今回はキャンパーに絶大な人気を誇るペトロマックスHK500を紹介します。使用にあたり特に気になるメンテナンス方法と、あまり知られていないけど実は便利なアルコールカップを使用したプレヒートの仕方をまとめてみました。
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目次
ペトロマックスHK500とは?
ペトロマックスとはドイツ発祥の灯油を燃料とした圧力式ランタンのブランド名になります。その中でもHK500は明るさが500CP(キャンドルパワー:光の強さ)相当と、メインランタンとして使用することが可能なくらい明るいランタンになります。合計で200点以上もの細かなパーツから構成されながらも至ってシンプルな構造になっているため時代を超えて長く愛用されているランタンです。
CP(キャンドルパワー)とは、ロウソク1本分の明かりを1キャンドルパワーとした単位。
引用:ライト・ランタンのマメ知識
ペトロマックスHK500の魅力
ランニングコストが安い
なんと言っても燃料が灯油であることが最大の魅力です。灯油は他のランタンの燃料であるガスや電池と比べ安くて手に入りやすいため、実用性の高いランタンです。更に光量の割に灯油の消費量が少なくランニングコストが安いのは有難いです。
明るくてメインランタンとして最適
ペトロマックスHK500の明るさは500CPあります。これは約400W相当になるので、かなり明るいです。広範囲を非常に明るく照らしてくれるので、メインランタンとして最適。ガスランタンとは違い気温が低い時でもコンスタントに明るさを発揮できるのも魅力です。また灯油ランタン独特の光の暖かさや柔らかさが、夜のキャンプサイトを包み込むように照らしてくれます。
デザインがかっこいい
創業から100年以上経つランタンでありながらほとんどモデルチェンジのない当時のままのシルエットがレトロで露骨でかっこいいです。他の灯油ランタンと比較しても大きめで、コールマンA286よりも10cm程高く、ニッケル、ゴールド、アーミーの3つのカラーはどれもキャンプサイトで一際目立つ存在感のあるランタンになること間違いなしです。
ペトロマックスHK500のメカニズム
ペトロマックスHK500を使用するにあたり、灯油ランタンのメカニズムを知っておくことは非常に重要なことで、ランタンのメンテナンスに役立つのでしっかりと理解しておきましょう。
仕組みを簡単にまとめると、液体の灯油を気化させ、空気と混合させた燃えやすいガスを作りだす装置が灯油ランタンです。
加圧式の燃料タンクは、ポンピングする事で圧縮され加圧されます。この圧力は、気化器であるジェネレーターへ液体灯油を押し上げるのに用いられます。
マントルに火をつける前に、まずはジェネレーターを十分に熱っする必要があります。これは、液体灯油をガス状にしなければならないからです。この作業が今回のテーマでもある予熱(プレヒート)と呼びます。
プレヒートが終わり、ガス化した灯油に火がつくと、マントルから吹き出す熱によって、ヴァポライザー内の液体灯油は常に気化され続けます。圧縮されたガス状の灯油は一気に膨張しながら空気と混ざりあいます。完全に混合されたクリーンなガスはバーナー下部のノズルから吹き出し、燃焼しながらマントルにぶつかり、光を発するのです。
ペトロマックスHK500の問題点とメンテナンス方法
では、実際にペトロマックスHK500を使用して感じた問題点と解決策をまとめてみました。大体のメンテナンスは付属の専用工具で出来るようになっています。
マントルの明るさが不安定な時
マントルの明かりが暗かったり不安定な時はミキシングチューブの高さを調整します。ミキシングチューブはヘッドカバーを外すと上部にあるU字になっているチューブのことです。ここでニップルから噴き出る気化した燃料と空気が混合します。この混合の割合いを変えることでマントルの明るさを調整する事が出来ます。
グリップホイールの矢印を下向きにした状態で、ミキシングチューブを固定しているネジを緩め、付属の専用スパナについているゲージを使い、ニップルとミキシングチューブの隙間が適正になるよう高さを調整します。調整が終わったらネジをしっかり締めて、ミキシングチューブを固定します。
また、ニップルは熱膨張で緩みやすいので、これも専用スパナで増し締めします。
ペトロマックス使用後のノズルの緩み
ペトロマックスランタンの使用後、熱の影響でマントルを結び付けているノズルが緩みます。緩んだ状態で使用を続けるとマントルごと落下して炎上する恐れがあります。メンテナンス方法としては、使用後は必ずここを手で締める必要があります。
改善案としては純正のセラミックノズルからステンレスノズルに交換しておいたほうが良いです。
予熱バーナーが安定してしない
不純物が多い灯油を燃料としている為、どうしても、すすが発生しやすくランタンのこまめな清掃が必要になります。特に余熱バーナーの小さな噴射口にはススが溜まりやすくバーナーの炎が安定せずに使用中に消えてしまうことがあります。
メンテナンス方法としては、バーナーの噴射口が詰まっている可能性があるので付属の掃除針を使って噴射口を掃除します。レバーのすぐ上にある穴からバーナーのノズルに差し込み、クリーニングします。
アルコールカップを利用したプレヒートのやり方
ペトロマックス HK500では、勢いのある余熱バーナーでのプレヒートが主流になりますが、意外に便利なのがアルコールカップを利用したプレヒートになります。アルコールカップはジェネレーターの下にあるアルコールを受ける皿になります。このアルコールカップを利用したプレヒートの仕方とメリットをまとめてみました。先程の問題点の1つでもある「予熱バーナーが安定しない」の対策にもなります。
アルコールカップを使用した点火方法
燃料用アルコールを用意
まずは、燃料用アルコールをHK500に付属しているアルコール容器に移して準備します。燃料用アルコールはドラッグストアなどで300円ほどで容易に購入出来ます。また一回の点火で必要なアルコール量は専用容器の3分の1以下になるのでコスパも良いです。
ポンピングをしてタンク内に圧をかける
圧力調整ネジが閉まっている事を確認してタンク内に圧をかけます。目安は圧力計の赤い目盛り2kg/qcmまで圧をかけます。タンク内の灯油が少ないと圧をかけるのに時間がかかります。
アルコールカップにアルコールを入れる
アルコールカップにアルコールを入れます。入れる時は、サポートフレーム下部、ジェネレーター横に少し大きな穴が空いているので、そこにアルコール容器の先端を入れていっぱいになるまで注ぎます。
アルコールに点火する
アルコールを点火する際は、先程利用したサポートフレーム下部の穴からマッチやチャッカマンの先端を入れて点火します。
プレヒートを開始
ここが1番重要な工程になります。十分にジェネレーターを予熱しないとランタンが炎上してしまいます。実際に使用したところ、外気温が5C°以下の冬場はカップのアルコールが蒸発して無くなるまでの予熱を2回以上行う必要がありました。
点火
プレヒートが終わったら青色のノブを矢印が真下にくるように回転させて点火します。勢い良く回すとマントルが破けてしまうのでゆっくり回します。予熱不足だとランタンが炎上するので、その時は慌てずに圧力調整ねじをゆるめて圧を抜き消化します。そしてまた点火の作業を初めからやり直してください。その際、予熱の時間をさらに長くしましょう。
アルコールでプレヒートするメリット
アルコールでのプレヒートは、予熱バーナーと違いポンピングした圧が放出されないため、予熱中にポンピングを追加する必要がないので楽でした。更にアルコールでの炎も安定しているので寒い時期でも安心して利用出来ました。
癖のあるランタンこそ愛着が湧き長く使用できる
ペトロマックスHK500は他のLEDランタンやガスランタンと比較しても点火やメンテナンスに手間がかかり癖のあるランタンになります。だからこそ、それを理解して使用すれば愛着が湧き長く愛用出来る素晴らしいランタンになってくれるはずです。
ギア
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