私はいつも「せっかく登るなら、高い山頂を目指そう!」と、ついつい登頂を目指して山行計画を立ててしまいがちです。しかし、「たまには山頂を目指さない山旅でもいいやん!」と思い立ち、美味しいものに目がない私にぴったりの北八ヶ岳をゆったりと楽しむことにしました。
そうはいっても、少しは景色も楽しみたいということで眺望が良い「にゅう」を目指すことに。せっかくならと約7年ぶりの小屋泊で、食事が美味しいと評判の「高見石小屋」に宿泊。体感では、消費カロリーより摂取カロリーが上回ったであろう北八ヶ岳「にゅう」を目指す山旅をレビューします!
目次
苔が美しい北八ヶ岳
八ヶ岳は、長野県から山梨県へと連なる火山です。南側と北側で違った山容を楽しめるのが特徴で、南八ヶ岳は険しい岩稜帯歩きを楽しめます。一方、今回訪れた北八ヶ岳は、白駒池・双子池といった池や美しい苔の森が広がる山域で、登山初心者でもハイキング感覚で山歩きができる人気の山域です。
また、八ヶ岳は個性豊かな山小屋が多く、山小屋目当てに登山を楽しむ人もたくさんいます。小屋ごとに名物料理があり、食を楽しむ登山もおすすめです!実際、私も今回は山小屋の料理目当てに登りました!
「にゅう」とは?
「にゅう」は標高2,352mの山で、不思議なネーミングから興味をそそられます。北八ヶ岳らしい景色を楽しめる展望スポットとして密かに人気を集めており、白駒池や針葉樹の森、天狗岳が見渡せるほか、天気が良い日は富士山を望める場所です。
「今回は小屋のご飯目当てのゆったり山歩きだ!」と決めたものの、せっかくならちょっと上の方に立って景色を見たい…。でもガッツリ山頂を目指すのは嫌だ。ということで、ちょこっと頑張れば登れそうな「にゅう」を目指すことにしました。しっかり山頂を目指したい人は、天狗岳がおすすめです。
決して険しい道ではありませんが、にゅうを目指す場合は、登山靴などしっかりとした登山装備で登りましょう!
にゅうまでの登山コースをざっくりと紹介!
白駒池駐車場に車をとめて、白駒の池からスタートです!駐車場は1日600円。もう少し下った麦草峠には、無料駐車場があります。白駒池は観光地でもあるため、たくさんの観光客も訪れていました。
気持ちの良い木道を進み、白駒池方面に向かいます。
木道を歩き始めてほどなくすると、白駒池が現れます。白駒池の周回コースは40分。今回は周回せずに、にゅうを目指しますが、白駒池を眺めているだけでも癒されました。
白駒荘に到着。立派な山小屋です。登りはまだ営業していなかったため、下山時にソフトクリームを食べました。中で食事もできます。
ここを右に曲がれば高見石小屋に行けますが、今回はにゅうを経由してから小屋に向かうため真っ直ぐ進みます。
ここからは本格的な登山道に突入するため登山装備が必要です。ゴツゴツした登山道をひたすら登ります。ほぼ直登です。
「にう」の標識が。道中、「にう」「にゅう」「ニュウ」「ニュー」とさまざまな表記があり、どれが正式なのかわからない不思議な山です。
標識に従ってひたすら登り続けると、いよいよ山頂に到着です。
山頂に人がたくさん登っています。この日はあいにくのお天気でガスガスだったため、眺望は期待していませんでしたが…
ちょうどガスが晴れ、白駒池や森を眺めることができました!
にゅうからは、中山展望台を経由して高見石小屋へ下山。本来なら大展望の中山展望台はこの通りガスで真っ白。次回に期待します。
14時までしか販売していない「あげパン」にありつけるか微妙なところでしたが、ギリギリ間に合う時間に高見石小屋に到着!テラスであげパンを堪能してから、チェックインしました。
今回は贅沢に個室を予約したため、ぐっすりと眠れました!部屋には天窓があり、天気が良ければ星が見えていたんだろうなぁと思うと少し残念ですが、いつもとは違うゆったりした山歩きを楽しめました!
ランプと星の宿「高見石小屋」はやっぱり素敵だった!
今回の山旅の目的は、あくまで高見石小屋。ランプと星の宿として人気の高見石小屋に実際に泊まって感じた魅力をご紹介します!
料理がおいしい!
八ヶ岳は料理がおいしい山小屋が多いですが、中でも高見石小屋は、山小屋とは思えないおしゃれでおいしい料理が魅力です。
宿泊した日のディナーは、手作りクラムチャウダー・蓼科の新鮮野菜・丸ごとトマトのオーブン焼き・鶏肉ソテーのマスタードソース添え・大ぶりのエビフライ・ライス・デザートのティラミスとなんともおしゃれ!クラムチャウダーとライスはおかわり自由という食いしん坊にはたまらない制度です。
朝食も、スクランブルエッグ・ウインナー・サラダ・クリームチーズ・パン・シリアル入りヨーグルトと山小屋では珍しく洋食でした。朝からお腹いっぱいで幸せです!
また、売店メニューのあげパンも高見石小屋の名物。黒ゴマ・ココア・抹茶・きなこ・チーズの5種類から選べますが、欲張りな私はすべて頼んでしまいました。2個で400円、5個で900円です。
ついでにちゃっかり、丸ごといちごが入ったソーダも注文してしまい、消費カロリーより摂取カロリーが上回ったであろう山旅となりました!
ランプでノスタルジックな雰囲気
ランプの小屋とも呼ばれる高見石小屋には、たくさんのランプが飾られており、それだけでなんともノスタルジックな雰囲気が漂っています。レトロな本棚とランプの灯りがマッチしていて素敵でした。
ディナーの際には食卓にもランプが灯され、山の中にいることを忘れてしまうほどオシャレな雰囲気の中、料理を堪能できます。雰囲気に飲まれて、小屋ではついついお酒が進んでしまうので要注意!
高見石からの眺望が良い
小屋のすぐそばには高見石と呼ばれる積み重なった石があり、上まで登ることができます。高見石からは、眼下に白駒池や森を眺められるほか、美しい朝日や夕焼け空も見える絶景ポイントです!
私は、ガスが晴れるのを待っている間にあまりにも気持ちよすぎて、気付いたら岩の上でウトウト眠っていました。ただ景色を眺めながらボーっと過ごせるお気に入りの場所です。
店主による星空解説も!
高見石小屋の店主の方が大の星好きということで、「もっと多くの人に星空を楽しんで欲しい」との思いから、晴れた日は宿泊者に星の解説をしてくれます。
私は父の影響で幼少期から星空に慣れ親しんできましたが、登山をしていてもあまり星に関心がない人も多いのだとか。高見石小屋に宿泊すれば、星空に関心を持つきっかけになるかもしれません!
立ち寄りたい周辺スポット
せっかく八ヶ岳に来たなら、ついでに足を運びたいおすすめスポットをご紹介します。
麦草ヒュッテ
麦草峠の登山口にある三角屋根がかわいい山小屋です。店主のおばちゃんの人柄が素敵で、八ヶ岳のマスコットキャラクター「コケ丸」についてのちょっとした裏話や、苔の種類について色々と教えてくれました!
苔の本も自由に見ることができるほか、食事もできます。おすすめは、甘酸っぱさが癖になるコケモモジュースです!
たてしな自由農園
山小屋の店主さんに教えてもらったのが「たてしな自然農園」。高見石小屋で提供している野菜も、ここから仕入れているそうです。山小屋の食事で出てきた野菜があまりにもおいしかったため、帰りに立ち寄ることに。
ゴールドラッシュという品種のとうもろこしやズッキーニなど、何種類もの野菜を購入してその日の夜に食べましたが、どれもみずみずしくて最高でした!本当はもっと購入したかったのですが、農園のおっちゃんに「その日に食べるのが一番おいしい」と言われ、その言葉に素直に従いました。八ヶ岳周辺でキャンプをする際には、絶対にまた立ち寄りたい農園です!
山に登るだけが登山じゃない!山小屋料理も最高な「にゅう」登山まとめ
八ヶ岳の中でも北八ヶ岳エリアは、さまざまな目的で山歩きを楽しめる山域です。山小屋巡りを楽しんだり、コケを観察したり。バードウォッチングを楽しんでいる人もいました。私も今回は、いつもとは違ったのんびり山歩きで、いっぱい食べて飲んで大満足の山旅でした!リフレッシュしたいなと思ったら、ぜひ北八ヶ岳を訪れてみてくださいね!
ギア
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