前回、キャンプをしながらオートバイで旅を続けるロングツーリングの為のアイテムとして、フロアレスシェルターやコットを紹介しました。
今回は「食」編とし、キャンプをしながらオートバイで旅をする際の便利な火器類を紹介致します。
満点の星空の下、好きな料理を頬張るのはこの上もないご馳走です。野外と言うだけで美味しさは120%増し間違いなし。それでも、どうせ食べるならば料理のバリエーションも増やしたいし、積載量に限度があるオートバイ故にアイテムも厳選したいところ。
全国のライダーさん、バイカーさん。貴方のメイン火器は何ですか?恐らくガスのシングルバーナーがメインなのではありませんか?ガス缶、それはOD缶でもCB缶でも煩わしさは感じませんか?
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目次
ツーリングを楽しむためのこだわりキャンプアイテム5選「食」編
オートバイによる旅、それを支えるキャンプ。料理シーンではガスによるシングルバーナーが一般的です。ガスは火力も強く使いやすい。私もオートバイに乗り始めた34年前、プリムスのシングルガスバーナーを買いました。大変小型で今でも現役です。
しかし、いつも同じ不満がありました。
- OD缶は結構高価であること
- ガス残量が分からない為、使っている缶以外の予備を用意して旅に出ねばならないこと
特に2に関しては、ガス残量が見えない為に対策方法がありません。ツーリングに出て旅先でガス缶を買う為ホームセンターを探すというのは、バイク乗りであれば如何に煩わしいかお分かりの筈。結局常に予備の缶を用意しなければなりません。
現在はCB缶を使うシングルガスバーナーも各種出ています。OD缶と異なりCB缶は100均でも購入できます。家庭でもカセットコンロで使えますから予備があっても構わないけれど、CB缶を使うシングルガスバーナーは結構高価です。
中華製品の格安品は2000円程度で手に入りますが、火を扱うのですからしっかりとしたメーカーが良いでしょう。イワタニで4千円後半から、SOTO辺りだと1万近い価格です。
それならばいっそ、夏場のツーリングでは脱ガスバーナーをしてみませんか?
火器類を見直すことで同時に「火」の在り方も見直せます。キャンプの夜は、やっぱり火が欲しいですよね!火があるだけで何というか時間の流れ方が違ってきます。火を見つめていると何とも心が豊かになります。
寒い季節はなるべくコンパクトに収納できる焚き火台を私もバイクに積み込みます。フルタングの大きめなナイフで薪を割り焚き火の火を絶やさない。暖をとる意味もあります。しかし、真夏のキャンプでは大きな焚き火の炎は必要ありません。
焚き火を火器で流用してしまう。荷物を減らす意味でも有効です。
アルコールストーブ
アルコールストーブをご存知でしょうか?燃料用アルコールを燃やすストーブで、先の大戦でも兵士に愛用されました。構造は大変単純。構造が単純故、中華製品でも全く問題ありません。トランギアからも出ていますが、アルコールストーブに限って言えば高額な物を買う必要は無いのです。
私のアルコールストーブは中華製。五徳が付いて680円でした。送料込です!最初は自作も考えましたが、五徳も作れば材料費でそれくらい掛かります。買った方が安いとの判断。
ストーブのキャップを開け、中に燃料アルコールを入れる。後は着火だけ。火を付けると、最初ユラユラ炎が揺れます。これが一次燃焼。少しすると、熱で気化したアルコールが、ストーブの口周囲にある小さな穴から出始めます。そして、そこに火が灯る。これが二次燃焼です。
火力は決して強くはありません。ガスの三分の一程度と考えて下さい。珈琲を淹れる為の湯沸かしでも5分以上はかかります。けれども、火力が弱い点以外、実に利点にあふれたアイテムが、アルコールストーブなのです。
アルコールストーブの利点
まず第1に、燃料用アルコールの安さがあります。500mlで350円前後。500mlあれば、4日間程度のキャンプをこなせます。コスパは十分!しかもホームセンター以外でも入手できます。燃料用アルコールはドラッグストアでも売っています。
第2に、燃料用アルコールはプラボトルに入っている点。目で残量が確認できます。これは小さいことですが実は大事な点。残量不足の不安に慄くことがない!目で見れば残りが分かるのだから。
第3に、アルコールストーブ自体の小ささと軽さが挙げられます。積載量に限りのあるオートバイには、まさにぴったり。構造自体が単純ですからまず壊れる心配はいりません。壊そうとしない限り大丈夫。真鍮製ですから長年使えば熱による変形が生じるけれど、安価な物です。買い替えだって気楽です。頑強なチタン製品もありますが、無理に高額なチタンに手を出す必要はありません。
アルコールストーブはガスの様な音は有りません。ただただ静かに、蒼い炎がゆらゆらと…。良いですよ。
スキレット
火力の弱いアルコールストーブには、熱伝導の良いスキレットが最も相性の良いアイテムです。キャンプに活かせる一番簡単なスキレット料理をご紹介!
キノコのアヒージョ
【作り方】
- ニンニクと鷹の爪をみじん切りにします
- それらをスキレットに入れ、オリーブオイルをひたひたとなるまで入れます
- シメジや様々なキノコを刻みます
- アルコールストーブに着火し、スキレットを五徳の上に載せます
- 1分から2分ほどすると、熱伝導が良いスキレットが、オリーブオイルを煮立ててくれます
- そこに刻んだキノコを入れて、オイルで煮込みます
- 味付けは塩胡椒で十分!キノコのアヒージョの完成です
アヒージョは、具材を食べるというよりは具材の美味しさが染み込んだオリーブオイルを食べる料理。パンをオイルに浸して食べれば、その美味しさは…「Buono!」です。
スキレットひとつあれば料理の幅は無限大!お肉料理も卵料理も自在に作れます。ハンバーグを焼いても焦げ付きの心配がありません。鋳鉄の重さはありますが、熱伝導が良く、しっかりと素材の中まで火が通ります。他のクッカーではこうはいかないのです。
日常の台所でもスキレットは活かせます。様々な料理に活用できます。フライパンよりも料理に活かせるのです。1つ買っても後悔はしない筈です。アウトドアで活用でき、毎日の日常にも活用できる。僅か数百円ならば、決して高くはないですよね?
スキレットは近年流行りですから、様々なブランドから様々な大きさのものが出ています。私はズバリ「ニトリのスキレット」ですね。お値段は約400円少々。安さ抜群!大きさも、キャンプで2人分の料理を作るのに丁度良い大きさ。アウトドアブランドの数千円もするスキレットなど買う必要はないでしょう。
付け足しになりますが、スキレットは高温になりますから、鍋敷きも各種売られています。ニトリの場合スキレットに合わせたサイズの木製鍋敷きが出ています。お値段200円程度。これがキャンプではまな板の代わりにもなります。この辺りは私の動画がYouTubeに出ていますからご覧下さい。鍋敷きもセットで購入されることをお勧めします。
次回は是非、アルコールストーブとスキレットで作る簡単美味なアウトドア料理をご紹介したいものです。叶うかな?
おすすめのウッドストーブ
キャンプには「火」が欲しいです!
火があるだけで、何というかキャンプの趣が違ってきます。暖をとるという実用性以外に、火は心を落ち着かせ心を豊かにしてくれます。キャンプに火は不可欠!
でもですよ…。真夏、30度を遥かに超える暑さと湿度の中。一日中ヘルメットを被り走り回る。剥き出しの体には、風の心地良さだけではなく排気ガスも纏わりつきます。キャンプ場近くの温泉で湯に使って体の汚れと疲れを落とし、身も心もスッキリして、キャンプ場で乾杯などしてbeerで…。それでも夜も熱帯夜…。焚き火、要るかなぁ…。
熱帯夜の様な夜に大きな焚き火は要りません。暑いもの。でもやはり「火」はあった方が良い。そんな時にオススメしたいのがウッドストーブです。
私はVARGOのヘキサゴンステンレスウッドストーブを使っています。こちらももう購入してから10年以上が経ちますね。チタン製もありますがステンレスで十分。畳めば片手に入りますし、厚さは数センチ。小さいですよ。専用ケースが付いています。組み立ても袋から出して即完成!
キャンプ場の多くは、直火を禁じています。ウッドストーブはこの点も大丈夫。
本来はストーブですから調理に使います。私の場合、これでパンを焼いたり湯を沸かしたり。ガスよりは火力が弱いけれど、しっかり「火」ですから焚き火の代わりにもなるのです。夏場のツーリングならば本格的な焚き火台よりウッドストーブの方がむしろ適しています。
ウッドストーブも、様々な種類のものが出ています。お値段も2,000円程度で揃います。形も多種ありますが、どれも畳めばコンパクト。オートバイに載せるのに知恵を出す必要のない大きさです。
焚き火台に代わり火を作ることができる。調理に使うこともできる。肌寒ければ暖をとることもできます。アルコールストーブ1つ、ウッドストーブ1つ、これで「脱ガス」のキャンプが完成します!
使い放題の徳用割り箸
先ほどご紹介したウッドストーブ。その名の通り、小枝や枯葉を燃料として燃やします。キャンプ場に手頃な小枝が沢山あれば燃料費はタダ!素晴らしいです。
ただし都合よく枯葉や小枝が沢山あるかどうかは行ってみないと分からない。その上、ウッドストーブは燃焼性能が素晴らしくあっという間に小枝などは燃え尽きます。ストーブ形状がよく考えられていて火の回りが良いのです。そうすると何が起きるか?簡単ですね。次から次に小枝や枯れ葉をくべなければならないのです。結構な量が必要ですよ、現地で燃料の小枝枯れ葉を調達するなら。
そこで解決方法を1つ!「割り箸」です。
スーパーやホームセンターで割り箸の徳用袋が売られていますね。50膳とか100膳とか入って数百円です。これを燃料として購入しておきます。一晩で一袋を使い切ることはありません。
キャンプ場で薪も販売していますが、あの薪は焚き火台には良いけれどウッドストーブには大きすぎます。使うなら薪割りをせねばなりません。ウッドストーブには割り箸が一番使い易いです。無論、キャンプ場で手頃な小枝が集まればそれに越したことはないけれど。知らないキャンプ場に行くに当たり賭けに出るわけには行きません。是非徳用袋の割り箸を準備して下さい。
調理にも割り箸は使えます。食事にも勿論使えます。使ったら燃やす。ゴミの軽減にもなりますよ。
使う量は一概には言えませんが、二泊三日のキャンプに2人で出かけ50膳の徳用袋の半分も使いませんでした。ロングでも大丈夫かと思います。足りなくなったら晩御飯の食材を買う時に買い足せば良いだけです。手頃で使い易く何かと重宝しますよ、割り箸は。
割り箸を使った裏技も有ります。以前はキャンプ用のトースターを用意していました。パンを挟んで火で炙るタイプ。結構嵩張ります。私のは古いギアなので。
けれど、ウッドストーブの上方に、割り箸で梯子を組めば、そこでパンが焼けます。
割り箸が燃え出すまで、パンを炙る必要はありません。焦げてしまいます。適度なところでパンを裏返せばそれで十分!ウッドストーブと割り箸で朝食のパンも焼ける訳です。荷物の軽減も叶いますよ。旅のお供に是非徳用袋の割り箸を!
割り箸の先端をナイフで花びらの様に割いてあげると火付きが大変良くなります。割り箸ですから大した力はいりません。
保温能力のある水筒
ここから先は大人の嗜み…。
私のツーリングキャンプは、キャンプ場に到着する前に食材の買い出しと入浴を済ませます。キャンプ場に一番近い立ち寄り温泉で入浴です。温泉施設とキャンプ場の間は15分以内が理想。折角温泉で体を休めてそれからまた走り続けるのは、幾らバイク馬鹿でも切な過ぎます。
最近はキャンプ場に温泉施設が併設されている所も増えましたね。有り難いことです。
1日走って。温泉で身体をほぐして。汗をかいて…。Beer、欲しくなりませんか?
私の場合、温泉施設でbeerを購入します。缶一本はそのままバイクに括り付けます。これはキャンプ場到着時の乾杯用。残りは夕ご飯を作りながら、或いは食べながら、或いは食後に…。
Bourbonや焼酎はスキットルに入れて持参します。冷たい状態で飲みたければ、今時のキャンプ場は場内に自動販売機が必ず有りますから、24時間ソフトドリンクを販売しています。でもお酒は異なります。
キャンプ場にお酒の自動販売所が有り、しかも遅い時刻まで販売している。その様なキャンプ場も有るのですが、今夜泊まるキャンプ場がそこまで充実しているか否かは行くまで分かりません!だったら予め用意しておくのが賢い行動。けれどもbeerは冷えたまま飲みたいのです!絶対に。だからこその保温式水筒。
温泉施設で何本かの缶beerを購入します。1本はキャンプ場到着時、即呑んでしまう乾杯用。これはそのままで。残りは泡を立てない様に慎重かつ静かに静かに水筒へ。これで時間経過後も冷えたbeerを楽しむことが叶います。
以上、大人の嗜みでした。
キャンプをしながらのロングツーリングを楽しもう
オートバイ歴が34年、キャンプ歴も34年。しかしながら、34年間ずっとキャンプツーリングをしていた訳ではありません。西行きに命をかけていた時間があります。
九州、四国、山口広島、島根鳥取…高速を多用し、日に700kは走る。こうなると到着時刻も遅くなるし、必然宿に泊まるケースが増えてきます。
西行きにかけていた時間の前は東北ばかりを巡っていました。下道で、キャンプして。それこそ学生時代はテント持参で北海道ばかり。
最近、高速多用のツーリングに飽きも生じ、また東北巡りを再開しています。キャンプして、また走って!
一日中、それこそ帰ることなど考えずに!ひたすらひたすら遠くへ走り。自然を愛で、山を愛で湖畔を愛で。そして湯に浸り、星を眺めながら自然の中で眠りにつく。
目覚めれば、また旅が始まります。
人生最高の時間なのです。
ギア
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