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山菜採りでの遭難、事故事例|山菜採りの怖い話

山菜採りでの遭難、事故事例|山菜採りの怖い話

登山などのアウトドアにおいて、遭難・事故はつきものです。特に対象を探すことに熱中し、他への注意がおろそかになりがちな山菜採り・きのこ狩りは山岳遭難全体の12.3%を占め、これは登山に次いで2番目に多い遭難の起因となっております。

この記事ではそんな山菜採りでの遭難・事故について実際の事例をあげつつ、どうすれば未然に防ぐことが出来るのかという事についても考えていきたいと思います。

山菜採りでの遭難・事故事例

目印の無い山道

遭難原因の第一位 方角見失い

まず、山菜採りにおいての遭難・事故の原因として最も多いのは“方向見失い“によるものです。

実際、今年の6月18日に起こった遭難例では、下高井郡木島平地籍の山林内で81歳の男性と71歳の女性が道に迷って行動不能になったというケースがあります。

これは特にお年寄りの方に言えることですが、道に迷ってしまうと正常な判断力を失ってしまい山林内を無駄に歩きまわって体力を消費し、結果的に行動不能になることが多いです(山岳遭難者の死者・行方不明者のうち95.0%が45歳以上、71.9%が60歳以上)

いかに体力に自信があろうと山道は険しく、舗装された道を歩くのとは訳が違いますので自分の体力を過信しないようにしましょう。

ちなみに筆者自身も山道で一度プチ遭難をしたことがあり、その際も道を間違えてしまったことによるものでした。

この時は30kmほど歩いた後、軽トラを運転していた地元の人に拾ってもらい、なんとか帰宅することが出来ましたが、帰り着いた後は流石にフラフラになり、もう二度と道を間違えないようにしようと心に誓いました。

遭難原因の第二位 滑落・転倒

山道の中の急斜面

2番目に多い原因は“滑落・転倒”によるものです。

一つの対象に集中して山道を歩くことの多い山菜採りでは、急斜面や悪路が見えず、足を滑らせて滑落してしまうケースが多々あります。

実際に今年の6月19日、北アルプス栂池高原の山林で起こった事例では、山菜採りのために入山した3名のうち63歳の女性が仲間とはぐれ、斜面で滑落し負傷する遭難が発生しています。

最近ではインターネットで富士登山の配信を行っていた方が滑落、死亡したケースもありますが、冬山や高山帯においては雪が積もっていることもあるため一度滑落すると途中で止まることが出来ません。十分に注意しましょう。

どうすれば遭難・事故を未然に防げるのか

悪天候の山道

ここまで実際の事例と共に、遭難・事故の原因を紹介してきましたが、とはいえどうすればこれらを未然に防ぐことが出来るのでしょうか。ここからは原因をもとに考えた、遭難・事故を防ぐための心構えや装備を紹介していきますので参考にしてください。

装備をきちんと整える

登山装備

これは言うまでもないようなことのように思えますが、初心者ほど山を舐めて軽装で登ってしまいがちです。適切な服装はもちろんの事、山の中では電波が届かないことは多々あるためコンパス地図も持って行った方が良いでしょう。

特に山菜採りにおいては登山道を外れて藪の中に入っていくこともあるため、滑り止めの付いた靴や、クマよけの鈴ロープなどもあればより安全です。

更に最近では山岳地図をあらかじめダウンロードしておけば目的地までナビゲーションしてくれる機器も販売されておりますので、これらを活用するのも良いかも知れません。これなら電波が届かない場所でもコンパス機能や地図機能は使えます。

危ないと思う場所には近づかない

藪の中の急斜面

山において特に危険な場所藪の中の急斜面です。藪の中は木々が生い茂っているため見通しがつかず、また斜面に足元を取られて滑落すれば一瞬で死もありえます。

近くが渓流である場合には地面が湿っていて更に滑りやすいこともあるため、そのような場所には初めから近づかないのが無難でしょう。

まあ、そうは言っても筆者自身、キノコ狩りでは木を伝いながら斜面を歩くこともあるのですが…そのあたりは自分の体力や装備とも相談してください。

周りに注意を向ける

見通しの悪い山道

これも上で挙げたことにつながることになりますが、山の中には常に危険がいっぱいです。

山菜のみに集中するのではなく常に周囲に気を配り、地形野生動物毒草毒虫などから距離をとりましょう。

特にこのうちで著者が一番危険だと思うのは毒虫です。野生動物などは基本的にこちらを見つけるとすぐ逃げていきますが、夏場以降のスズメバチはかなり積極的に人間を襲おうとしてきます。

ヒメスズメバチ

蜂に刺されると、すっかり有名になったアナフィラキシーショックはもちろん、単純に毒成分で動けなくなってしまってそのまま遭難…なんてこともありえるので十分に気をつけなければいけません。

もし蜂にたかられてしまった場合は決して手で払ったりせず、その場でどこかに行くまでじっと待つか、息を潜めてゆっくりと離れましょう。

遭難時にかかる捜索費用

山岳救助ヘリ

もし遭難してしまった場合、捜索時にかかる費用ですが、これはだいたい民間ヘリコプター使用1時間あたり50万円前後が相場の様です。

救助の規模によって異なりますが、多くの場合は遭難者が費用の一部を負担しなければならないほか、周囲の人々にも多大な迷惑が掛かってしまうため予め注意をしておくに越したことは無いでしょう。

また、それでも心配な方は日本費用保障少額短期保険株式会社の保険に加入しておけばより安心です。

もし遭難してしまったら?

登山中の体調不良

山の中で遭難してしまった場合、最も危険なのが方向も分からずにウロウロと動き回ることです。道も分からずにウロウロしても余計に探しにくくなるだけですし、体力も奪われるため生存率は一気に下がります。

遭難時の対処法は様々なものがありますが、全体に通じる正解と言うのは実はありません。

よほどの山奥でなければ川沿いを伝っていくことで民家や道路に出ることが出来るでしょうが、歩く前に体力が尽きるとアウトですし、歩き続けるためにはある程度の量の食料や水も必要になります。

かといってその場でじっとしていて水・食料が尽きても死亡の可能性は高く、また、その場所が開けた場所でなければ発見は遅れるでしょう。

もし遭難してしまった場合には難しいでしょうが、あくまでも冷静に、その場その場に適した臨機応変な対応が求められます。また、そのような場合のために飲み水の確保・食べられる野草などのサバイバル技術を身につけておいても良いかも知れません。

遭難・事故に備えて楽しく山菜採りをしよう!

山菜採りのイメージ

初めにも書きましたが山菜採りだけでなく、登山をはじめとしたアウトドアには危険がつきものです。

しかし遭難・事故のほとんどは正しい知識と臨機応変な対応で防ぐことが出来ますし、アウトドアには心身の健康のほか、それでしか味わうことのできない楽しさや、様々な良い面があることもまた事実であり、危険だからと言ってそれらの趣味を避けて生きるのはもったいないと個人的には思います。

この記事に挙げたことのほか様々な事に注意を払い、頭と体を鍛えて、山を満喫しましょう!

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  • フリーランスライターとして日銭を稼ぎ、道端の雑草を食べながら日々を生きています。フィールドワーク全般が趣味で、野草・薬草・キノコについて勉強中です。

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