この日はもともと御嶽山に行く予定でしたが、アルプス方面はあいにくの雨予報。天気を調べると晴れるのは東北・北海道しかない!「じゃあ東北行っちゃおう!」ということで、急遽予定を変更して念願だった山形県の「鳥海山(ちょうかいさん)」に行ってきました。
東北の山は初上陸。さすが山形、さすが東北!日本海を見渡せる圧巻の眺望。素晴らしすぎた山旅をレポートします!
目次
鳥海山(ちょうかいさん)ってこんな山!
鳥海山(ちょうかいさん)は、山形県と秋田県にまたがる日本百名山の一つです。富士山のように美しく裾野が広がる山容から、別名「出羽富士」とも呼ばれています。標高は2,236mとそこまで高くないものの、周りに遮るものがないため、眺望は抜群です!
私が山を始めたばかりの頃、テレビで見た鳥海山に心奪われ、それ以来ずっと行きたかった憧れの山です。
鳥海山は魅力がたくさん!
今回、鳥海山を初めて登りましたが、思っていた以上に魅力溢れる山でした。ベテラン登山者から登山初心者までどんな人でも楽しめる魅力をご紹介します。
日本海を一望!360度開放感抜群の眺望
登山の醍醐味といえば、やっぱり山頂から見る眺望ですよね。今回は、秋田県側の鉾立から登りましたが、山頂どころか駐車場時点から抜群の眺望です。星空も恐ろしいほど美しくて、思わず息を吞むほど。星空を眺めるたけに駐車場に来ている人もいました。
周囲に高い山がないため、360度見渡すことができます。日本海を眺めながら登っていく登山道は、とにかく開放感抜群!北の方に位置しているため、アルプスよりも森林限界が低く、標高1,100mほどの登山口を登り出してすぐ森林限界を超えます。終始見晴らしの良い登山道を歩けるので、疲労をあまり感じずに歩けました!
なだらかな稜線歩きと岩稜歩きの両方楽しめる
初めの3時間ほどは、緩やかな斜度のなだらかな稜線歩きが続きます。東北の山らしい雄大さを味わいながら、足元の高山植物に目をやったり、日本海を眺めたりとのんびりとした山歩きを楽しめますよ。
しかし、後半からは突如岩場が現れ、前半とは全く違った岩稜帯歩きとなります。一見、たおやかな山容の鳥海山ですが、山頂の新山(しんざん)は荒々しい岩稜帯となっており、岩登りをする場面も。1つの山でのんびり山歩きと緊張の岩稜歩きの両方楽しめるのも、鳥海山の魅力です。
初心者にもおすすめ!山頂まで行かずとも満足できる
今回驚いたのは、山頂まで行かずに途中まで登って下山する人が多かったことです。大抵の山では、せっかく来たからにはみんな山頂を目指しますよね。しかし、鳥海山は登り始めから眺望を楽しめるからか、前半のなだらかな稜線歩きだけを楽しんで下山する人をたくさん見かけました。ファミリー登山も多かったです。
中には、スポーツウェアやジーパン・スニーカーで登っている人も。確かに登れない道ではありませんが、日本海から吹き付ける風が強いため、レインウェアなど最低限の準備は必要です。
山頂(新山)までのルート紹介
秋田県側の鉾立駐車場から出発
今回は、秋田県側の鉾立登山口から登ります。鳥海ブルーライン登って駐車場には夜中に到着し、そのまま車中泊。圧巻の星空でした。
駐車場は広くて、一般用と登山者用に分かれています。夜中用のトイレも設置されており、快適に車中泊できました。
まずは途中の御浜小屋へ
登山口には、ルートと目安のコースタイムの案内があります。登山届提出所も設置されているので、忘れずに登山届を提出したら出発です!
登山口から10分ほどのところに鉾立展望台があります。ここまで来る観光客も多いのでしょう。
すでにこの絶景。どこまでも続く日本海と平野の美しさに感動!反対側にはこれから登る鳥海山の山頂が見えます。ベンチが複数あるので、ここでのんびり過ごすだけでも満足できそうです。
なだらかな坂道を登っていくと、途中で秋田と山形の県境があります。ここから、まずは賽(さい)の河原を目指します。
斜度もゆるやかで歩き始めの体には優しい登山道です。しかし、標高を稼げないので山頂までの道のりは長そうだとこの時点で察します。
賽の河原に到着です。ベンチはないものの、ベンチ代わりになる岩はたくさんあるのでここで小休憩。ここから中間地点の御浜小屋までは、しっかりめの登りになります。
空に向かって続く道。眺望もよくて気持ちの良い登山道でした!
御浜小屋と鳥居が見えました!宿泊者以外は、200円払うと小屋の中で休憩可能。トイレもあります。
小屋の前には、鳥海湖とその向こうには庄内平野と日本海が広がっています。鳥海湖目当てに、ここまでだけ登ってくる人も何人もいました。
御浜小屋の前にはベンチがあるので、景色を眺めながら一休み。ただ、強風注意!
後半戦!苦しい登りを経て山頂直下の御室小屋を目指す
御浜小屋から御田ヶ原までは、ゆるやかな稜線歩きです。ここまでくると、鳥海山の山頂である新山と外輪山が良く見えます。ちなみに鳥海山は活火山です。
御田ヶ原からは一度下った後に、ガッツリ登り返します。
ここからは登りもキツくなり、道も悪くなるため、しっかりとした登山靴や装備が必要です。
先程までとは打って変わって、急登を登り終えると分岐点に到着。ベンチがあるので美しい景色を眺めながら、呼吸を落ち着かせます。そして、せっかく登ったにも関わらず、ここからは雪渓が残る千蛇谷まで一気に急勾配を下る羽目に。
この辺りは夏でも雪渓が残るようです。雪渓はシャーベット状で滑りやすく、また鳥海山の岩稜は濡れていなくてもツルツルと滑りやすいため要注意!私は下りで2回も転倒しました。
ここから先は八丁坂と呼ばれる坂道をひたすら、ただひたすら登るのみです。山頂は見えるのに、思った以上に道のりが長い。
途中、『山頂へ』という標識が出て来るのですが、何度も何度も出て来るので、励まされるどころか逆に心が折れます。
まだかまだかと耐えながら登り切ると、やっとこさ本日宿泊する山小屋「御室小屋」に到着!それにしても景色は相変わらず最高です。晩御飯は、小屋に自炊室がないので、景色を眺めながら小屋の前で食べました。
荷物をデポしたらいよいよ山頂へ!
小屋に荷物をデポして、往復1時間弱の山頂を目指します。ここから山頂まではひたすら岩稜帯で、手足を使って三点支持で登っていく楽しい岩登りです!矢印と白丸を頼りに登っていきます。
若干高度感があるので、高所恐怖症の夫は終始ビビりっぱなしで事あるごとに座り込んでいました。山頂も、高所恐怖症の人には少し辛いようです。
登りと同じルートで下っている人もいましたが、このルートは下りが危険そうなので、ビビりの夫の要望により、別の下りルートを使いました。登りルートより、怖さは少しましなようです。
せっかく登りましたが、途中下らされて、そこからまた山頂まで登り返します。
鳥海山の山頂、新山に到着です!岩登りが楽しかったので、あっという間に到着!
この頃には雲が湧いていましたが、遠くの日本海がきれいです。山頂は狭いのですが、運よく私たちだけだったので少しのんびりと過ごしてから下山しました。
鳥海山登山レポートまとめ
鳥海山は、山そのものが大きく雄大で、まるで縦走したかのような達成感を味わえました。さすが東北の山。アルプスでは見られない景色だったので、終始大興奮の山旅となりました!
下りは、外輪山コースを歩く予定でしたが、ガスガスで視界が悪かったため今回は断念。山頂まで行かずとも十分満足できる山なので、ぜひ訪れてみてくださいね!
ギア
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