アウトドアブランドのVISION PEAKSや、ウィンタースポーツのギアでお馴染みの「ヒマラヤ」が、キャンプ場の指定管理者事業を行っているのはご存じだろうか。先だって公開された岐阜県本巣市の「NEOキャンピングパーク」と、今回発表された「大津谷公園キャンプ場」でキャンプ場の運営を行うことになっている。
ここ最近ではアルペンアウトドアーズがブランドの名前を冠したキャンプ場をオープンしているが、ヒマラヤの場合は少々背景が違い、我々も無関心ではいられないことが分かった。
大津谷公園キャンプ場はかつて無料だった
大津谷公園キャンプ場は元々無料のキャンプ場ということもあって多くのキャンパーに愛されてきたが、第二次キャンプブームの拡大によってキャンパー人口が増加したことにより、マナーの悪いキャンパーが増えた過去を持つ。それらに対処するために有料化の実証実験を行ったのがヒマラヤだった。
有料化したことにより一定のマナーが保たれ地域住民からも評価を受けたこともあってか、業務委託契約として事業を行ってきたヒマラヤが指定管理者として今後5年間運営を任されることになる。
ヒマラヤが行ったのは有料化での運営に留まらず、マルシェを開催するなど地域の賑わいづくりにも貢献しており、ネガティブな要因から一転して町おこしを行ったという点では非常に評価が高いだろう。
有料化した背景とは?
このニュースで考えたいのはヒマラヤの功績だけでなく、キャンパーのマナー低下という側面。そもそも無料だからマナーが悪いという文脈は少々強引なので、ちょっと分解してみたい。
- 無料のキャンプ場として多くのキャンパーが集まる
- 行政が持つ限られたリソースではそれらを全て管理するスタッフが用意できない
- マナーの悪いキャンパーが多くなった結果、マナーの良いキャンパーが来なくなった
といったあたりだろうか。
1自体は問題は無く、ただ人気のキャンプスポットになるだけだが、キャンパーの中にはマナーの悪い人達もいる。2の要素でそういったキャンパーがのさばってしまい、結果として3に繋がる。そうなってしまうと負のループが発生してしまい、閉鎖を余儀なくされるのだろう。
マナーの悪いキャンパーが居づらいキャンプ場をマナーの良いキャンプ場だとすると、ユーザー1人1人の心掛けがこういった結果を生んだと言ってもいい。
とあるバーベキュー場でのマナー問題
大津谷公園キャンプ場はヒマラヤの手によって見事再生を果たしたが、こういった問題は全国様々な場所でも起こりうる。実際に私が2022年の夏、滋賀県米原市にある日帰りBBQもできる高規格キャンプ場で、対応を考えさせられる出来事に遭遇した。
キャンプ場とBBQ場は細い道を挟んだ向かいにあるのだが、非常にマナーの悪いBBQ客がキャンパーに注意され、口論となる。その結果としてキャンパーはBBQ客から執拗な嫌がらせを受け、ボールをクルマにぶつけられるなど目も当てられない状況に。キャンプ場のスタッフが注意してもやめず、BBQ客が帰るまで続いた。
このキャンプ場は非常に利便性も良く使いやすい所ではあるが、それゆえ様々なユーザーが集まる。こういったタチの悪いユーザーがいるキャンプ場はいくら良いキャンプ場であっても廃れていくリスクがある。
自分がマナーを守るだけじゃ無理?
お気に入りのキャンプ場が無くなって困るのは全キャンパー同じ気持ちだろう。そういったことを避ける為にも、利用者自身がキャンプ場を守るという姿勢も必要になってくる。
自分がマナーを守るのはもちろん、マナーが悪いキャンパーがいたら管理者に相談をして注意してもらうなどの対応が必要な場合もある。上記のケースでは当事者間のやり取りから口論に発展してしまったが、最初から第三者である管理人からの注意であれば結果は変わったかも知れない。
これは結果論にしか過ぎないし、諸悪の根源はマナーの悪いキャンパーだが、それらを見て見ぬふりするのは出来るだけ避けていきたいものだ。
ギア
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