今回は、私の山の先輩が発足した「YAMAIKUKAI?」のみんなで、くじゅう山群のひとつ「黒岩山」に登ってきました。しかも今回は娘の記念すべき「くじゅうデビュー!」なのです。その時の登山の様子や黒岩山のことを、写真と個人的な感想を交えながら紹介したいと思います。
私の娘は当時2歳10ヶ月。歩くのもかなりしっかりしていましたし、何度かある程度整備された山には登っていました。しかし「岩山を登れるのだろうか?」「私も登ったことのない山なので、どんな感じかわからない」などの不安がありました。しかしここは、山仲間を信じ、そして山仲間のサポートの力を借りてチャレンジしてみることにしたのです。
目次
YAMAIKUKAI?とは
ここでまず「YAMAIKUKAI?」について簡単に紹介します。
「YAMAIKUKAI?」とは「山育会」と「山行くかい?」をかけたもので、食育や木育のように山育によって子どもたちの心が豊かになってくれたらいいなと願って発足したものです。ダジャレも含まれています(笑)が、山の先輩の思いがたくさん詰まった素敵な会なのです。
私の山に対する思い
「私の山に対する思い」なんて書くと大げさですが、私自身、大人になって山の魅力に虜になり、山での経験や出会いがあったからこそ、今の自分があると思っています。
なんといっても自分の足で登った達成感や絶景、山で食べるご飯の美味しさなどを子どもにも味わってほしいと思っています。そしてそれを一緒に共感したい!まぁ、山のことになると熱くなってしまう私ですが、山仲間に助けてもらいながら子どもとの山を楽しめたらなと思っています。
くじゅう山群とは
くじゅう山群はくじゅう連山とも言われ、大分県玖珠郡九重町(くすぐんここのえまち)から竹田市久住町北部(くじゅうまちほくぶ)にかけて広がる火山群の総称です。
最高峰は九州最高峰の中岳1791mで、百名山の1つです。また、一帯は阿蘇くじゅう国立公園に指定されています。九州本土には1700mを超える山が14座あり、そのうちの9座がくじゅう山群に集中しています。
黒岩山(くろいわやま)1502.6m
黒岩山は、くじゅう連山の1つで、標高1502.6mの山です。くじゅう連山の主な登山口である牧ノ戸峠から沓掛山(くつかけやま)方面とは反対側に登山口があり、30分ほどで山頂に着きます。
山頂は溶岩の黒い岩でできていて、その様子から黒岩山と名付けられました。山頂からは万年山(はねやま)や耶馬渓(やばけい)の山々、くじゅうの山々が望めます。
6月には、溶岩の間のわずかな土に根づいたミヤマキリシマが花開き、圧巻の景色が楽しめます。また岩の重なった山頂では、色鮮やかなシャクナゲも多くの花を咲かせます。
前日にくじゅう入り
みなさん、登山の鉄則「早出早着」をご存じでしょうか?そう!読んで字のごとく、朝早く出発して山に登り、午後の早くに到着(下山)するという意味です。
少しでも山の危険リスクを減らすためにも重要なことなので覚えておいてくださいね。「前日入りしたこと」と「早出早着」の何が関係しているかというと…
「しっかり睡眠をとるため」「朝早く登山を開始するため」「少しでも子どもの体力をフル充電の状態にしておきたい」などを考えて、くじゅうに前日入りすることにしたのです。もちろん、自分自身の体力も確保したかったからというのもあります(笑)
おかげで、朝から元気いっぱいの娘。
私の変なテンションにも冷静に対応できるほど、頭もスッキリしているようです(笑)
今回は、大分県玖珠郡九重町にある「トライアル温泉郷 虎乃湯」さんにお世話になりました。長者原(ちょうじゃばる)ビジターセンターまで車で約4分、牧ノ戸峠まで車で約11分の好立地にあり、連日多くの人が利用している人気の宿です。
黒岩山登山開始
牧ノ戸峠に集合し、いよいよ登山開始です。今回は私と娘に加え、子どもが3人、大人が2人の計7人での登山です。
黒岩山登山口
黒岩山登山口は、牧ノ戸峠駐車場の道路はさんで向かい側にあります。今までこっち側は気になってはいましたが、一度も足を踏み入れることがなかったので私も楽しみです。
登山口からしばらくは舗装された登山道を進んでいきます。正面に目指すは黒岩山が見えます。登ったのは3月下旬でしたが風が冷たかったです。春といえども山はまだまだ寒いので、しっかり防寒していきましょう。
しばらくいくと舗装路は終わり、登山道らしくなってきました。雨が降るとぬかるみやすく滑りやすい土質ですので気をつけましょう。
しっかり目印を確認して進みましょう。こういった山の知識を教えることも大事だと思っています。もしもの時に役立つかもしれませんし、子どもは意外にしっかり覚えているものです。
「ピンクや赤の目印が木についてるから、探しながら登ってみよう」などと遊び感覚を取り入れてあげると、子どもも宝探しみたいで楽しみながらできますよ。山を登る小さな目標もできるので、辛い登山も楽しくなるはずです。
立ち止まってはおしゃべりしたり、ほんとにのんびりゆっくり登っていきます。とにかく「楽しい!」と子どもに思わせることが大事ですからね。
こんな感じで、段差の激しい箇所や危険なところは、大人が交代で抱えたりサポートして登っていきます。黒岩山は山頂までの距離は短いですが、ずっと登りなうえに途中には大きな岩場が続きます。道幅も狭いので、子どもと登る場合には後ろから大人がサポートしてあげるとよいでしょう。
岩場を登りきると…
開けた場所に到着です。お腹も空いたので、三俣山(みまたやま)を見ながらご飯休憩することにしました。
お昼ごはん
この日はラーメンだったり、スープだったり各自用意したものを頂きます。娘は大好物のチキンラーメンを一生懸命食べていました。
子どもたちに温かいココアを用意してくれました。開けた場所で風を遮るものもないのでかなり寒く、こういった温かい飲み物は必要だとしみじみ思いました。ココアは糖分も補給できるので疲れも吹っ飛びます。
ご飯のあとはしゃぼん玉遊び。
しゃぼん玉も山の上ですると、なんだか贅沢だなぁと思ったり…
レジャーシートですら遊び道具になっちゃいます。子どもは遊びの天才ですね。
極めつけは、みんなで「ヤッホー!」と何回も叫びました。大人の方が楽しんでたかも(笑)
さて、最終目的地「黒岩山山頂」に向けて、いざ出発です。
小学生のお兄ちゃんはこんな大きな岩も軽々登っていきます。さすが、くじゅうをはじめ色んな山に登っているだけあります。将来が楽しみです!
娘もサポートしてもらいながら岩場を登っていきます。
黒岩山登頂!
仲間と子どもたちのサポートのおかげで黒岩山に登頂することができました。みんなで「くろさーん」と登頂の喜びを叫びました。みんな最高の笑顔です!
みんなが景色を堪能している中、魔の2歳児が岩場を登ろうとしたり…
狭い岩の間を動き回ったりと、一瞬も目が離せません(汗)小さな子どもから片時も目を離してはいけませんよ。何が起こるかわかりませんから…
下山開始
楽しかった山登りもあと少しでおしまいです。下山する時、いつも「帰りたくな~い」と思い、何度も後ろを振り返りながら下ります。しかし、下山ほど気を引き締めなければいけません。家に帰り着くまでが遠足、いや登山です。
黒岩山のいいところは下山しながらもくじゅう山群や阿蘇五岳(あそごがく)などを堪能できることです。こんな贅沢な景色を見ながら下山できるなんて最高です!
じつは山仲間の旦那さんが途中で合流し、娘を担いで下山してくれたのです。上の写真からもわかるように、黒岩山の途中は結構な急斜面なので、登りよりも下りのほうが大変なのです。
しかし娘はこの頃、男の人が苦手だったのでかなり嫌がっていましたが、安全にはかえられないと判断し、半ば強制的に担がれて下りていったのでした。山中に娘の泣き声が響きわたっていました(笑)
案の定、娘のテンションは下がりまくっていましたが、安全なところまで一瞬で下山でき、仲間の旦那さんには感謝です。
そして最後は自分の足で歩き、無事下山することができました。
子どもと一緒に黒岩山登山を終えて
今回の登山は、娘にはかなりのチャレンジだったのかもしれません。もしかしたら、まだこの山に登ることは早かったのかもしれません。そして今回、無事に登山をできたのは、仲間やその子どもたちのサポートがあったからです。
しかし今回の登山で、娘だけでなく私もたくさんのことを学ぶことができました。私1人ではできないことも「仲間がいれば可能にできる」「チャレンジする勇気をもらえる」と思えたこと、山育のすばらしさを再確認することができました。
娘はこの登山のことをよく覚えているようで、時々話をしてくれます。そして「また山のお姉ちゃんたちと山に登りたい!」といつも言っています。そういわれると、山バカの血が騒いじゃいます(笑)
さて次は、娘とどこの山に登ろうかな!?
最後に、くじゅうだけでなく子どもと山に登る場合に大切なことを紹介します。
チェック
- 必ず、整備された山などでしっかり練習する
- 子どもを担げるよう背負子などを準備する(子どもを担いで山道を登る訓練も必要)
- 無理をしない・させないこと、また無理だと判断した場合は、諦める勇気をもつこと
- 防寒着・ヘッドランプ・雨具など、基本装備をしっかり準備すること
- できれば、事前に登山道やコースタイム、危険箇所を大人が下見しておく
決して山・自然を甘くみてはいけないことを常に心に持っておきましょうね。
ギア
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