、風がない日は思いっきり稜線上に張っちゃいましょう!
整備された登山道
蝶ヶ岳の登山道はとてもきれいに整備されており、特に危険個所もないため初心者でも安心して登れます。北アルプス入門の山としてもおすすめですよ。ただし、体力はそれなりに必要です!
三股登山口からのルート
蝶ヶ岳山頂へのルートはいくつかあり、上高地からのルートもおすすめですが、今回は三股登山口からのルートをご紹介します。
まずは「ゴジラみたいな木」を目指そう
三股登山口にある第1駐車場です。駐車台数は60台ほど。第1駐車場が満車の場合は、ここから600mほど下ったところに臨時駐車場があります。
第1駐車場にはトイレがあるため、車中泊でも安心です。三股登山口は、常念岳への入り口でもあるため、シーズン中の土日は混雑します。
駐車場から登山口入口までは、800mほど沢の横の林道を歩きます。行きはなんとも思いませんが、帰りはこの林道歩きが長く感じるのは疲労のせいでしょうか。熊に遭遇しないように、カーブ手前で笛を吹きながら歩きます。
登山口に到着!登山届を提出してトイレを済ませ、ここからがやっと本番です。ただ、最初の長い林道歩きは、朝一に体を慣らすにはちょうどいいルートです。
登山道から歩いて少しすると、マイナスイオンたっぷりの沢を渡る橋があります。いよいよ本格的な登りが始まる感じがしますね!ただ、私は揺れる橋が苦手です。
ここからは、少しずつ蝶ヶ岳名物の階段上りが始まります。この日は雨だったため、木道も岩もツルツル滑る!慎重に歩きます。
途中にある「力水」。パワーをチャージ!といきたいところですが、私はお腹が弱いためやめておきます。
道はとてもきれいに整備されているのですが、とにかく階段が多過ぎてツライ…。階段を登ってもまた階段、ひたすら続く階段とテント泊の荷物がじわじわと足の筋肉達を追い詰めます。
階段がひとまず落ち着いたと思ったところで、蝶ヶ岳名物「ゴジラみたいな木」に到着です!このゴジラ、登山道が開通した当初からすでにここに居るんだとか。長い間登山者の安全を見守ってくれているんですね。ここには、ベンチもあるため休憩タイム。
まめうち平でひと休み
ゴジラに別れを告げ、ここから次の休憩場所「まめうち平」までひたすら樹林帯の中を登ります。小雨が降ったりやんだりする中、不安を抱きながら黙々と登る私。実は、今回まさかの上のレインウェアを忘れてしまい、かなり焦りました。
ちらっと見える稜線上は、かなりガスガス。今回、予報では風速17mと強風だったため、景色云々というよりも風を心配しながら、とりあえず登り続けます。
ただ、この時期の蝶ヶ岳は高山植物がたくさん咲いており、ツライ雨の中の登山でも目を楽しませてくれました!
雨に濡れて花びらが透けたサンカヨウはとても美しく、これは雨登山ならではのご褒美で大満足!
それにしても階段が多い…。むしろ「まめうち平」からが蝶ヶ岳の登り本番なのですが、すでに足がパンパンで先が思いやられます。
やっとの思いでまめうち平に到着!ここまで意外と距離も長いんですよね…。しかし、ここまでの比較的緩やかな登りとは裏腹に、ここから先は恐ろしい階段地獄の急登が待っています。ベンチがあるため、ここで一度大休憩を入れて精神統一。
階段地獄!ここが正念場
階段地獄直前の束の間の静けさ。平坦な道を嚙み締めるように歩きます。「階段地獄登りたくないよ~」と思いながらも、歩を進めるしか道はありません。
階段地獄の始まりです。ここから稜線に出るまでひたすら階段が続き、一気に標高を上げます。きれいな階段を設置してくれているのは本当にありがたいのですが、何がツライかというと登り切ってもまたすぐ次の階段が見えること!!
どこまで行けば階段上りが終わるのか、終わりが見えぬ階段上りにひたすらメンタルがやられます。同時に、乳酸で足もパンパン。樹林帯で景色が見えないため、余計にツライ!
「誰か私に階段の終わりを教えてください…」そう思って登っていたからでしょうか。あまりに疲れ果てた私の顔を見て、すれ違う人達がたくさん声を掛けてくれました。励まされると元気になります!
「最終ベンチ」の文字を前に座らずにはいられません。一度ザックを置くと、もう背負いたくなくなります。しかし、命より大切なワインや大好物のお肉が入っているので置いていくわけにはいきません。「雪渓が見えたら後ちょっとですよ!」という男性の言葉を励みに、とにかく雪渓を目指します。
ガスガスの中、森林限界を超えて雪渓が見えましたー!もう9割心が折れていますが、残り1割でなんとかテント場まで辿り着きたいところ。後少し頑張ります。
森林限界を超えたら後少し!
雪は残っていましたが、登山道はほとんど溶けていたため、変わりなく歩けました。今年は暑くなるのが早かったので、雪が溶けるのが早いようですね。
一瞬ガスが晴れて安曇野の街が見えました。しかし、風が強い!!下山してきた人たちから話は聞いていたものの、かなりの強風で不安になりながらも、ひとまずテントを設営。小屋の人いわく、前日は強風でテントポールが折れた人が4人も居たそうで…。稜線の強風は侮れません。
テント場から山頂はすぐそこ
テント場から山頂まですぐそこなのですが、今回はガスガスで何も見えない上にかなりの強風だったため、山頂は踏まずに下山しました。本来なら美しい朝日や夕日も望める素敵な山頂です。
ちなみに、悪天候で山頂は諦めましたが、お肉とワインは諦めることなくテント内で存分に楽しみました!疲れた体にお肉が染みる!
蝶ヶ岳登山まとめ
本来は、素晴らしい眺望を期待できる蝶ヶ岳。今回は、ガスと強風、雨が吹き付ける中の山行でしたが、少しの間でも常念岳や大天井岳を眺めることができて良かったです!
燕岳、大天井岳、常念岳から蝶ヶ岳へと続くパノラマ銀座ルートも絶景なので、ぜひ一度訪れてみてくださいね。
ギア
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