季節問わず、オートキャンプからバックパックキャンプまで全ての状況を賄えるテントは存在しない。と、今までは思っていました。しかし、そんな理想のテントを既に所有していました。色々なスタイルのキャンプを経て、やっとそのテントの万能さを再認識することが出来たのです。
muracoのテント「NIMBUS(ニンバス) 4P」は、2人でキャンプする「デュオキャンプ」では無敵のテントでした。その理由と素晴らしさをご紹介いたします。
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目次
「muraco(ムラコ)」について
出典:muracomuraco(ムラコ)は、埼玉県狭山市にある金属加工会社「株式会社シンワ」が母体の、2016年に立ち上がったアウトドアブランドです。2017年に彗星の如くデビューしたテントは、斬新な見た目と、当時としては珍しかった真っ黒なテントでアウトドア界に衝撃を与えました。
0.01mmの誤差が品質を左右する世界で磨かれたクラフトマンシップ溢れる確かな技術から作られたテントは、軽量かつ高耐久な素材を採用していて、オートキャンプから登山泊まで幅広く利用されています。
「ムラコ ニンバス4P」について
muracoのテント「NIMBUS(ニンバス) 4P」は、4人用の軽量テントで、ホワイトグレーのカラーが特徴的です。NIMBUSは「雨雲」という意味なんだそうですよ。
もちろんムラコの代名詞ともいえる黒色版もあり、「BLACK BEAK 4P」という名前でリリースされています。個人的にはホワイトグレーのインパクトのほうが衝撃的で一目ぼれして購入しました。
ニンバス4Pの仕様
サイズ | W260×D380cm |
---|---|
高さ | 155cm |
収容人数 | 4人 |
設置タイプ | 自立型 |
出入口数 | 2か所 |
耐水圧 | 3000mm |
収納サイズ | W55×H22×D22cm |
素材 | フライシート, インナーテントフロア部:40Dリップストップナイロン, 撥水コーティング&耐水PUコーティング / 耐水圧3000 mm インナーテント:40Dリップストップナイロン フレームポール:YUNAN Ultra light / A7001超々ジュラルミン Φ9.64 mm |
収納サイズはW55×H22×D22(cm)、重さはペグ・ポールを含めてたったの3.4kgです。
フライシートやインナーテントには40Dの軽量高強度なリップストップナイロンを採用。フレームポールにはYunan Ultra Light(ユナン ウルトラライト)を採用することにより、強度・軽さを高次元で融合したテントになっています。
軽量にも関わらず前室が大変広く、雨にも強く結露が発生しにくいダブルウォールテントなので、とても快適にテント内ですごすことができます。
インナーテントは吊り下げ式なので、設営や撤収時にインナーテントを濡らすことなく設営できる点も高ポイントです。
ニンバス4Pはシェルターとしても使用できる自立式テントであるところが特徴的です。ソロキャンプではシェルターとしても使うことが出来ますよね。どんな場所にも簡単に設営することができるのでストレスがありません。
使い勝手の良い広い前室がある4人用のテントとしてはトップレベルで軽量・コンパクトなので、持ち運びが楽です。同スペックのテントでここまで軽いテントは、探した限りみつかりませんでした。
ちょっとしたテント泊やデイキャンプ、ツーリングキャンプ、フェスや登山まで、オールラウンドに使うことが出来ます。それでは早速使ってみましょう。
「ニンバス4P」を設営してみた
「ニンバス4P」は設営にちょっとだけ癖がありますが、慣れると15分で設営ができそうですよ。
収納袋からペグとポール、フットプリントを取り出します。
※フットプリントは別売りです。
収納サイズはW55×H22と、本格的なULテントには敵いませんが、4人用で使い勝手の良い前室があることを考えると最軽量の部類になるかと思います。
ポールは3本あり、韓国のYUNAN社製です。細くて頼りなく見えますが、大変軽量で丈夫なポールですよ。
ペグは18本入りで、「V-SHAPED PEGS」という、MuracoオリジナルのV形の断面をしたアルミ合金製の軽量なペグです。1本420円するペグが標準装備なのは嬉しいですね。
長いポールが2本と短いポースが1本がありますが、色分けされていないので先に組み立てておきましょう。想像した以上にポールが長くて驚くかと思います。
フライをしっかり広げます。ニンバス4Pは設営でちょっと癖があるテントなので、この作業を怠るとポールを通す時に大変です。
2本の長いポールをスリーブに通していきます。ニンバス4Pは「魚座型」のテント構造になっていているので、ポールがクロスするようにスリーブを通さないといけないのですが、慣れるまで結構大変です。
特にポールをクロスさせるときに間違えやすいです。テントの縫い目に沿ってポールを通せば失敗しないで済みます。とはいえ生地が薄く、スリーブがわかり辛いので何度やっても慣れません。
出典:STANDARD point長いポールを通したあとに、短いポールを通すのが正しい手順なのですが、個人的にこのやり方が馴染まず、違った方法で設営しています。
筆者の場合、長いポールを通したあとに、テントを一旦立ち上げてしまっています。両端にあるグロメットにポールを差し込むと自立します。
グロメットにポールを差し込む前にベルトを緩めた状態にするのを忘れないでくださいね。こうして緩めておくとポールをグロメットに通しやすくなります。
テントを立ち上げた状態です。ポールもフライシートも軽量なので立ち上げは本当に楽です。
短いポールをスリーブに差し込みます。スリーブは色分けされているので、先ほどよりは楽です。
短いポールは、長いポールの下をくぐるように通すのが正解です。テントを立ち上げる前に短いポールをスリーブに通す手順だと、筆者はいつもミスってしまうで、先にテントを立ち上げるようになりました。
両脇のグロメットに短いポールを差し込むと、テントが綺麗な形になります。
この状態のままであれば、シェルターとして使うことが出来るのがニンバス4Pの素晴らしいところです。キャンプスタイルに応じて様々な使い方ができるので汎用性が高いですね。
次に別売りのフットプリントを設置します。少しお高めですが、軽量で、設営が楽にできる構造になっているので、持っていて損は無いですよ。
フライシートの四隅にあるテープアジャスターバックルにカチッとはめるだけで完了です。これは楽ですね。
最後にインナーテントを設営します。ニンバスは吊り下げ式のインナーテントなので雨の日の設営の時に助かります。
テープアジャスターバックルをカチッとはめていきます。はじめは奥の方2か所だけはめましょう。
フライシートの丸カンにインナーテントのフックを奥のほうから順番に掛けていきます。全部で14カ所ありますよ。
フックを全てかけ終わったら、インナーテント前方のテープアジャスターバックル2箇所にカチッとはめます。
あとはペグダウンをして、グロメットのベルトを引っ張りながらテンションをかけて調整します。
設営時間は20分程度でした。慣れればもっと早く設営できると思いますが、筆者はいつまで経っても慣れず、時間が掛かってしまいます。
「ニンバス4P」の使用感
非常に軽量で汎用性の高い「ニンバス4P」を実際につかってみました。
ニンバス4Pには広い前室があり、側面に出入り口が2か所あるので、出入りが楽な構造になっています。雨の日も出入りが楽だと思います。開放感と通気性もばっちりです。
前室は大変広く、高さもあり、シューズや荷物を置くスペースも十分確保されています。ギアコンテナやクーラーボックスといった大量の荷物を置くことが出来るので大変重宝します。
4人用テントなのですが、正直4人で寝るのは厳しいと思います。頑張って大人3人。2人で使うには理想的な広さです。
インナーテントは奥行210cmあるので幕内でも快適に過ごすことが出来ます。辺の長さは均一ではなく、頭頂部が約2メートル未満程度、反対側は約150cmとなっています。これは足元部分の無駄なスペースを無くしたことにより軽量化した結果だとおもいます。
インナーテントの天井は150cmあります。テント内で立つことは難しいですが、コンパクトなテントとしては結構な高さがあります。これだけの高さがあれば幕内でもお座敷スタイルで快適にすごせますよね。
大型のメッシュポケットがインナーテントの両サイドに2か所付いています。スマートフォンや財布を入れるのに便利です。
インナーテントを使わない場合、なんとミニシェルターとして使用可能な設計になっています。ソロキャンプであればコット1つがすっぽり入る大きさなので無骨なキャンプが出来ますね。デイキャンプでも大活躍の予感です。
オールラウンドで使える!「ニンバス4P」の使用例
「NIMBUS(ニンバス) 4P」は、2人でキャンプする「デュオキャンプ」では無敵のテントです。オートキャンプから登山泊まで、季節やスタイル問わず、このテント1つあれば全て賄うことが可能です。使用例をまとめてみました。
オートキャンプで
軽量・コンパクトにも関わらず、前室が大きく、幕内も広いので快適です。前室にはクーラーボックスやギアコンテナを置ける広さなので、荷物が多いキャンパーさんでも不便をすることは無いでしょう。オートキャンプでは大活躍間違い無しですよ。
夏場のキャンプで
インナーテントの入り口にはメッシュがあり、大きな入口が2つあるので風通しが良く、夏場のキャンプでも快適です。ホワイトグレーのカラーは見た目も涼しそうで、清涼感がありますよね。
冬場のキャンプで
「ニンバス4P」は前室が広いので、ストーブを置くことが出来るんです。勿論、就寝時はストーブを消す必要がありますが、お座敷スタイルで引きこもりキャンプが可能なので、冬キャンプでも快適にキャンプが出来ます。
フェス会場で
ニンバス4Pは4人用テントとは思えない位コンパクトです。場所取りが大変なフェス会場でもばっちり設営が出来るうえに、幕内は快適空間です。ストレスなくフェスキャンプを満喫できます。
バックパックキャンプで
「ニンバス4P」は約3.4kgと、ソロのバックパックキャンプで考えると重いです。しかしデュオであれば話は別です。2人でテントを分散して運べばニンバス4Pだけでテント泊が可能なので、各自でソロテントを用意する手間が省けます。
ニンバス4Pは、2人で使う分には広すぎる位快適なのでバックパックキャンプでもストレスがありませんよ。
「ニンバス4P」のここが素晴らしい
「ニンバス4P」を使ってみて良かった点をまとめてみました。
オールラウンドで使える汎用性の高いテント
ずばりこれに尽きるでしょう。季節問わず、オートキャンプからバックパックキャンプまで全ての状況を賄えるテントなので、2人までであればニンバス4Pだけでどんなスタイルのキャンプも可能という、夢のようなテントです。
軽量・コンパクトなのでどこでも使える
「ニンバス4P」は、4人用のテントで広い前室がある、居住性の高いテントの中では、間違いなく最軽量でコンパクトです。
その大きさはスノーピークの3人用テント「アメニティドームS」と同じ程度と考えると、如何にコンパクトなテントかお判り頂けるのではないでしょうか。
ミニシェルターとしても使用可能
ニンバス4Pは、フライシートだけで完全に自立する仕組みになっているので、インナーテントを使わない場合、そのまま居住空間をシェルターとして使うことが出来る画期的なテントです。テント内にはコットがすっぽり収まる広さですよ。ミニマムなソロキャンプに最適です。
吊り下げ式のインナーテントは悪天候で大活躍
一般的なドーム型テントはインナーテントを設営したあと、フライシートを被せます。ニンバス4Pはインナーテントが吊り下げ式なので雨の日の設営や撤収でもインナーテントを濡らすことなく設営が出来ます。悪天候でも安心ですよね。
ムラコらしい美しいデザイン
Mのロゴがかっこいい美しいシルエットのテントで、ホワイトグレーという、かなり珍しい色をしているので、キャンプ場で他の人とかぶる事は殆どありません。新緑に溶け込むカラーで大変映えますよ。
購入した当時はニンバス4Pの真の実力を理解していなかったのですが、見た目と色に一目惚れして購入しました。今となってはチョイスして大正解のテントでした。
「ニンバス4P」のここが惜しい
どんなに万能なテントでも惜しい点は必ずあるものです。そんな「惜しい」ポイントを纏めました。
設営に癖がある
ニンバス4Pは「魚座型」のテント構造になっていているので、ポールがクロスするようにスリーブを通さないといけないうえに、スリーブがわかり辛いので慣れても苦労します。しかもポールが長いので場所をとります。
4人用テントだが3人でもきついかも
ニンバス4Pの「4P」は、フォーパーソンの略で、4人用テントということになります。しかし4人での就寝はかなり厳しい広さです。大人4人だと確実に無理なのではないでしょうか。大人3人でも厳しいかもしれません。
ガイドテープを外すことが出来ない
テントの設営を楽にする目的で付いているガイドテープが出入り口に付いているのですが、ガイドテープの脱着が出来ない為、高確率で躓きます。せめて脱着できたらと思うと惜しいです。
しかしご安心ください。ガイドテープにペグダウンすることで解決できます。
スカートが無いので風が容赦なく入ってくる
前室が広いニンバス4Pですが、スカートが無いので風が入ってきます。しかもかなりの隙間です。冬場にストーブを前室に置いて使う場合、風の影響で不完全燃焼を起こすことがあるので注意が必要です。
ハンギングループが無い
通常のテントであれば必ず付いているランタンを吊るすハンギングループが、ニンバス4Pにはありません。これは大変不便です。幕内でLEDランタンを使う時は工夫が必要になります。
デュオキャンプで無敵の万能テント
当時、デザインと色に一目惚れして衝動買いしたテント「ニンバス4P」は、実はとんでもないポテンシャルを秘めたテントでした。あらゆるスタイルでのキャンプを経験して、初めてニンバス4Pの真の実力を理解することが出来たような気がします。
「ニンバス4P」は2人でキャンプする「デュオキャンプ」であれば、オートキャンプからバックパックキャンプまで全ての状況を賄える万能テントです。
ギア
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