そろそろ山菜の季節ですね。今年は暖冬の影響もあってか、Twitterなどを見ているとすでに様々な植物が芽吹き始めている地域もあるようです。
今回の記事では、早春の山菜、特に「フキノトウ・シャク・ミツバ」の代表的な3種類に的を絞って、探し方・似た毒草の有無などを実際に採取・調理しながら紹介していきます。
美味しい早春の山菜たち
フキノトウ
みんな大好きフキノトウ。
スーパーなどでも売られている”フキ”の新芽、厳密にいうと蕾の部分のことですが(フキは花が咲いた後に葉が出てくるという結構めずらしいタイプの植物なのです)、それゆえにフキの生えている場所さえ探しておけば根が枯れない限りは毎年同じ時期に採取することが出来ます。
そもそも山菜採りを始めたばかりの頃はその”フキの生えている場所”を探すのがまずそこそこの難易度に感じる事かと思いますが、田舎に住んでいるのであれば綺麗な小川・渓流沿いの斜面や山の中の湿り気のある場所であれば、ほぼ100%と言っていいほどの確率で見つけることが出来るでしょう。
都会に住んでいる人はちょっと難しいですが、車で郊外まで行くというのもレジャーの一環として個人的にはありかと思います。(面倒なら買うか庭に植えましょう。本末転倒のような気もしますが)
こんな感じで、田舎なら道路沿いとかにもモサモサ生えてます。ちなみにこれは今年の初冬に撮った写真。
フキ自体はよほど暖かい地域でもなければ冬場にいったん地上部が枯れますので、場所をしっかりと覚えておく必要があります。が、場所さえ分かっていれば…
このように採り放題ですね。
採りつくすと枯れてしまう…と言われがちな山菜類ですが、フキノトウに関しては種を作る訳でもないし、葉は時期を外して別に出てくるし、そもそもフキ自体が地下茎で増える植物なのであまり気にする必要はありません。
他の人も入ってくるような場所で採取する場合には少し残しておいた方が優しいとは思います。
数えたらちょうど20個でした。知り合いにおすそ分けしても良いかもね。少なくともこの辺りでは採っている人を見たことが無いので、ガッツリ採取しました。
いや 「結局、お前が食べたいだけなんじゃねえの?」 というツッコミは無しでお願いします(笑)
ともあれ、結構採れたのでここから調理に入っていきましょうか。
まずは採ってきたフキノトウを十分に洗ってから定番の天ぷらにしてみました。市販の”てんぷら粉”を使って揚げれば誰が作ってもサクサクになるのでオススメ。別に通という訳ではありませんが、これは塩だけで食べるのが一番おいしいです。香りとほんのりある苦みをしっかり楽しんで頂きましょう。
お次は前からやってみたかったフキ味噌というのを試してみます。ご飯のおかずに最高だそうです。
すぐに炒められるように先に味噌・みりん・砂糖(4:2:1)を混ぜてたれを作り、更にフライパンに油を敷いて温めておきます。
で、採ってきたフキノトウ大・中10個程度を…
刻んで、
タレと一緒に炒めます。
ちなみにフキ味噌に使用するフキノトウはすでに花が咲いてしまっているようなものでも構いません。むしろある程度大きくなるまで待った方がかさ増しもできて良いかも?
ある程度水分が飛んだら完成です。
あとはご飯に乗せたり…
その上に卵を乗っけても合うと思います。
フキ味噌は色々利用法がありそうなので模索してみるのも楽しそうですね。
トーストにチーズと乗せたりもしてみた。これはこれでうまい。
ミツバ
お次は薬味としてスーパーなどでも売られているミツバです。これは水のきれいな場所であれば、割りとどこにでも生えているのでフキノトウよりも入手難度は低いかもしれません。似た毒草も無いのでそういう意味でも安心ですね。
ここは私がよく行く里山のふもとにある小川です。ここの水は山からずっと流れてきている綺麗な水ですので、毎年、色々な山菜を採ることが出来、重宝しています。
このような場所を適当に見てみるだけでも…
こんな風にミツバは普通に生えています。
セリ科の山菜類はまとめてこの時期に出るので、タイミングもはかりやすいですね。
あとはこれを必要な分だけ摘んで完了。
なんだかフキノトウと比べるとアッサリしすぎているような気もしますが、実際に簡単に見つかるんですから仕方ないですよね。採りたては香りも強く美味しいので、採ったら出来るだけ早めに調理したほうが良いと思います。
ミツバと言うとどうしても薬味としての印象が強いですが、今回のように大きめのサイズがたっぷり採れた場合は…
サッと茹でて…
白だし・醤油でおひたしにするのもオススメです。
大きく成長したミツバからは若干パクチーっぽさも感じられるので(パクチーも同じくセリ科です)、嫌いな人からすればキツイかもしれませんが、好きな人にはたまらないと思います。
もしくは、そのまま天ぷらにするのも悪くないでしょうね。揮発成分である香りは少し飛んでしまいますが…
シャク
上の二つと比べると少し知名度の劣る”シャク”ですが、香りが良く、シーズンには沢山とれる優秀な山菜なのです。今回はセリを採った場所の隣に生えていたので、そこで採取を行いましたが、それほど水が綺麗な場所でなくとも生えています。
たぶん都会に住んでいても川があれば見つけられるのではないでしょうか。
シャク自体はこのようにセリ科だけあってセリに似た見た目をしていますが、それゆえに毒草である”ドクゼリ”や”ムラサキケマン”などと間違われることも多いので、採取する際にはしっかり香りを確認するようにしましょう。
シャクで合っていればニンジンとセリを足したような甘い香りがあり、後者二つには何とも言えない悪臭があります。
慣れてくると葉柄の長さでも区別がつくので、これはシャクに限らず山菜取りをする場合には植物をよく観察し、特徴を覚えることが大事です。
少し小さいですが、柔らかそうな良い個体です。
ミツバとシャク。近くにフキノトウもあったのでついでに採ってきました。
写真右側のものがシャクです。これもミツバと同じく薬味メインなので、大量に採れてもせいぜいサラダに使う程度が無難でしょうね。
上のように肉料理の飾りつけや、大量に採れるのであれば、もっと直接的にフードプロセッサーにかけてソースにしたり、和風パスタの具にしたり。色合いが綺麗なので色々な使い方が出来そうです。
採って楽しむ春の味
早春の山菜というテーマでは今までにいくつか紹介してきましたが、今回のように実際に採取~調理まで行ったのは初めてだと思います。
山菜として有名な”タラの芽”や”コシアブラ”などが出てくるのはもう少し後になりますが、本当の意味で春の訪れを告げるこの時期の山菜は香りも良く、前者と比べても何ら遜色のない美味しさですので皆さんも試してみてくださいね。
ギア
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