冬はほとんどの植物が枯れ、木も一部の常緑樹を除いては葉が全て落ちるため、一般には山菜採りには向かない季節だと思われます。しかし、実は冬であってもアブラナ科をはじめとする耐寒性のある植物や一部の果実は採取することが出来るのです。
今回の記事ではそんな冬の山菜たちに焦点を当て、紹介してきたいと思います。
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冬の山菜一覧
上では耐寒性のある植物もあると書きましたが、そうは言っても冬の山菜は春・秋と比べると、どうしても種類は少なくなります。そのためここから紹介する食べられる種類をしっかり覚えて、一種類でも多く採取できるように備えましょう。
ナズナ
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春の七草としてよく知られているナズナ。ぺんぺん草とも呼ばれるこの植物は食べることが出来ます。春の七草と言うからには当然、春に生えるものだと思われがちですが、実際は1月ごろから採取することができ、昔から冬場の貴重なビタミン源として重宝されてきました。
葉茎にはアブラナ科特有のピリリとした辛みがあり、“七草がゆ”のほか、おひたしなどで食べるのもオススメです。
タンポポ

都会・田舎を問わず、どこにでも生えることや、その繁殖力の高さから“雑草”として忌避されることも多いタンポポですが、実はこれは根から花まで全草を食べることが出来る有用な山菜の一つです。
一部の国ではごく一般的に食用にも利用されており、なんとサラダにして生で食べる地域もあるそうです。日本に自生しているもののほとんどはアクが強いですが、日陰で育っているものはクセもなく、そのまま食べることが出来ます。
また、本種の根っこを乾燥させてから焙煎し、挽いたタンポポコーヒーは香りも良く、カフェインを含まないため妊婦の方でも飲めるコーヒーとして一般にも販売されています。
クコ

クコと言うと杏仁豆腐の上に乾燥させたものがちょこんと乗っているイメージが強いですが、もとはと言えばその栄養価の高さから薬膳料理にも使われているほどの有用な食材なのです。
本種は日本にもごく一般的に河川敷などに自生しており、秋~冬ごろには画像のような実をたくさん実らせます。ただ、枝には多少トゲがあるため採取する際には気をつけましょう。
ハマナス

ハマナスという名前と赤い果実からなんとなくナス科であることを想像させる本種ですが、実際はバラ科の植物で、枝にはトゲがあります。一般にはあまりしられていない本種ですが、冬に熟す果実は食用にすることができ、甘酸っぱいです。
海岸の砂地などに自生していることもありますが、最近では個体数を減らしており、保護区に指定されていることも多いため注意が必要です。
ハマダイコン

ハマダイコンは、元は栽培用の大根が野生化したもので、春には薄紫色の花を一面に咲かせます。野生種なので根っこはあまり太くなりませんが、冬の寒さにも強く、地上部の葉は食用にもなります(多少苦いですが・・・)。
名前の通り、浜や海岸沿い、また河川敷などにも自生することがあります。
ユリ根

ユリと一口に言っても様々な種類がありますが、普通、日本の山地で見られるものは上の画像の“ヤマユリ”か下の“ウバユリ”であることが多いです。

どちらの鱗茎(ユリ根)も食べることが出来ますが、野生のユリは乱獲によって徐々に個体数を減らしているため、採取の際には鱗片の一部を埋め戻しておくようにしましょう。
セリ

野菜として販売もされているセリですが、野生種は香りも強く、また違った味わいを楽しむことが出来ます。
本種も春の七草として広く知られており、春にしか採れない山菜だと勘違いされがちですが、実際は日当たりの良い場所であれば2月ごろから採取することが可能です。
ただ、注意点として本種は有毒植物である“ドクゼリ“に見た目が多少似ているためよく見てから採取しましょう。
見分け方としては、ドクゼリには特有の香りが無いこと、また、セリが細いヒゲ根であるのに対して、ドクゼリは太い地下茎を持つことなどから判別できます。
ノビル

ノビルはヒガンバナ科ネギ属の植物の一種で、どこにでも生え、美味しく、かつ、ほぼ一年中とれると言う三拍子そろった筆者も大好きな山菜の一つです。
まれに本種を有毒植物である“スイセン“と間違え誤食し、ニュースになるケースがありますがノビルは色コードでいうと#00ff00~#32cd32当たり、スイセンはほぼ完全な#008000(Green)に近く、他にも茎の太さ・鱗茎・ネギ香など色々と異なる点も多いため、注意していればまず間違う余地はありません。
河川敷や小川沿い、果ては山奥や植え込みなど・・・どこでも採れて美味しいので試しに食べてみて下さいね。
フユイチゴ
山に自生していたフユイチゴ-著者撮影
フユイチゴはキイチゴの仲間の一種で、その名の通り冬に果実をつけます。地域によっても異なりますが、山の中では11月から2月ごろまで採取することができ、群生するため採取も容易です。
味の方は・・・甘みも薄くそれほど美味しいとは言えませんが、果実酒やジャムにすることで風味と季節感を味わうことが出来るでしょう。
ふきのとう

早春の山菜として非常に有名なふきのとうですが、本種は地域によっては雪解けと同時に出てくることで知られており、ゆえに2月頃から採取が可能です。
フキは“春の香り”とも呼ばれる独特の香り成分を持っており、食べると非常に爽やかな気分になれるため、季節感を味わうにはもってこいの食材です。
綺麗な小川沿いや湿り気のある山地などに自生することが多いですが、地域によってはあまり出ないこともあります。
参考として、私の住んでいる地域では山奥よりもある程度人気のある場所に出ることが多いような気がしますね。
カキドオシ
川沿いに群生するカキドオシ-著者撮影
あまり一般には利用されることのないカキドオシですが、特有のさわやかな香りと薬効を持つ山菜の一種です。本種は田んぼのあぜ道や川沿いなど、どこにでも生えており、それこそ田舎に住んでいる人なら徒歩5分圏内で容易に探すこともできるでしょう。
利用法としては乾燥させてお茶にしたり、肉の臭み消しにハーブとして利用するなど名よりもむしろ、わき役としての使い方が主です。見た目には間違えそうな毒草もありませんし、特有の香りからも見分けられるため初心者向けの山菜だと言えるかもしれません。
山菜採りで冬の寒さにも負けない体を作ろう!
ここまで冬でも採れる山菜たちを紹介してきました。先にも書きましたが、冬はあまり山菜採りのシーズンとしては知られておらず、ごく一部の有名なものを除いては山に入る人すらあまりいなくなります。
この記事を機会に、雪化粧をした冬山と、冬の山菜たちを楽しんでみるのも一興ではないでしょうか。
ギア
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