くじゅうが大好きな私の希望で、先日、家族でくじゅうに遊びに行くことになりました。当初の計画ではプチ登山を考えていたのですが、その日は4月なのにかなり肌寒く、風も強かったこともあり断念することに…。でも「くじゅうの自然を少しでも味わいたい!」ということで、飯田高原の長者原にある「タデ原湿原」を散策することに。
「タデ原湿原」は家族で毎年訪れているお気に入りの場所!なぜなら、木道がきちんと整備されているので子どもでも安心して歩けますし、なんといっても目の前に三俣山や硫黄山などのくじゅう連山を見ながら散策できるからです。また、四季折々の希少な植物なども見ることができ、いつ訪れても違う顔を楽しめるのも魅力のひとつです。
そこで今回は、くじゅうの自然を気軽に味わえる「タデ原湿原」を、個人的な感想や写真を交えながら詳しく紹介したいと思います。また、タデ原湿原に隣接する「長者原ビジターセンター」も子どもから大人まで楽しめる施設だったので、合わせて紹介したいと思います。
阿蘇くじゅう国立公園とは
阿蘇くじゅう国立公園は、昭和9(1934)年12月4日に指定され、大きく分けると「公園南部の阿蘇山周辺」「公園中部のくじゅう連山周辺」「公園北部の鶴見岳・由布岳周辺」の3つに分けられます。
また、熊本県・大分県をまたがる阿蘇くじゅう国立公園の総面積は72,678haにもおよび、雄大で素晴らしい風景や自然を楽しむことができます。とくに、阿蘇山やくじゅう連山などの火山群、その周囲に広がる雄大でなだらかな草原が特徴的です。
タデ原湿原とは!?
タデ原湿原は阿蘇くじゅう国立公園・くじゅう連山の北側に広がる湿原で、「坊がつる」と共にラムサール条約に登録されています。
タデ原湿原には木道が整備され、春はキスミレ、夏はキスゲ、秋はマツムシソウなど多くの希少な植物を観察することができます。
また、昆虫や動物なども生息しており、例えば、草原の植物を食草とするオオルリシジミやゴマシジミなどの希少種を見られることも。
こちらは「ヒゴダイ」で、阿蘇くじゅうを代表する希少な植物です。
タデ原湿原散策開始!
長者原駐車場に車を停め、いざ散策開始です!
長者原ヘルスセンターの横にある階段を上っていきます。ちなみに長者原ヘルスセンターでは、くじゅう連山を眺めながら食事ができたり、お土産を購入することもできます。2階には日帰り温泉もありますよ。
入り口手前には足湯があるのですが、時期的なものなのかコロナの影響なのかは不明ですが、この時はお湯が入っておらず使うことができませんでした。
階段を登って少し歩くと、タデ原湿原周辺案内図があります。おおきくA・B・Cの3つのルートにわけられています。どう違うかというと…
チェック
A[タデ原絶景コース]は、約800m/所要時間約20分のコースで、気軽に楽しみたい方はもちろん、バリアフリーになっているので車イスの方も安心して楽しめます。車イスは長者原ビジターセンターで借りることもできますよ。
チェック
B[タデ原1周満喫コース]は、約1500m/所要時間約40分のコースで、季節の山野草やタデ原湿原をたっぷり楽しみたい方にオススメです。
チェック
C[草原・森もりコース]は、約2500m/所要時間約60分のコースで、くじゅうの自然をとことん楽しみたい方やハイキングを楽しみたい方にオススメです。
コースについてもっと詳しく見たい方はコチラ↓
案内板を進み、橋を渡ります。
そして、20段ほど階段を上ると…
一面に広がる湿原…ではなく、この日は野焼きをした直後だったので焼け野原といった感じでした(笑)
野焼きとは、害虫駆除や草原の芽吹きを促すために枯れた草木に火をつけて焼き払うものです。くじゅうの野焼きは、毎年3月上旬から4月上旬にかけて行われていて見ることもできますよ。
ちなみに、ススキの季節(10月上旬~11月中旬)のタデ原湿原がコチラ↓
ススキが一面に広がり風に揺れる景色は最高です。
ちなみに、こちらはタデ原湿原と同じくラムサール条約の登録湿地となっている「坊がつる」です。坊がつるも木道が設置され、秋には大人の背丈ほどもあるススキが一面に広がります。
タデ原湿原に戻りますが…
紅葉の時期もとってもオススメです!
こんな感じの木道を進んでいきます。この日は4月なのに気温も低いし(調べてみると玖珠郡の平均気温は8.0度)、風も強いわで…。晴れているけど風を遮るものがないので、とにかく寒い!!
夏以外は念のため防寒着を持っていくことをオススメします。
真っすぐ進むと、分岐点に到着します。右に行きたかったのですが、距離が長いので寒くて凍えそうということで却下されました(涙)なのでとりあえず左へ行くのかと思いきや…
左と右の間…そう!それは…
登山道に続く道です。いや、登りはしないんですけど、どうしても登山道を自分の目で確認したい衝動に駆られるのです。
これは妊娠中に訪れた際、同じ場所で撮った写真です。写真は省略しますが、子どもが生まれてからも毎年必ずここに来ます。「どんだけ好きなん!」って感じですよね(笑)
そして聞かれてもないのにルートの説明をしだす私(笑) 旦那には「また始まった…」と言わんばかりの適当な相づちをされるんですが、もう自己満足の世界なんですよね(笑)
以外にも娘は興味津々!ちょっとだけ娘と歩きながら「あ~このままいくと雨ヶ池かぁ」なんて妄想したり(笑) 娘がもう少し大きくなったら、家族で坊がつるまでキャンプ登山に行きたいものです。
野焼きの直後だからか湿原の中央を真横に通れる道が…以前来たときはススキがあったし、道もなかったと思うのですが…記憶がない(笑) 果たして通ってよいのかなぁ!?
そんなことを考えている間に夫と娘は行ってるし(汗)…他にも歩いている人いたし、立ち入り禁止とも書いてないので進んでみることに。(※もし、通行禁止だったとしたら、本当にすみません)
思い返せば…
はじめて訪れた時はまだ一人で立つこともできず…
翌年は恐る恐る歩いていた娘が…
今では「さむ~い!!」と言いながら猛ダッシュしていました(笑) タデ原湿原で娘の成長を感じることができ、嬉しいかぎりです。
奥に木道があるのわかりますか!?あれが、先ほど紹介した「C[草原・森もりコース]は約2500m/所要時間約60分のコース」です。
これから新緑の季節になり、こんな風に草木で覆われた時にはぜひ、歩いてみたいものです。
通り抜けると砂防ダムを通り、諏蛾守越(すがもりごえ)につながる登山道の所に出ました。
登山口で確認したところ、現在(2021年4月の時点)は、長者原~諏蛾守越間・硫黄山登山道路は土石流のため通行できないようです。
2020年7月の豪雨災害により、くじゅう連山周辺や登山道なども被害を受けているようです。現在、登山規制や通行止め、落石の危険があったり崩落している登山道もありますので、登山に入る前には必ず最新の情報を確認するようにしましょう。
登山道状況はコチラ↓
そして、あまりの寒さに私たちは隣接する長者原ビジターセンターに入ることにしたのです。長者原には何度も訪れていますが、長者原ビジターセンターに入ったことは一度もなかったので楽しみです。
では早速、長者原ビジターセンターについて紹介していきたいと思います。
長者原ビジターセンターとは
長者原ビジターセンターは、阿蘇くじゅう国立公園くじゅう地域を紹介する博物展示施設です。館内では、くじゅうの歴史や自然などを展示物や巨大衛星写真、ハイビジョンシアターなどで見ることができます。
長者原ビジターセンターには、タデ原湿原やくじゅう連山を目の前に見られる展望室やテラスもあるので、ゆっくり休憩することもできます。
まずは長者原ビジターセンター2階から
長者原ビジターセンターは2階建てで、駐車場から入ったところが2階になります。
入り口には、検温と消毒液がありますので、必ずするようにしましょう。また、館内ではマスクを着用しましょう。
入ると、今日の天気や気温、タデ原湿原に咲いている花などのお知らせが書いてあったり…
くじゅうの山々のパネルなどが展示されていたり…
動物の足跡の展示があったりします。この足跡の上に紙をのせ、クレヨンなどでシャカシャカなぞると足跡を写すことが出来るそうですよ。
そして、娘がスタンプラリーを発見!すべてのスタンプを押してカウンターに持っていくと、プレゼントがもらえるとのこと。スタンプは全部で6個(1階3個・2階3個)。子どもはスタンプが好きですし、プレゼント欲しさに「全部集める!」と意気込んでいました。
その先には、登山のルールとマナーのコーナーがあり、私も今一度再確認しました。
くじゅう連山などは国立公園になるので一人一人がルールやマナーをしっかり守らなければいけませんね。初心者にもわかりやすく装備やウェアなどについての説明も書いてあったので勉強になると思います。
また、登山道やルートの最新情報も掲示されているので、登山前にここで確認できるのもありがたいです。
カウンター前にはグッズが販売されていて、何やら気になるものが…
「くじゅう限定 オリジナル缶バッジ」 110円
くじゅうのバッジは見かけたことはありましたし、揃えているのですが、缶バッジは初めて見ました。しかも、可愛いし110円だしお財布にも優しい!お土産やプレゼントにも最高ですね(山好きじゃない人はもらっても嬉しくないのかしら…)。
今回、お土産用と自分用に購入したのがこちら↓
左のはステッカーで、水筒に貼ろうかなと思っています。缶バッジはハットかサコッシュもしくはザックにつける予定です。
私がバッジ選びに夢中になっている間、娘は双眼鏡でくじゅう連山とタデ原湿原を観察していました。
ここでは雄大なくじゅうの景色を眺めながら休憩することもできますし、テラスでは飲食も可能です。そして、何やら面白いものを発見したようで、「ママ~」と呼ばれ振り返ると…
九州本土最高峰「中岳(なかだけ)」に登頂しているではないですか(笑)さらに…
ミヤマキリシマまで堪能しているではないですか!他にも、アナグマやヒゴダイなどのパネルもあったので、ぜひお好みの顔はめパネルで記念写真を撮ってみて下さいね。
続いて1階へ
階段を降りると1階に行けます。1階からタデ原湿原につながっているので、長者原ビジターセンターでくじゅうのことを知ってから散策に行くと、より楽しいかもしれません。
階段の壁には、くじゅうの自然を支える活動の紹介文や写真が掲示されています。
くじゅうは様々な方によって支えられていることがわかりました。例えば、九重町の小中学生からなる「チームタデ原」は、子どもたちが主体となってタデ原湿原を守るための学習・活動を行っています。
他にも、地元の高校生やくじゅうファンクラブの会員の方たちが登山道の整備を行ったり道標を交換・設置したりなど、他にもたくさんの方々のおかげで、私たちは素晴らしいくじゅうの自然を楽しむことができているのです。本当にありがとうございます。
1階は、くじゅうの森についてや…
くじゅうの草原について…
くじゅうの大地のなりたちなど、くじゅうのことが全てわかるようになっています。
なかでも娘が興味津々で聞いていたのが、くじゅうに住んでいる鳥や虫の鳴き声です。タッチパネルになっていて聞きたい鳥や虫をタッチすると、館内に癒しの鳴き声が優しく響き渡ります。
目を閉じればまるでそこは、森の中のようです。なぜか娘は、セミの鳴き声ばかり聞いていましたが(笑)
他には、実際にすがもり小屋にかけられていた愛の鐘が飾られていたり(※愛の鐘とは、昔すがもり小屋付近で吹雪きの為、大人数のパーティーが遭難する事故が起こり、ガスっている時などに他の登山者にすがもり小屋の場所を教えるために設置されたもの)…
そして床には…
阿蘇くじゅう国立公園の8000分の1の衛星写真が展示されています。
そして、子ども連れにも嬉しいのがコチラ↓
キッズコーナーです。絵本やパズルが置かれていました。キッズコーナーの横にはトイレ・多目的トイレもあるので、おむつ替えも安心ですね。
他にも、40人収容できるハインビジョンシアターがあり、くじゅうの自然を映像で鑑賞することもできます。利用したい方は、受付で聞いてみて下さいね。
娘がスタンプを全て集めたので、受付カウンターに持っていくことに!
いったい何がもらえるのでしょうか!?ちょっと期待していると…
なんとも可愛いシールを頂きました。これは後日、しれっと私のものにしました(笑)
最後に
今回は、「タデ原湿原」と「長者原ビジターセンター」を親子で満喫してきました。
この日は気温が低かったこともあり、タデ原湿原散策は30分程しかできませんでしたが、長者原ビジターセンターには1時間以上いたと思います。こんなにくじゅうのことを知ることができる場所があったなんて…。今まで知らずに素通りしていたことを後悔しました(涙)
また、「子どもとくじゅうの自然を体験してみたいけれど登山はちょっと…」という方や「のんびりハイキングをしたい」方など、ぜひ「タデ原湿原」をのんびり散策してみてはいかがでしょうか。ここでしか見られない景色や植物など、日常を忘れてリフレッシュ出来ること間違いありませんよ。
ギア
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