群馬県にある「浅間隠山」は、山頂から浅間山を目の前に望む、360度の展望がある山です。コースタイムや標高差も優しく、冬は落葉で更に見晴らしが良いこともあり、多くの登山者が訪れます。
そんなお手軽絶景の山「浅間隠山」を人気の定番コースから登ってみました。
目次
浅間山が目の前の角落山塊最高峰「浅間隠山」
群馬県東吾妻町と長野原町の境にある「浅間隠山(あさまかくしやま)」は、角落山塊に位置する標高1,757mの山です。「日本二百名山」「ぐんま百名山」「関東百名山」に選定されています。
山名の由来は東吾妻町や中之条町側から見ると、浅間山を隠してしまう(見えない)ことから。富士山に似た山容から「川浦富士」とも呼ばれ、山頂部が二峰に分かれていることから「矢筈山(やはずやま)」とも呼ばれています。
浅間隠山は展望が素晴らしく、浅間山をはじめ、北アルプス、八ヶ岳連峰、上信越といった山々や、遠くに関東平野や富士山も一望できます。
浅間隠山は最短コースを使えば僅か90分~120分程度で登頂可能で、見晴らしが良いことから近年多くの登山者が訪れます。特に、冬季は落葉で更に見晴らしが良くなるので、冬登山で人気がある印象です。
「浅間隠山」登山コース
浅間隠山単体をピストン(往復)できる、主要な登山コースを簡単に纏めました。
二度上峠から登頂する
- 標高差約420m/片道約2.1km/約90~110分程度
- 最寄りの駐車場は、浅間隠山登山口駐車場(駐車可能台数約15台/無料・トイレ無)
わらび平森林公園キャンプ場から登頂する
- 標高差約650m/片道約4.5km/約150~180分程度
- 最寄りの駐車場は無し
浅間隠温泉郷から登頂する
- 標高差約780m/片道約3.6km/約140~160分程度
- 最寄りの駐車場は、浅間隠山林道口駐車場(駐車可能台数約10台/無料・トイレ無)
登山コースは複数ありますが、殆どの登山者は二度上峠から登ります。今日ご紹介するのは二度上峠から登頂するピストンコースです。
コースは以下のような流れになります。
モデルコース 標高差約420m/総距離約4.4km/コースタイム約150~180分
浅間隠山登山口駐車場→浅間隠山登山口→分岐→保安林の標識→青い看板→浅間隠山→浅間隠山登山口駐車場
順を追って説明しますね。
浅間隠山登山口駐車場→浅間隠山登山口
登山道の最寄りの駐車場は、関越自動車道前橋インターから車で約70分の場所にある浅間隠山登山口駐車場です。駐車料金は無料。路肩のようなスペースなので、駐車可能台数は約10~15台程度と少な目です。
浅間隠山登山口駐車場には簡易トイレがあるそうなのですが、冬季だからでしょうか。それとも撤収されてしまったのでしょうか。2024年1月現在、トイレがありませんでした。
登山口は駐車場から約100メートル下った場所にあります。道路沿いを歩くので車に注意しましょう。
浅間隠山登山口→分岐
第一のチェックポイントとなる分岐までは距離にして約0.6km、標高差約100メートルを約20分かけて登ります。登山口からは岩が露出した沢沿いの荒れた登山道が続きます。
足場の悪い登山道を登りきると、トラバース(斜面を横方向に横断)気味に登山道が続きます。目の前に見える浅間隠山から離れていくかのように、大きく蛇行をしながらのルート取りになります。
チェックポイントの分岐までは、登り初めからそこそこの勾配続きで登りごたえがあります。登山感満載です。
分岐に到着です。青と赤の標識は大変目立つので見落とすことはないと思います。案内板に従って右方向に進みましょう。
分岐→保安林の標識
保安林の標識までは距離にして約0.8km、標高差約100メートルを約25~30分かけて登ります。一変して緩やかな勾配になるので登りやすくなります。束の間の天国ロードです。
この区間は笹原が広がり、笹を保護する為にぐねぐねとカーブが続く登山道です。迂回しながらのルート取りになるので距離が若干増えますが、緩やかな勾配なので歩いていて楽しい道です。
暫く進むと北軽井沢からの合流地点の分岐があるので、大きく右に曲がります。この先は平坦な道のりが終わり、段々と勾配がきつくなっていきます。
大きく蛇行を繰り返しながら笹原の広がる登山道を登り進むうちに段々と笹が無くなり、雑木林が広がる登山道に変わっていきます。
登りきった先には、一面雑木林が広がる急こう配の斜面が目に飛び込んできます。この先は急登の予感です。右手に保安林の看板が見えてきたら、急登エリアのサインですよ。
保安林の標識→青い看板
青い看板の標識までは距離にして約0.3km、標高差約140メートルを約30~40分かけて登ります。青い看板が見えるまではひたすら急登が続く修行の道のりです。
一見、直登ルートに見えるのですが、山肌保護の為につづら折りのジグザグ道になっているんだそうです。冬季は積雪で登山道が不明瞭になるので、登山道を外れないようにピンクテープを頼りに進みましょう。
この区間の登りは本当に辛く、写真で伝わらないのが残念です。後ろを振り返ると浅間山がチラ見えするので立ち止まりながらマイペースに登りましょう。
距離は短いのですが、果てしなく登りが続くように感じることでしょう。急登の終わりのサインである青い看板が遠くに見えると、安堵感が半端ないかと思います。
青い看板に到着です。浅間隠山で辛い区間は保安林の標識から青い看板までの急登エリアのみで、この先はビクトリーロードが待ち受けていますよ。
青い看板→浅間隠山
浅間隠山山頂までは距離にして約0.4km、標高差約80メートルを約15~20分かけて登ります。少しだけ下った後は尾根道を進みます。
段々と木々が低くなり、見晴らしの良い尾根道歩きを満喫できます。ただ、山頂まで意外と距離があるので、登りきった先が偽ピーク(山頂ではない)の繰り返しで、もどかしく感じることでしょう。
山頂手前の尾根道では木々が無くなり、大展望が広がるビクトリーロードが待ち受けています。右手には上信越の山々を一望できる圧巻の景色が広がります。
左手には浅間山がドーンの絶景が迫ってきます。正直な話、山頂からよりも、山頂手前の尾根道から拝む浅間山が一番絶景です。
浅間隠山に到着です。標高は1,757m。後半に待ち受ける急登エリアが想像以上に大変でしたが、それ以外はとても歩きやすく、登りやすい山でした。
浅間隠山山頂からの景色
浅間隠山山頂は360度の展望がある山です。とはいえ、周りに全く木々が無いわけではないので360度大パノラマとはいきません。シーズン中は木々に葉が生い茂り、更に展望が開けていないかもしれません。
なんといっても西側に目を向けると浅間山がドーンの大絶景です。ここまで浅間山が美しく拝めるのは、以前登った「小浅間山」以来です。
北西方向に目を向けると、日本百名山の四阿山や日光白根山の山々が美しく、壮大です。
北東方向に目を向けると、谷川連峰をはじめとした上信越の主要な山々が壁のように立ちはだかります。
南西方向に目を向けると、八ヶ岳連峰の山容が美しく、遠くに南アルプスと中央アルプスの山々を一望できます。
山頂標識の隣には方位盤があるので、どの方向にどんな山があるかが一目でわかり便利です。方位盤を見ながら山の絶景を楽しみましょう。
山頂は広大というわけではありませんが、少し外れた場所に広場のようなスペースがあります。昼食を摂るのであれば他の登山者の邪魔にならないように、山頂から離れたこの場所で休憩をしましょう。
浅間隠山→浅間隠山登山口駐車場
下山は同じコースを往復するピストンルートなので来た道に戻ります。急登ゾーンまでの尾根道は、浅間山や上信越の山々の絶景を満喫しながらのビクトリーロードが続きます。
あれだけ苦労した急登エリアも下山ではラクチンです。浅間山が目の前にチラ見えしているので下山でも楽しい道のりです。
浅間隠山登山口駐車場が見えてきました。登り返しが無いので、登山口までのコースタイムは約60~70分程度と爆速です。
浅間隠山を登ってみてわかったこと
浅間隠山は、僅か2時間足らずの山行で信じられない絶景を楽しむことが出来る素敵な山でした。浅間隠山に登ってみてわかったことをまとめました。
まとめ
- 浅間山が目の前。360度の展望がある山として人気の山
- 二度上峠から登頂する最短コースは、僅か2時間程度で登頂可能
- 浅間隠山登山口駐車場のトイレは無くなったらしい(2024年1月現在)
- 登山開始から分岐まではそこそこの勾配があり登山感満載
- 分岐から先は笹原が続く穏やかな道のりで天国ロード
- 保安林の看板から青い看板までは急登ゾーン。意外とハード
- 浅間隠山山頂までの尾根道はビクトリーロード
- 山頂は360度展望があるが木々があるのでパノラマビューとはいかない
- 山頂よりも山頂手前の尾根道からの見る浅間山のほうが絶景
- 下山は登り返しが無いので約60~70分程度と爆速
- 浅間隠山に登るのであれば落葉した冬シーズンがお勧め
更なる絶景を拝むのであれば冬に登るのがお勧め
浅間隠山は浅間山は勿論のこと、八ヶ岳連峰や中央・南アルプス、上信越の主要の山々を一望できる、360度の展望がある絶景の山でした。片道2時間足らずでこの絶景は反則です。
とはいえ、山頂には所々木々があり、パノラマビューとは言い難いので、落葉した冬に登ると一層見晴らしがよくなります。浅間隠山に登るのであれば冬がお勧めではないでしょうか。
ギア
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