長野県安曇野市にある「光城山」は、登山口から山頂まで約2千本の桜並木が続く桜の名所です。お花見のシーズンにはソメイヨシノの回廊「登り龍」を求めて多くの登山者や観光客が訪れます。
今日は、登山口から山頂まで桜のトンネルを歩く「さくらコース」をご紹介いたします。僅か60分で登頂可能で、山頂からは北アルプスを間近に一望できるという、お花見シーズンにお勧めのコースですよ。
目次
安曇野屈指のお花見スポット「光城山」
長野県安曇野市にある「光城山(ひかるじょうやま)」は、安曇野市の東側に位置する標高911メートルの山です。山名の由来は鎌倉時代にこの地を治めていた支族が築いた山城「光城」から。
登山口から山頂まで続く約2000本のソメイヨシノの回廊は「登り龍」と呼ばれ、大正天皇の即位を記念して植えられたんだそうです。夜にはライトアップまでされる安曇野屈指のお花見スポットです。
山頂は広場のようになっていて広大です。桜だけではなく、安曇野市街越しに北アルプスを一望できる迫力の大パノラマを拝むことが出来ます。
お花見登山が出来る山として人気ですが、それ以外のシーズンでも登山者で溢れかえっています。桜の満開時は大変なことになりそうです。実は山頂付近まで車で登ることが出来る、地元の方に愛される山です。
「光城山」登山コース
車を使わないで麓から光城山を登る場合、4つのルートがあります。今日はその中から桜のトンネル歩きを満喫できる「さくらコース」に絞ってご紹介いたします。
さくらコース
- 標高差約310m/片道約0.9km/徒歩60分程度
- 最寄りの駐車場は「光城山登山口駐車場」(駐車可能台数約40台/無料・トイレ有)
登山口から山頂まで続く桜並木を楽しみながら、僅か60分で登頂できる人気のコースです。登山道は大変整備されていて、本当にあっという間に登頂できるので、物足りない方は周回コースを利用しましょう。
今日は、桜並木を満喫できる「さくらコース」より山頂を目指し、北アルプスの山々を一望できる「北廻りコース」で下山する周回コースをご紹介いたします。コースは以下のような流れになります。
モデルコース 標高差約310m/総距離約2.8km/コースタイム約100~120分程度
光城山登山口駐車場→ツツジコース・アカマツコース分岐→山頂中間地点→さくらコース・アカマツコース分岐→光城山山頂→北廻りコース・長峰山分岐→光城山登山口駐車場
順を追って説明しますね。
最寄りの駐車場・公共交通機関
登山道の最寄りの駐車場は、中央自動車道安曇野インターから車で10分の場所にある「光城山登山口駐車場」です。未舗装の駐車場で駐車料金は無料。一年中利用できるバイオトイレがあります。
駐車可能台数は約40台。里山としては充実したキャパなのですが、桜の開花前にも関わらず満車に近い状態でした。誘導員の方も数名常駐していて、桜に関係なく人気の山であることがわかります。
桜が満開になった時は一体どうなってしまうのでしょうか。駐車場の争奪戦になることが容易に想像できます。臨時駐車場があるとはいえ、桜の満開シーズンは大げさに思えるほど早く家を出ることをお勧めします。
出典:長野県魅力発信ブログ公共交通機関を利用する場合、最寄りにバス停が無いので、JR篠ノ井線「田沢」駅から距離にして約2.6kmを40分程度歩いて行くことになります。
光城山登山口駐車場→ツツジコース・アカマツコース分岐
第一のチェックポイントとなるツツジコース・アカマツコース分岐までは距離にして約0.2km、標高差約100メートル程度を約15分かけて登ります。
さくらコースは登山道が大変整備されていて登りやすく、距離が短いのであっという間に登頂できますが、楽勝な登山とはいきません。何故なら思っていた以上に急こう配の道のりが続くからです。
登山中は至るところにベンチや標識があるので安心なのですが、謎の分岐が多く、混乱するかもしれません。結局、どのコースに進んでも同じコースに合流します。
桜並木が続く登山道にはライトアップ用の照明が吊るされています。残念ながら筆者が登った日は桜が蕾で、桜の花を拝むことは叶いませんでした。
分岐に到着です。どちらに進んでも同じコースに合流します。因みに、アカマツコースは遠回りになりますが緩やかな道のりです。筆者はツツジコースを進みました。
ツツジコース・アカマツコース分岐→山頂中間地点
山頂中間地点までは距離にして約0.2km、標高差約60メートル程度を約15分かけて登ります。ツツジコースはつづら折りの急こう配が続きます。
階段が整備されているとはいえ、なかなかの登りごたえがあります。ハイキング気分で登頂したい方はアカマツコースがお勧めです。
桜の花は叶いませんでしたが、この日はダンコウバイが満開でした。ツツジコースの途中で見ることが出来ますよ。
山頂中間地点に到着です。ここまでで全体の約半分を登ってきたことになります。特に見どころがある訳ではありませんが、山行での良い目印になります。
山頂中間地点→さくらコース・アカマツコース分岐
次の分岐までは距離にして約0.2km、標高差約80メートル程度を約15分かけて登ります。引き続きつづら折りの登山道が続きます。
光城山は、何合目なのかがわかる数字の標識が短いスパンで出現します。山頂までの目安が掴みやすく、初めての登山でも安心です。
登山道の両側は桜の木です。山頂までずっと桜並木が続く山は貴重ではないでしょうか。
さくらコース・アカマツコース分岐に到着です。アカマツコースから登頂した方も、こちらの分岐に合流します。筆者は桜並木が続くさくらコースを選択しました。
さくらコース・アカマツコース分岐→光城山山頂
光城山山頂までは距離にして約0.3km、標高差約70メートル程度を約15分かけて登ります。階段を登りきると景色が開けます。桜が咲く季節は間違いなく絶景だと思います。
桜並木の広場から見える長い階段が最後の登りです。登った先は公園のような平坦な広場が続きます。
山頂までの平坦な道のりには展望スポットや避難小屋、トイレまであります。奥に見える建物は古峯神社です。山頂標識は神社の手前にあります。
光城山山頂に到着です。標高は911m。思っていた以上に登りごたえがありましたが、山頂までは本当にあっという間で、お子様からご年配の方まで、誰でも登りやすい山だと思います。
光城山は元々山城だったこともあり広大で、公園のようになっています。沢山の見どころがあるので早速散策してみましょう。
光城山山頂を散策
光城山は、鎌倉時代に海野氏の支族である光氏が城を構えていた山です。山頂から狼煙を上げて連絡しあう役目があったと伝えられ、山頂の奥には火の守り神を祀る古峯神社が鎮座しています。
山頂一帯は桜の木に囲まれているので360度大パノラマとはいきませんが、北アルプスを目の前に一望できます。山頂直下や、展望スポットには、どんな山があるかがわかる看板があるので便利です。
特に、展望スポットにあるアクリル板の案内図は大変優秀で、アクリル板越しに北アルプスの山々を重ねることで、どんな山があるかが一目でわかります。
光城山といえば、なんといっても桜が有名です。ベンチやテーブルも沢山あり、山頂も広いので桜が満開の時はハイキングがてら花見を楽しむ方で賑やかなことでしょう。
筆者は残念ながら満開の桜を拝むことが出来ませんでしたが、桜が満開の時は写真のような雰囲気です。下界のお花見スポットのような混雑も無く、静かに桜を独り占めできそうですね。
しかも、光城山にはトイレが2か所もあるので、ありがたいです。桜を愛でながら長い時間ゆっくりと楽しむことが出来ますよ。
光城山山頂→北廻りコース・長峰山分岐
今回は周回ルートなので下山は北廻りコースを通ります。分岐のあるチェックポイントまでは距離にして0.3km、約10分の道のりです。
アスファルトで整備された道を進むと分岐に到着します。右手を進むと長峰山の縦走コースです。北アルプスを一望できる360度大パノラマが広がる山ですよ。物足りない方は縦走コースもお勧めです。
左手に進むと階段があるので丘を登りましょう。丘の上は展望スポットになっていて北アルプスの絶景を拝むことが出来ます。
しかしながらこの日は北アルプスの山々が雲で隠れてしまい、絶景はお預けになってしまいました。
北廻りコース・長峰山分岐→光城山登山口駐車場
光城山登山口駐車場までは距離にして1.6km、約40~50分の道のりです。大変見晴らしの良い登山道で、天気が良い日は絶えず目の前に北アスプスがどーんと聳え立つビクトリー下山を満喫できます。
後ろを振り返ると光城山の尾根に桜並木を見ることが出来ます。桜が満開のシーズンは間違いなく絶景です。
下山の後半は樹林帯歩きが続きます。さくっと下山しましょう。大変緩やかで整備された登山道なので爆速です。
光城山登山口駐車場がみえてきました。北廻りコースは距離は長いですが景色が素晴らしく緩やかなので下山でお勧めだと思います。
光城山に登ってみてわかったこと
光城山は老若男女誰でも登りやすく、桜と北アルプスの絶景をお手軽に満喫できる人気の理由も納得の山でした。光城山に登ってみてわかったことをまとめました。
まとめ
- 2千本の桜並木と北アルプスの絶景を満喫できる地元の方に愛される里山
- 登山口から山頂まで続くソメイヨシノの回廊は「登り龍」と呼ばれる
- 夜には登り龍がライトアップまでされる安曇野屈指のお花見スポット
- 登山口から山頂まで桜のトンネルを歩く「さくらコース」が人気
- 山頂まで僅か60分。登山道は整備されていて老若男女問わず登りやすい
- 距離は短いが思っていた以上に急こう配の道のりが続くので楽ではない
- 至るところにベンチや標識があるので安心だが分岐だらけで迷うかも
- 山頂は元々山城だったこともあり広大で、公園のようになっている
- 山頂にトイレがあるので長い時間ゆっくりと楽しむことが出来る
- 下山は北アルプスの絶景が楽しめて緩やかな北廻りコースがおすすめ
- 桜の満開シーズンは駐車場の争奪戦になるので早めに到着したい
光城山の例年の開花は4月中旬以降。桜が満開のタイミングを狙いたい!
2023年の開花は例年よりも早く、4月上旬だったので同じタイミングを狙いましたが、今年は開花がずれ込んでしまい、残念ながら桜を見ることはできませんでした。桜の見頃の見定めは難しいですよね。
光城山の桜の見ごろは例年、4月中旬~4月下旬あたりです。僅か60分で登頂できる登山初心者にも優しい山なのでお花見シーズンに合わせてチャレンジしてみてくださいね。
ギア
このライターが書いた他の記事
- 日毎
- 月間
- 殿堂
北海道小樽市に観光とアウトドアの両方が楽しめる新グランピング施設が誕生
ペッタンコになったダウンジャケットを自宅洗濯でふわふわに復活させる方法
TAKIBISM x ISHINOMAKIプロジェクトの第二弾!キャンパー垂涎のオシャレ焚火台が発売
立てば収納、倒せばテーブル、畳んだ姿はコンパクト!DODの新作「タナカテーブル」が発売開始
ライター1本で空き缶の上蓋をきれいに切り取るテクニック【空き缶炊飯・缶コップに】
学校橋河原キャンプサイト詳細|焚き火も可能で超人気の無料キャンプスポット紹介
徒歩キャンプや登山では必須!持ち運びしやすい温度計のおすすめ8選
伊吹山を一望できる関西人気No.1キャンプ場「グリーンパーク山東」がオープン!
今年の冬はアイロンストーブが流行りの予感?発売初日で完売した魅力や特長に迫る
柚木の川原(山崎川原)キャンプサイト詳細|無料キャンプができる都内の野営地を紹介
リビングでも焚き火気分を味わいたい!ちいさな火鉢とリアルな炎に癒される「炎色火鉢」が発売
北海道小樽市に観光とアウトドアの両方が楽しめる新グランピング施設が誕生
学校橋河原キャンプサイト詳細|焚き火も可能で超人気の無料キャンプスポット紹介
ペッタンコになったダウンジャケットを自宅洗濯でふわふわに復活させる方法
今年の冬はアイロンストーブが流行りの予感?発売初日で完売した魅力や特長に迫る
とことん山キャンプ場でとことんキャンプ!いつでも何度でも入れる露天風呂でリフレッシュしてきました!
立てば収納、倒せばテーブル、畳んだ姿はコンパクト!DODの新作「タナカテーブル」が発売開始
ライター1本で空き缶の上蓋をきれいに切り取るテクニック【空き缶炊飯・缶コップに】
3面構造で炎の揺らめきを存分に楽しめる良コスパ薪ストーブがVASTLANDから発売
アルコールストーブの燃料は消毒用・除菌用アルコールで代用できる?アルストの燃料について考えてみた
埼玉県の無料キャンプ場一覧|予約不要で利用できる野営地&無料キャンプスポット15選
茨城県の無料キャンプ場一覧|予約不要で利用できる野営地&無料キャンプスポット11選
神奈川県の無料キャンプ場一覧|予約不要で利用できる野営地&無料キャンプスポット20選
千葉県の無料キャンプ場一覧|予約不要で利用できる野営地&無料キャンプスポット14選
東京都の無料キャンプ場一覧|予約不要で利用できる野営地&無料キャンプスポット14選
群馬県の無料キャンプ場一覧|予約不要で利用できる野営地&無料キャンプスポット10選
東北で冬キャンプができるキャンプ場32選!通年営業のおすすめキャンプ場一覧
キャンプで使えるロープワーク一覧+ロープのまとめ方【15種類】
関東のおすすめキャンプ場30選!現地取材で分かった本気でおすすめできるキャンプ場一覧
40Lバックパックでソロキャンプを楽しむ装備一式と詰め方のコツ