寒さに弱い私ですが、どれだけ寒くてもついつい行ってしまうのが雪山登山。寒さに耐えてでも見たい絶景がそこにはあるからです。そうはいっても、夏山と違って雪山はさらなる体力を要します。「体力に自信がないけど、雪山登山をしてみたい」そんな人におすすめなのが、今回ご紹介する「北横岳」です!
目次
夏も冬も登りやすい!それが「北横岳」
八ヶ岳連峰の北に位置する「北横岳」は、ロープウェイがあることから夏も冬も比較的手軽に登れる山として人気です。正式名所は横岳ですが、同じく八ヶ岳連峰の南にある「横岳」の方が標高も高いため、区別するために「北横岳」と呼ばれています。
強い方に名前を譲ったような形でなんだか可哀想な気もしますが、針葉樹に囲まれた北八ヶ岳らしいたおやかで優しい雰囲気が魅力の山です。観光地としても人気となっています。
「北横岳」が初めての雪山登山におすすめな理由
「北横岳」は、初めての雪山登山やシーズン始めの足慣らしとしても人気です。その理由をご紹介します。
ロープウェイで標高を稼げる
2,237mにある山頂駅まで466mの標高をロープウェイで一気に稼げるのが、北横岳登山の大きな魅力です。あえてロープウェイを使わずに自分の足で登る猛者もいますが、雪山では使えるものは使っちゃえ!が私のモットー。
夏山では罪悪感を抱いてしまうロープウェイにも、雪山では堂々と乗り込みます。下りもロープウェイを使えると思うと気が楽。初めての雪山では、心にゆとりを持てることは大切です。
山頂に行かずとも雪を楽しめる
ロープウェイ山頂駅を降りると、そこには「坪庭」と呼ばれる溶岩台地が広がっています。ほぼ平坦な道のりを周回して散策できるため、山頂を踏まずとも雪山の世界を味わえるのも北横岳の魅力です。
針葉樹に雪が吹き付けられてできた美しい樹氷を眺めながら、スノーシュー歩きを楽しむだけでも雪を満喫できますよ。
標高差が少ない
アイゼンやスノーシューなどを付けて登る雪山は荷物が多く、想像以上に体力を消耗します。夏山では平気で登れる標高差も、雪山になると倍疲れます。
ロープウェイを降りてから北横岳山頂までの標高差は243m。少し頑張ればすぐに山頂に到達するため、初めての雪山歩きの練習に最適です。
冬季営業している山小屋がある
北横岳の山頂直下には「北横岳ヒュッテ」という山小屋があり、冬季も営業しています。八ヶ岳は、冬季営業している山小屋が多い山域ですが、山頂近くに営業している山小屋があるといざという時も安心です。トイレも利用できます。
雪山の寒さを体感できる
ロープウェイを利用することで自力で登る標高差こそ少ないものの、北横岳の山頂は標高2,480m。稜線に出れば冷たい風が吹き付け、本格的な雪山の寒さや環境を肌で体感できます。手軽に雪山らしさを味わえるため、雪山初心者におすすめです。
初心者向けの山でも雪山装備は必須!
北横岳は雪山初心者でも比較的手軽に登れる山ですが、甘くみるのは禁物。高度な技術こそ必要ないものの、標高も高いため、本格的な雪山装備は必須です。
チェーンアイゼンでも登れますが、寒さ対策は念入りに!汗冷えにも注意し、凍傷や低体温症にならないようにしましょう。
コース紹介
「坪庭」の景色を楽しみながらヒュッテを目指す
北八ヶ岳ロープウェイ駐車場に車を止めて出発します。自力で登る人は、駐車場のすぐそばにある登山口からスタート。今回はロープウェイを使って登ります。
ゲレンデ利用者と同じロープウェイに乗るため、すでにチケット売り場には列ができていましたが、思っていたよりもスムーズに進みました。
ロープウェイに乗り込み、山頂駅を目指します。大人になっても、なぜか窓際を陣取ろうとしてしまうのはなぜでしょう。ロープウェイは10分に1本ほどの間隔で運行していたため、待ち時間はあまりありませんでした。
山頂駅の坪庭に到着!直前に季節外れの暖かさが続いたため、思っていたよりも雪は少ないですが、天気は最高!青空に白い雪が映えて雪山らしい景色です。そして冬ならではのキーンとした空気が気持ちいい!
今回は、シーズン1発目だったので足慣らしも兼ねてアイゼンを装着して登ります。
最初はアップダウンの少ない道を進みます。ザクッザクッとアイゼンが雪に刺さる音がたまらん!!「あ~雪山だ~」とアイゼンの感触をかみしめながら、しばし快楽に浸ります。アイゼンで雪の上を歩く音を聞くと、アドレナリンが全開に!
ほんの少し登るだけでもう景色がきれい!雪を被った中央アルプスが見えます。写真を撮ったり、景色を眺めたり、ゆっくり楽しむ余裕を持てるのも北横岳のいいところ。
針葉樹にも雪が積もり、夏とはまた違った美しさがあります。樹林帯の中は登りが続きますが、頑張って登ること約1時間で北横岳ヒュッテに到着です!
北横岳ヒュッテで一服したら山頂へ
北横岳ヒュッテ前はたくさんの登山客でにぎわっていました。イスはすべて埋まっていたため、マットを敷いて座り昼食タイムです。やっぱり冬はカップラーメン率が高い!
北横岳ヒュッテには、宿泊者以外も利用できるトイレがあります。ただし、トイレ利用時は面倒ですがアイゼンやチェーンアイゼンは外しましょう!注意書きの看板がありましたが、ルールを守らない人は山小屋のご主人に直接注意されていました。
昼食を終えたらいよいよ山頂へ!ヒュッテから山頂までは登りですが20~30分です。最後のひと踏ん張り、頑張りましょう!
北横岳山頂に到着!
ヒュッテを出発後、最後の急登を登り切ればあっという間に北横岳南峰に到着です!お天気にも恵まれ眺望は最高!南八ヶ岳もきれいに見えます。雲もなんだか幻想的。雲があると、それはそれで写真に奥行が出ていいですね。
風が強い北横岳にしては、幸運にも風がましだったもののやっぱり寒い!とりあえず、南峰からすぐの北峰を足早に目指します。北峰まではほぼ平坦です。
5分ほどで標高2,480m北横岳最高峰の北峰に到着です!冬は空気が澄んでいて、本当に景色がきれい。北アルプス、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳まで見渡せます。
牛乳プリンに見えるかわいい蓼科山は、南峰よりも北峰の方が近いのでより迫力があります。蓼科山も比較的登りやすい雪山だとされているため、アイゼンワークの練習におすすめです。
本当はもっともっとゆっくりと景色を眺めていたかったのですが…やっぱり寒い!!山頂は風が吹き付けるため、手袋を2重でしていてもどんどん指先が冷えていきます。顔も痛い!!鼻がもげそうなので、後ろ髪を引かれつつもそそくさと退散。
下ると風がやんで寒さが和らいだので、キラキラ光る雪や樹氷を楽しみ、今回の山旅を締めくくりました!
北横岳で初めての雪山を楽しもう!
北横岳は、危険個所もなく高度な技術も不要なため、初めての雪山、また初めてのアイゼン歩行にも最適な山です。坪庭では、スノーシュー歩きも楽しめるため、まずは雪山がどんなものか体感したい!という人はぜひ登ってみてくださいね!
ギア
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